個人事業主で消費税が免除となる条件は?仕訳や納付期限を知っていますか?

消費税

税金は通常、利益に対して課税される仕組みです。

しかし、赤字でも支払わなければならない税金があります。それが多くの方が知っている「消費税」です。

消費税は消費者が買い物などに支払う税金を、事業者がまとめて納付する仕組みです。基本的には企業間取引などにおいても消費税が加算されます。

記事執筆時点(2017年5月)で日本の消費税は8%ですが、近い将来消費税は10%に増税される見通しです。

どれだけ、消費者から預かっているお金とはいえ、売上の1割を税金として収めなくてはならないとなると、資金繰りに大きな影響を及ぼすのことは間違いありません。

しかし、消費税は支払いが免除となる条件もあり、実は消費税を支払わなくても個人事業主もたくさんいるのです。

消費税の免税事業者であれば、8%の消費税分はすべて利益となります。もちろん合法ですので消費税の8%を利益として計上しても問題はありません。

個人事業主で消費税が免除となる条件

チェックリスト

個人事業主が免税事業者となる条件は大きく2つあります。

なぜ「開業後2年間」は免税扱いになるのかというと、消費税の納税義務は「前々年の売上が1,000万円以上の場合」に発生するからです。

つまり、事業をスタートして1年目に売上が1,000万円を超えても、消費税の納税義務が発生するのはその2年後(つまり3年目から)なので、実質的に2年間は免税扱いになるという理屈です。

もう一つの条件は「課税売上高が1,000万円以下」の場合で、売上が1,000万円に満たない自営業者は3年経っても5年経っても、消費税を支払う必要はありません。

もし現在、年間売上が1,000万円に満たないようであれば、消費税については気にしなくても大丈夫です。

ちなみに、事業を始めてから5年目に初めて課税売上高が1,000万円を越えた場合、その2年後となる7年目から消費税の納税事業者になります。

◆特例に注意
基本的には上記の考え方で問題ないのですが、実は「前年における課税売上高における納税義務免除の特例」という決まりも存在します。

これは、前年の1月1日~6月30日までの半年で課税売上高が1,000万円になった場合、課税事業者になってしまうという特例です。

つまり、事業開始直後から売上が好調で、事業を始めて半年後には売上が1,000万円を越えるほどになっていた場合、「前年における課税売上高における納税義務免除の特例」に該当するため、2年目から消費税の納税義務が発生します。

消費税率よりも負担が軽い簡易課税制度

税金の計算

もし、消費税の納税義務が発生しても、実際の税率よりも収める税額は低いので安心です。

課税売上高が5,000万円以下であれば「簡易課税制度」を選択することができます。事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出しておくことが条件です。

簡易課税制度では、業種によって「みなし仕入率」が定められており、通常の消費税の計算方法(原則課税)よりも簡単に計算できるようになっています。

簡易課税制度の計算方法は以下の通りです。

納付する消費税額 = 課税売上に対する消費税額 - (課税売上対する消費税額 × みなし仕入れ率)

みなし仕入率は以下のように業種ごとに定められています。

業種 みなし仕入率
第一種事業(卸売業) 90%
第二種事業(小売業) 80%
第三種事業(製造業等) 70%
第四種事業(その他の事業) 60%
第五種事業(サービス業等) 50%
第六種事業(不動産業) 40%

たとえば、「その他事業(みなし仕入率60%)」を営んでいる事業者で、課税売上高が3,000万円の場合、簡易課税制度ではこのような計算方法になります。

消費税率から消費税額を算出
3,000万円 × 消費税8% = 240万円(課税売上に対する消費税額)

簡易課税制度で納付する消費税を計算
240万円 - (240万円 × 60%) = 96万円

単純に課税売上高の8%(240万円)と比較すると、実際に納めなくてはならない消費税額はずいぶんと小さくなりました。

ちなみに、売上高が5,000万円以上になった場合の「原則課税」方式の計算方法は以下の通りです。

納付する消費税額 = 課税売上に対する消費税額 - 課税仕入に対する消費税額

言い換えると
納付する消費税額 = 課税売上の8% - 課税仕入の8%

計算がややこしくなりますので、売上が5,000万円を超えてくるようであれば、税理士さんなどの専門家に依頼した方が良いと思います。

消費税の納付期限

失敗

個人事業主の消費税の納付期限は3月31日です。

確定申告の期限が3月15日となっており、所得税はこれに合わせて3月15日が納付期限となっています。

所得税と消費税は税額の中でも特に大きなものですが、この両方を3月中に納めなくてはなりません。

確定申告時期に備えて税金の支払いができるよう、しっかりとお金を貯めておくことをおすすめします。実際、この時期は税金の支払いで資金繰りが厳しくなります。

中間納税に注意

所得税と同様に消費税にも中間納税(予定納税)が存在します。

「前年に消費税がこれぐらい発生したから、今年もこれぐらい発生しますよね?それなら先にその一部を納めておいてください」

という自営業者にとっては大変厳しい制度です。。。

個人事業主の場合は、前年の消費税の税額が48万円を超える場合、消費税の中間納税義務が発生します。(課税期間の特例制度を適用している場合は中間納税は不要)

中間納税は、自動計算されて納める税額が記入された納付書が5月ごろに届きます。

この納付書を持って、銀行などで税金の支払いを行います。

税込み会計の場合は、中間納税を「租税公課」として仕訳します。

租税公課 100万円 / 普通預金 100万円
摘要 消費税の中間納税の支払い

消費税の仕訳のやり方

悩む自営業者

帳簿付けを税込み会計にしている場合は、消費税は「租税公課」で支払います。

銀行口座から100万円の消費税を納付した場合、

※決算仕訳をしない場合
租税公課 100万円 / 普通預金 100万円
摘要 消費税の支払い

が、消費税の支払いの際の仕訳となります。

基本的な仕訳方法は上記の通りですが、決算仕訳をする場合は、一旦「仮払消費税」という勘定科目を経てから、実際の納付段階で処理する形となります。

決算仕訳をした時
租税公課 100万円 / 未払消費税 100万円

実際に消費税を納めた時
未払消費税 100万円 / 普通預金 100万円

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