ネット銀行法人口座は危険なのか?預かり資産や自己資本比率でも優位

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手数料が安いのはわかったけど、本当にネット銀行法人口座を使って大丈夫なのか?

以前、ネット銀行をメインバンクにする中小企業経営者が増えている理由という記事でも書きましたが、最近はネット銀行の法人口座をメインバンクとして活用している中小企業が増えています。私の会社もそのうちの一つです。

しかし、法人口座ともなるとまだまだネット専業銀行に抵抗を感じる経営者も多いようです。

しかし、すでに預かり資産や自己資本比率では地方銀行よりも優位なネット銀行も登場しています。2000年に国内初のネット専業銀行であるジャパンネット銀行が誕生し、15年以上が経った現在では、状況も少しずつ変わってきています。

ネット銀行の預かり資産や自己資本比率を比較

今回は、ネット銀行の預かり資産・自己資本比率をまとめてみたいと思います。

参照データは記事執筆時点(2016年8月)のものとなっております。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行

口座数:264万口座
預金残高:3兆5,734億円
自己資本比率:10.15%

住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同で設立したネット銀行です。手数料の安さと圧倒的な利便性で多くのユーザーの指示を得ており、今なお人気のネット銀行となっています。

最近は法人口座にも力を入れており、キャッシュカード一体型の「法人向けデビットカード」は年会費無料でカード利用額の0.3%をキャッシュバックするという高いスペックを誇ります。

住信SBIネット銀行はブロックチェーンの実証実験をいち早くおこなったり、高いセキュリティを誇るスマート認証を開発するなど、テクノロジーにおいても常に最先端を走っているフィンテック企業でもあります。

また、他行あて振込手数料が業界最低水準となっている点にも注目です。

楽天銀行

楽天銀行

口座数:550万口座
預金残高:1兆6,633億円
自己資本比率:10.33%

格付:日本格付研究所(JCR)
長期発行体格付け:A
短期発行体格付け:J-1

日本格付研究所(JCR)からの格付を取得している楽天銀行は、ジャパンネット銀行と同じく国内では長い営業歴のあるネット銀行です。

元々は「イーバンク銀行」という銀行だったのですが、経営が思わしくない状況が続き、楽天に買収され、その後現在の「楽天銀行」に商号を変更しています。楽天による買収以降は着実に業績を回復させ、現在は黒字を継続しています。

楽天銀行も法人口座としては非常に高いスペックを誇っており、住信SBIネット銀行と並んで業界最低水準の他行あて振込手数料を提供しています。

預金残高は住信SBIネット銀行に劣るものの、口座数はネット専業銀行の中では圧倒的No.1となっています。

また、楽天銀行が提供するビジネス向けのJCBデビットカードは、年会費が1,000円+税となるものの、業界最高峰の1%キャッシュバックを提供しており、カード決済が主体となる法人にとってはメリットが大きい銀行です。

ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行

口座数:327万口座
預金残高:6,250億円
自己資本比率:39.55%

格付:日本格付研究所(JCR)
長期発行体格付け:A+(安定的)

ジャパンネット銀行は以前から「ビジネスアカウント」の名称で法人口座および個人事業主向け口座を展開していました。

現在は当たり前となっているセキュリティトークンの利用ですが、トークン形式の認証を初めて導入したのは、ジャパンネット銀行です。

楽天銀行や住信SBIネット銀行はそれぞれ、マネーブリッジやSBIハイブリッド預金といった「証券連携」のサービスによる預金残高の獲得をおこなっていますが、ジャパンネット銀行は証券連携サービスを提供していないため、預金残高は大きく下がります。

しかし、自己資本比率は国内の金融機関の中でもトップクラスです。

その理由としては、ジャパンネット銀行は住宅ローンを取り扱わず、国債・地方債などの安全資産での運用を中心にしているからです。これによって、大手銀行でも実現できないほどの高い財務健全性を維持しています。

ジャパンネット銀行では、すべてのキャッシュカードにVisaデビット機能を搭載しており、口座開設と同時にすぐにカード支払い機能の導入が可能です。もちろん、Visaデビットカードには不正利用に対する保証も付いているので安心です。

