スマホ決済の導入費用・手数料が無料のサービス5選、お店をキャッシュレスに対応する
執筆者:川原裕也 更新:
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国内でも「キャッシュレス化」を推進する動きがあり、近い将来「スマホ決済」の普及が加速度的に進むと言われています。
すでに中国ではAlipay(アリペイ)が圧倒的に普及しており、中国人観光客の多くが、QRコードを使った支払いを日常的に行っています。
自社の店舗をキャッシュレス支払いに対応させることで、インバウンド需要を取り込むことができ、また国内の消費者ニーズにも適応することが可能です。
これまで、スマホ決済を店舗に導入するためには「導入費用」などのコストがかかっていました。
しかし現在は、スマホ決済サービスが乱立し、各社の競争が激化しているため「導入費用・決済手数料ともに無料」のサービスまで登場しています。
この記事では、利用者の多い代表的なスマホ決済を取り上げるとともに、導入費用や決済手数料についても比較します。
スマホ決済は原則として、個人事業主・法人のどちらでも導入可能です。
無料で導入できるスマホ決済サービス
これまで、キャッシュレス支払いと言えば「クレジットカード」が代表的でした。
しかし、クレジットカードは決済手数料が高く店舗側の負担も大きいため、導入を見送っている経営者の方も多かったと思います。
一方で、「スマホ決済」は当初は業者同士の競争激化が起こっていましたが、決済手数料などが横並びの金額になってきた現在、入金手数料、キャンペーンなどで差がつくようになってきています。
スマホ決済の決済手数料は、これまであたりまえだった「クレジットカード決済手数料」を大きく下回っています。
店舗側の負担をおさえて、消費者の利便性を向上させることが可能です。
PayPay(ペイペイ)
- 導入費用
- 無料
- 決済手数料
- 1.6%~1.98%
- 入金手数料
- 無料
- コメント
- ソフトバンクグループとLINEヤフー株式会社が共同出資するスマホ決済サービス
PayPay(ペイペイ)は、ソフトバンクグループとLINEヤフー株式会社が力を入れて展開しているスマホ決済です。
驚きなのは、導入費用・入金手数料を0円で提供したことです。店舗側の負担はありません(導入費用無料などはその後各社が追随しました)。
ペイペイを利用するもう一つのメリットとして、中国で普及しているAliPay(アリペイ)との連携があります。
お店に訪れた中国人旅行客は、ペイペイのQRコードを読み取るだけで、アリペイによる支払いが行なえます。
入金サイクルは、PayPay銀行の場合は「当月末締め 翌日振込」です。それ以外の銀行は「当月末締め 翌々営業日振込」の入金となります。
これまでのモバイル決済やクレジットカード決済よりも入金サイクルが早いので、店舗運営者としても資金繰りの改善が期待できます。
PayPayはLINEヤフーグループの「PayPay銀行」と相性が良いです。可能であれば、PayPay経由の売上金の入金先はPayPay銀行に設定することをおすすめします。
店舗側の導入はとても簡単です。お店専用のQRコード(2次元バーコード)が記載されている紙をレジ前などに置いておくだけです。
PayPayを利用するお客様が、店舗のQRコードを読み取り、自分自身で金額を入力すれば支払いが完了します。あとは、お店のスタッフがお客様の支払画面を確認するだけです。
すでに、ファミリーマートなどの大手も導入を開始しており、「スマホ決済の本命」として加盟店を勢いよく伸ばしています。
au PAY
- 導入費用
- 無料
- 決済手数料
- 2.6%
- 入金手数料
- 無料
- コメント
- au PAY会員数は3,000万人超。
3大携帯キャリアの1社であるKDDIが展開するau PAY。
大規模な還元キャンペーンを打ち出していたこともあり、au携帯のユーザーだけでなく、NTTドコモやソフトバンクの利用者でもau PAYを使っている人は多くいます。
PayPayと同様に、導入費用・入金手数料は0円です。
また、中国で圧倒的な利用者数を誇るAliPay(アリペイ)、WeChat pay(ウィチャットペイ)の同時申し込みも可能です。
あまり知られていませんが、au PAYと楽天ペイは相互利用が可能となっているため、au PAYをお店に導入することで、楽天ペイの利用ユーザーも取り込むことができます。
すでに3,000万超の会員数がいることからも、ほかのスマホ決済と合わせて導入は必須です。もちろん、au携帯を契約していない店舗でも申込みできます。
入金サイクルは、毎月1回、毎月2回、早期振込サービスの3つです。
振込手数料はau PAY(KDDI)の負担なので無料です。ただし、1回あたりの振込額が1万円未満の場合、振込は次回に繰り越されます(売上金が1万円未満でも、2回目には必ず振り込まれる)。
早期振込サービスは本来、有料のサービスですが、期間限定で無料となっています。事務手数料有料化の開始については、開始の6ヶ月前に告知される予定です。
d払い
- 導入費用
- 無料
- 決済手数料
- 2.6%
- 入金手数料
- 無料
- コメント
- dポイントクラブ約9,600万人の、潜在ユーザー数No.1のキャリア決済
d払いは、NTTドコモが展開するスマホ決済です。
