他行あて振込手数料が安いネット銀行の法人口座ランキング
執筆者:川原裕也 更新:
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ネット銀行法人口座を使うと、振込手数料を大きく下げることができます。
セキュリティや財務健全性もしっかりしており、最近はネット銀行をメインバンクとして利用する事業者の方も増えました。
今回は、ビジネスでは無視できないコストになる「他行あて振込手数料」を比較します。
他行あて振込手数料が安いネット銀行の法人口座
現在は多くの方がネットバンキングを利用して振込を行っています。ネット経由の振込はもっとも手数料が抑えられますが、それでも大手銀行の振込手数料は高いです。
たとえば、三菱UFJ銀行法人口座の場合、他行あて振込手数料は3万円未満で484円、3万円以上で660円です。さらに、ネットバンキング(BizSTATION)の利用に月額1,760円がかかります。
※税込み。以下すべて税込み。
これは、振込回数が多い中小企業や小規模企業にとって大きな負担となります。
一方で、ネット銀行法人口座では、大手銀行の半額以下のコストで振込取引が行えます。
1位:住信SBIネット銀行
金額に関わらず:145円
GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行とともに、他行あて振込手数料の安さで力を入れているのは、住信SBIネット銀行です。
住信SBIネット銀行は個人口座においても競争力がありますが、法人口座にも力を入れています。
1件あたりの振込手数料は極めて安く、さらに「一定条件を満たすと段階的に130円まで振込手数料を引き下げる」特典も実施しています。
法人口座の他行宛振込手数料を引き下げる条件は以下の通りです。
振込回数5回未満:145円
振込回数5回以上:140円
振込回数20回以上:135円
振込回数50回以上:130円
もし振込回数が上記の条件を満たすことができるのであれば、住信SBIネット銀行は振込手数料において最安のネット銀行法人口座になります。
業界最安の振込手数料だけでなく、年会費無料+キャッシュバックの付いたVisaデビット付きキャッシュカードが選べるのがメリットです(キャッシバック率は0.6%)。
また、セキュリティにも最先端の技術が使われており、住信SBIネット銀行が導入している「スマート認証NEO」は現時点でもっともセキュリティが高いと私は考えています。
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2位:GMOあおぞらネット銀行
金額に関わらず:145円
振込料金とくとく会員:129円
※2021年10月1日から:自行あて:無料、他行あて:(金額にかかわらず)一律145円に引き下げ!
※振込料金とくとく会員とは、毎月末日に翌月分の月額利用料を支払うと各種サービスでさまざまな優遇を受けられる法人向けサービスです。
IT業界大手のGMOインターネットが、あおぞら銀行と提携し、2018年に誕生したのがGMOあおぞらネット銀行です。
GMOあおぞらネット銀行の前身は「あおぞら信託銀行」という信頼と実績のある銀行となっています。
後発だけあって、GMOあおぞらネット銀行の法人口座は他行あて振込手数料を格安にしています。
セキュリティにも力を入れており、電子証明書の利用や認証アプリによる不正送金の対策なども万全です。
GMOあおぞらネット銀行の提供するセキュリティであれば、法人口座として億単位の資金を預けていても、安心して利用できると思います。
また、IT業界大手の運営するネット銀行だけあり、入金専用のバーチャル口座の利用や、複数人で口座を管理する「ビジネスID」といった先進的なサービスも無料で使えます。
最近は、ネット銀行が「ビジネスデビットカード」を発行することも増えました。
創業間もない企業で、クレジットカードを持っていなくても、VISAデビットカードを使えば、ネット通販や海外取引などでカード決済が行えます。
GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードは、利用金額の1%をキャッシュバックしています。還元率も、ほかのネット銀行と比較してリードしています。
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3位:楽天銀行
3万円未満:150円
3万円以上:229円
楽天銀行も振込手数料の安さに力を入れています。
楽天銀行の法人口座は創業したばかりでも口座開設できます。WEBと郵送のみで手続きが完了するので、最初のネット銀行法人口座としても使いやすいと思います。
また、海外送金手数料も業界では最安となっています。
楽天銀行はJCBビジネスデビットカードを無料で発行しています(再発行手数料は1,100円)。
1,100円の年会費が必要ですが、カード利用金額の1%がキャッシュバックされるので、年間10万円以上のカード決済で年会費の元が取れます。
ビジネスデビットカードのキャッシュバック率は、GMOあおぞらネット銀行が1%、住信SBIネット銀行が0.6%となっています。
上記の2社は「Visa」または「Mastercard」ブランドですが、楽天銀行のビジネスデビットカードは「JCB」ブランドです。
楽天銀行のJCBビジネスデビットカードには1つだけ、大きなデメリットがあります。それは「紛失・盗難補償」が付いていないことです。
GMOあおぞらネット銀行と住信SBIネット銀行のビジネスデビットカードには、最大1,000万円までの紛失・盗難補償が付いています。
しかし、楽天銀行の場合、デビットカードを紛失・盗難してしまった場合の不正利用は補償されません。
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4位:PayPay銀行
金額に関わらず:160円
「ビジネスアカウト」として、法人だけでなく個人事業主の口座開設にも対応するPayPay銀行。
ほかのネット専業銀行よりも他行あて振込手数料は高めです。
しかし、PayPay銀行では前月の預金平均残高(円普通預金、円定期預金)が3,000万円以上の場合、振込手数料が毎月5回まで無料となる優遇特典を提供しています。
中小企業にとってはハードルが高い条件かと思いますが、他行あて振込手数料が無料になるという特典はメリットが大きいです。
また、ATM手数料も入金・出金ともに毎月1回無料となっているので、使い方次第では楽天銀行や住信SBIネット銀行よりもお得になる場合もあります。
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5位:イオン銀行
5万円未満:220円
5万円以上:440円
上記3社と比べて、イオン銀行は法人口座に力を入れている感じではないので、振込手数料も一気に上がります(それでも大手と比較してかなり安いですが)。
また、イオン銀行法人口座はネットバンキングの月額利用料が2,200円かかります。提携ATMの数も少ないので、メインバンクとして積極的に活用するのは少し難しいかもしれません。
振込手数料に関して、あえて強みをあげるとすればイオン銀行間の振込手数料が何度でも0円だということです。
法人口座の場合、同じ銀行あてでも少なからず手数料がかかりますが、イオン銀行法人口座であれば無料で送金できます。
60%以上のコストダウンを実現
今回は、セブン銀行とオリックス銀行の法人口座は除外しました。理由としては、この2行はやや特殊な扱いとなっているからです。
セブン銀行は口座開設を一般に受け付けておらず、オリックス銀行はATMが利用できません。
中小企業の法人口座に力を入れている
はいずれも競争力のある振込手数料を提供しています。
ネット銀行と三菱UFJ銀行の振込手数料を比較すると、その差は3分の1以下となっています。
つまり、ネット銀行法人口座に切り替えるだけで、振込手数料による経費を60%以上削減できます。
また、ネットバンキングの月額利用料も0円なので、トータルで考えると中小企業にとっては無視できないほど、大きなコストダウンに繋がります。
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