ちなみに、ジャパンネット銀行は三井住友銀行とYahoo!JAPANが共同で設立しており、株主構成はこの2社が大半を占めています。

セブン銀行

セブン銀行

口座数:156万口座
預金残高:3,898億円
自己資本比率:53.90%

格付:スタンダード&プアーズ(S&P)
長期カウンターパーティ格付け:A+(安定的)
短期カウンターパーティ格付け:A-1

格付:格付投資情報センター(R&I)
発行体格付け:AA
アウトルック:安定的

セブン銀行は国内で最もATM設置台数が多い銀行として知られています。

ビジネスモデルがセブン銀行ATMを通じての他の銀行からのATM手数料収入となっているため、一般の銀行とは事業内容そのものが大きく異なっています。

個人向けのカードローン事業も展開していますが、住宅ローンや事業向け融資を行っていないため、自己資本比率は非常に高いです。

預金残高の運用収益によって利益を得ているビジネスモデルではないので、顧客から預金を集める必要性が薄く、預金残高は少なめです。

なお、セブン銀行法人口座は同社が提供する売上金サービスを利用する法人のみが口座を作ることができます。決済・預金のみの口座は作ることができないため、法人向けサービスに対しては消極的といえます。

オリックス銀行

オリックス銀行

口座数:不明
預金残高:1兆3,976億円
自己資本比率:10.3%

格付:スタンダード&プアーズ(S&P)
長期格付け:A+

格付:格付投資情報センター(R&I)
長期格付け:A-

元々は、山一證券の子会社である山一信託銀行として発足しましたが、山一證券の自主廃業に伴いオリックスが買収。「オリックス信託銀行」の商号を経て、現在の「オリックス銀行」の商号になりました。

オリックス銀行は定期預金に強い銀行として知られており、ネット銀行の中でもダントツNo.1の定期預金金利を提供しています。預かり残高も1兆円を超えており、顧客からの厚い信頼を得ていることがわかります。

決済用の銀行ではないので、ATMが利用できないなどの特徴を持っており、活用方法としては特殊な使い方になると思います。

オリックス銀行は不動産投資ローンや金銭信託、そしてオリックス銀行カードローンや事業向けのローンなど、預かり資産を積極的に運用することで収益を上げています。

とは言え、自己資本比率は国内基準を大きく上回る10%を維持しています。

イオン銀行

イオン銀行

口座数:493万口座
預金残高:2兆1,536億円
自己資本比率:10.98%

イオン銀行は、イオンカードや電子マネーWAONなどの事業を持つイオンフィナンシャルサービスの傘下にあります。クレジットカードとの連携によって様々なサービスを展開し、預金残高・口座数ともにネット銀行トップクラスの数値となっています。

イオン銀行の法人口座は電子証明書が使えたり中小企業への融資サービスもおこなっています。しかし、積極的に営業展開をしているわけではなく、口座開設をするには営業部へ電話をし、担当者ベースで手続きを進めていく方針のようです。

法人口座の数は少ないと思いますが、イオン銀行同士の振込手数料は何度でも無料となっています。ネット銀行法人口座の中でも、同行あての振込手数料が何度でも無料というのは、イオン銀行のみです。

地方銀行の預金残高を上回っているネット銀行

業績向上

以上が、法人口座の開設ができるネット銀行の預金残高と自己資本比率です。

しかし、実際にこの数字だけを見ても多いのか少ないのかわかりにくいですよね。上位のネット銀行が獲得している2兆円、3兆円という預金残高は、わかりやすく言うと一部の地方銀行の預金残高はすでに上回っている状態です。

もちろん、横浜銀行や千葉銀行のような大手地銀と比較すると足元にも及ばないわけですが。。。

例えば、住信SBIネット銀行は現時点で3兆6,000億円程度の預金残高を獲得しています。この水準の地方銀行というと、こんな銀行が該当します。

名古屋銀行
名古屋の地方銀行。愛知銀行よりも預金量は多いです。
預金残高:3兆2,064億円
自己資本比率:12.53%

近畿大阪銀行
大阪の地銀。りそなグループです。預金残高が住信SBIネット銀行とほぼ同じぐらいですね。
預金残高:3兆8,585億円
自己資本比率:13.04%

あおぞら銀行
東京を拠点とする普通銀行です。GMO社とネットバンクを設立する計画を発表済み。
預金残高:2兆8,805億円
自己資本比率:11.03%

金融機関の財務健全性を示す「自己資本比率」は、BIS規制によって一定の水準を保つことを義務付けられています。

メガバンクのように海外に拠点を持つ銀行は、国際基準として自己資本比率8%以上、海外では営業活動をしていない銀行については国内基準として自己資本比率4%以上の維持が必要です。

現在営業している銀行はもちろん、これらの自己資本比率を上回っており、それはネット銀行も例外ではありません。

また、ネット銀行は高水準のセキュリティを提供しており地方銀行や信用金庫のネットバンキングよりも信頼できると思います。

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