個人事業主が加入できる社会保険と加入条件をやさしく解説

ビジネスマン

社会保険にはさまざまな種類がありますが、個人事業主が加入できる社会保険は限られています。

わかりやすいところで言うと、一般的なサラリーマンや会社経営者が加入している、「健康保険」や「厚生年金」に、個人事業主は加入できません。

個人事業主 サラリーマン
会社経営者
国民年金 厚生年金
国民健康保険 健康保険

国民年金保険

国民年金

国民年金は、日本国民の20歳以上60歳未満の人すべてに加入が義務付けられている保険です。

個人事業主に限ったわけではなく、無職の人や社会保険のない職場で働いている人も同様に、国民年金に加入します。

20歳から年金の積立を行い、60歳を過ぎた後に、年金を受給できる社会保障の一つとなっています。

一方で、サラリーマンや法人経営者は「厚生年金保険」に加入することができます。

個人事業主は厚生年金には加入できません。

厚生年金のメリットは、保険料が会社と折半になるため、自己負担割合が少なくなることです。

また、将来受給できる年金給付額も国民年金より多く、手厚い保障となっています。

その一方、国民年金は全額自己負担であり、将来の年金給付額も厚生年金に劣ります。

こうした社会保障の点で、個人事業主やフリーランスになることを心配をしている人も多いと思います。

国民年金の加入手続きは、市区町村の窓口で行います。(前職がある場合は退職後14日以内)

市役所の年金課という窓口で対応してくれると思いますので、市区町村の役場に行って総合窓口で聞いてみてください。

国民年金は確定拠出年金でカバーできる

自営業とiDeCo

しかし、国民年金は「確定拠出年金(iDeCo)」でカバーできます。(いわゆる401Kというやつです)

確定拠出年金(iDeCo)は任意加入ですが、自分で毎月積立を行い、60歳を過ぎてから国民年金とは違うもう一つの年金として給付が受けられる制度です。

積立期間の運用は投資信託で行い、どのような運用方法で年金資産を作るのかについても、自分で選択できます。

わかりやすく言うと、国民年金・厚生年金に続く「じぶん年金」という位置づけです。

iDeCo(イデコ)には、

の節税に繋がる3つのメリットがあります。

この中で特に節税効果が高いのが「掛金拠出時(積立時)の控除」です。

iDeCoで積立てた掛金は全額が所得控除になるため、高い節税効果があります

そして、iDeCoは自営業者がもっとも多く掛金を拠出できる仕組みになっています。

第1号被保険者
自営業(個人事業主)
掛金は毎月5,000円~68,000円(年間で最大816,000円の所得控除)

第2号被保険者
民間の従業員・法人経営者(会社役員)・公務員など、厚生年金に加入できる人
掛金は毎月5,000円~23,000円(年間で最大276,000円の所得控除)

※企業で確定拠出年金に加入する「企業型確定拠出年金」に加入している場合は上記よりも少なくなる場合あり

第3号被保険者
第2号被保険者の被扶養配偶者(専業主婦など)
掛金は毎月5,000円~23,000円(年間で最大276,000円の所得控除)

※専業主婦は収入がないためiDeCo加入のメリットがないケースもある

つまり、国民年金をカバーする形でiDeCoへの掛金を増やすことで、将来の年金受給額を自分で増やせる上に、さらに年間最大81万円以上の所得控除まで受けられるのです。

そして、ここまで大きな所得控除が得られるのは、第1号被保険者である自営業者だけで、厚生年金に加入しているサラリーマンや法人経営者は掛金を増やしたくても増やせません。

私は確定拠出年金(iDeCo)は自営業のために用意された特別お得な保険だと思っています。

個人型確定拠出年金の加入方法は、iDeCoを取り扱っている各種金融機関に申込を行うだけです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)については下記の記事で詳しく解説しています。

国民健康保険

医療

個人事業主が加入する国民健康保険は、病院などで治療を受けた場合に、医療費が3割負担になる保険です。

国民健康保険は、世帯主とその家族が加入できるものですが、世帯所得に応じて保険料が決まるため、家族それぞれが、それぞれの保険料を負担しているイメージとなります。

そして保険料は、全額自己負担です。

一方で、サラリーマンや会社経営者が加入する「健康保険」は、保険料は会社と折半ですので、自己負担割合は半分で済みます。

また、健康保険には「扶養家族」に対しての保障があるため、家族の人数や世帯年収に関係なく、保険料が決まります。

国民健康保険の加入手続きは、市区町村の窓口で行います。(前職がある場合は退職後14日以内)

おそらく、市役所の国民健康課という窓口で対応してくれると思いますので、市区町村の役場に行って総合窓口で問い合わせてください。

個人事業主が従業員を雇った場合

個人事業主自身は厚生年金保険・健康保険には加入できません。

しかし、従業員を雇用した場合は、社員の方々に対して様々な保険加入の手続きを行う必要があります。

厚生年金・健康保険

カフェの経営者

個人事業主が加入できなくても、そこで働く従業員は「サラリーマン」と同じ扱いですので、保障の手厚い厚生年金・健康保険に加入することができます。

しかし、従業員が厚生年金・健康保険に加入すると、事業者がその半額を負担する必要があるため、経営者としては費用負担が大きくなってしまうのも事実です。

個人事業主の場合、従業員の数が5名未満であれば「厚生年金・健康保険」への加入は必須ではありません

ただし、常時雇用の従業員が5名以上になった場合は加入義務が発生します。

厚生年金・健康保険への加入をする場合は、管轄の年金事務所(社会保険事務所)に行き、必要書類を提出します。

必要書類(任意適用申請の手続き)(日本年金機構)

また、一部例外があります。

一部の業種を営んでいる場合は、従業員数が5名以上になっても、厚生年金・健康保険への加入は必須ではありません。

「一部の業種」とは、サービス業の一部(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業等)や農業、漁業等のことを示します。

労働保険

機械設備

「労災保険、雇用保険」のことを総称して労働保険といいます。

一方で、「労働保険、雇用保険」については従業員を1人でも雇っている場合、加入は必須です。

これらの保険料は折半ではなく、すべて事業者負担となります。

また、労働保険、雇用保険はともに従業員が加入するものであって、事業主本人は加入できません。

労災保険、雇用保険ともに加入手続きの窓口は管轄のハローワークとなります。

労働保険は、仕事中の事故等に対する保険です。雇用保険は失業時の社会保障となります。

労働保険の成立手続(厚生労働省)

また、条件を満たす農林水産事業者は労働保険は任意加入となります。

イ 労災保険の暫定任意適用事業
労働者数5人未満の個人経営の農業であって、特定の危険又は有害な作業を主として行う事業以外のもの
労働者を常時は使用することなく、かつ、年間使用延労働者数が300人未満の個人経営の林業
労働者数5人未満の個人経営の畜産、養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)の事業

ロ 雇用保険の暫定任意適用事業
下記に掲げる農林水産の事業(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業および法人である事業主の事業を除きます)であって、常時5人未満の労働者を雇用する個人経営の事業です。
土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(いわゆる農業、林業と称せられるすべての事業)
動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業

出典:群馬労働局

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