国内のスマホ決済では、PayPayやau PAYなどが普及している状況です。
しかし、d払いは特にNTTドコモ利用者の使用率が高いのが特徴で、2022年度の時点でd払いユーザー数は5,100万人を超えています。
スマホ決済は「これを入れておけばOK」というものではなく、ユーザーの多種多様な支払い方法にいかに対応するかが重要です。
5,100万人が求める決済方法を逃すデメリットは大きく、PayPayやau PAYと合わせて、d払いも導入必須のスマホ決済と言えるでしょう(レジ前がごちゃごちゃになりがちですが、、、)。
ただし、d払いの決済手数料は2.6%となっており、無料期間はありません(その分、利用者への還元を強化しているようです)。
なお、2023年12月1日から、メルペイと同時導入で申し込み月から最大6ヵ月決済手数料が無料になるキャンペーンが開催されています。
「d払い」と「メルペイ」の共通QRコードを新規にWebサイトから申込むことが条件です。記事執筆時点(2024年5月10日)でこのキャンペーンの終了日は未定です。
フリマアプリ「メルカリ」を使った決済サービスのメルペイは、d払いほどには知名度がありませんが、メルカリ月間利用者数は2,200万人以上です。
店舗側としては少しでも多様な支払いに対応し、より多くの顧客満足度を高めるか、お店によって判断が分かれるところだと思います。
注意点としては、このキャンペーンによりd払いの決済手数料は最大6ヵ月無料になりますが、メルペイの決済手数料は2.6%であるということです。
導入費用や月額費用は0円なので、メルペイで支払う顧客が少なければ、お店の負担もさほど大きくはなりません。
入金サイクルは月1回/2回が選べます。月1回の場合、月末締め翌月10日入金、月2回の場合は15日締めの25日入金と、月末締め翌月10日入金となります。
売上金の入金手数料(振込手数料)は1万円以上なら無料です。入金予定額が1万円未満の場合は、翌月以降1万円以上に達するまで口座への入金は繰り越されます(変更可能)。1万円未満の入金は、200円(税込)の手数料がかかります。
Amazon Pay
- 導入費用
- 無料
- 決済手数料
- デジタルコンテンツ:4.5%、デジタルコンテンツ以外:3.9%
- 入金手数料
- 無料
- コメント
- リアル店舗でのコード決済サービスAmazon Payは2022年に終了。現在はネットショップの決済サービスのみ。
Amazon Pay(アマゾンペイ)は、以前からネットショップの決済システムとして導入されていました。
決済手数料は3.9%(デジタルコンテンツの場合は4.5%)となっています。
入金サイクルは初期設定では「14日サイクル」となっています。
現在、まだ普及が進んでおらず、またスペックも高いとは言えません。今後の取り組みに注目の決済サービスです。
楽天ペイ
- 導入費用
- 無料
- 決済手数料
- 3.24%
- 入金手数料
- 無料
- コメント
- 対応力は圧倒的。楽天銀行との相性が良い。au PAYと連携。
楽天が展開している楽天ペイにはさまざまな種類があり、それらを総称して「楽天ペイ」と呼んでいます。
- QRコード(アプリ決済)
- 楽天ペイの決済に対応。手数料は3.24%。au PAYと連携しているのでauユーザーも取り込みやすい。
- 端末での決済
- Visa・Mastercard・American Express・JCB・Diners Club・Discoverなどの主要カードブランドに対応。加えて、楽天Edy・Google Pay・交通系ICカード・Apple Pay・QUICPay・iDなどの電子マネー決済に対応。決済手数料は3.24%。
- ネットショップ向け
- 物販の決済手数料は4.0%。デジタルコンテンツの決済手数料は8.0%~(決済手数料にはクレジットカード手数料、及び楽天ポイント付与原資分が含まれます)。
楽天ペイの実店舗用「決済端末」を導入することで、クレジットカードや交通系ICカード、電子マネーといったあらゆる決済方式に対応できます。
楽天ペイは、楽天銀行を入金口座に指定した場合に限り、入金サイクルが「翌日」となります(振込手数料も無料です)。
楽天銀行以外の金融機関で売上を受け取る場合は、手動で「入金依頼」をする必要があり、依頼してから翌営業日に入金手続きが行われます(振込手数料として別途330円がかかります)。
楽天ペイについては、詳細記事を書いています。あわせてご覧ください。
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スマホ決済サービスを見てきましたが、やはり相当の決済手数料を設けているサービスがほとんどでした。
この数年の間にPayPayの利用者は伸び、当初期待されたLINE PayはPayPayのQRコードに統一され、Amazon Payは実店舗決済から撤退するなど、大きく状況が変わりました。
あくまでも個人的な意見ですが、今後もさらなる淘汰が進む可能性もあります。
当面は決済手数料、ユーザー数で優位のサービスを選んでおけば間違いはなさそうです。また、キャンペーンなどをうまく利用して導入コストを下げるのも有効だと思いました。
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