自営業で年収4,000万円以上の利益をあげるためにやってきたこと

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年収アップ

これまで数多くの自営業の方にインタビューを行ってきました。

今回お話を伺ったのは、小規模企業で年収4,000万円以上の利益を生んでいる、自営業歴20年のグラフィックデザイナーさんです。

取材日は2016年11月11日です。

今回お話をうかがった方

ケルセナさん
宮城県在住 / 60代 / 男性

30歳の時にフリーランスとなる。その後デザイン会社を設立し、様々な仕事を精力的にこなしてきたが、60歳で定年退職。

その後、改めてデザイン制作に関わりたいと思い、再び仕事を再スタートする。

地元に根ざした営業活動で仕事を獲得

商店街

広告制作を行っています。グラフィックデザインや印刷物の制作、イベント企画などが主な仕事です。主なクライアントは、契約を結んでいる広告代理店や地元の企業です。

それ以外にも、クラウドソーシングということで、クラウドワークスからメールで届いた案件を、できる範囲で受けたりもしています。

実は、インターネットがない時代に、仕事に恵まれない地方のグラフィックデザイナーに仕事を回せるようなシステムができないか考えたことがあったんです。

クラウドワークスの提供するサービスは、私がやりたかったことに非常に似ていました。

なので、仕組みを知りたいという気持ちもあって、本業に影響のない範囲で受注し始めて今に至ります。

自分の考える広告制作のために独立

グラフィックデザイナー

大学は工業デザイン系でした。最初は印刷に興味があったのですが、そのうち制作の方に興味が向いていって、某広告代理店に入社しました。

そのなかで、いろんなことを学ばせていただいて、クライアントからいろんなお誘いを受けるようにもなり、自分でも独立できるかな、と思うようになりました。

独立の一番大きなきっかけは、会社の社長と広告制作における意見が合わなくなってきたことです。

自分の考えでやるには自分で開業した方がいいと思ったのと、私の独立を受け入れてくれるクライアントがいたことで、独立に踏み切りました。

それから20年、一時期は開発担当として企業に呼ばれて会社勤めもしましたが、60歳を過ぎた今はフリーの立場に戻っています。

私が独立できたのは、私個人を買ってくれて、独立するのであれば仕事を発注しますよと言ってくれるお客さんがいたのが大きかったです。

すぐに情報が流れる狭い業界ですから、例えば印象のよくない形で退社すると、なかなか仕事にありつけないということがあります。

信用が仕事に直結するので、今までにお世話になった所にも、クライアントにも、十分なフォローをした上で独立をする、事なきを得るというのが大事になってきます。

デザインのスキルは実務を通じて身に付けた

大学で概論的なことは学んでいましたが、それが生きてきたのは後になってからですね。最初に業界に飛び込んだ時には、何の役にも立ちませんでした。

それまでとは全く違う世界で、最初の2年間ぐらいは、まさに下積み、いわゆる丁稚奉公みたいな感じでした。

デザインを任されることはまずなくて、クライアントを回って資料を届けるとか、ひたすら広告を集めるとか、撮影した写真の整理をするとか、そういう雑務をやっていました。

体力勝負でしたね。その合間に先輩と一緒に少しずついろんなものを手がけていきました。

そういう実務のなかで、お客さんや先輩の方に育てていただいて、失敗もたくさんしながら、自分でさまざまなスキルを会得していきました。

朝4時に起床し一日中働く

1日のスケジュール

年齢も年齢なので、朝は4時半には起きます。それから朝食をとったり犬の散歩をしたりして、9時半ぐらいまでに打ち合わせの資料の整理など出勤の準備をします。

それから事務所に行って、10時から仕事を始めます。これは以前11名くらいを雇用していた時からの習慣ですが、現在は家内が役員として入っている以外は、私一人の会社です。

午前中はほとんど打ち合わせで、何社かを回ります。基本的にはメールでやりとりしますし、最初のうちはテレビ電話も使います。

感覚的なものが大事な仕事になりますので、やはり面と向かってフェイストゥフェイスでやりとりをしないと間違いやすいということはあります。

午後に戻ってくると、打ち合わせが終わった後の作業の割り振りをします。各分野のフリーの方たちとネットワークを結んでいるので、その方たちに連絡をして、進め方やスケジュールなどの打ち合わせをします。

3時か4時ぐらいに振り分けが終わってから夜の10時ぐらいまでが、実務制作の時間になります。ほぼ毎日、何かしら私が担当する部分をやっていきます。

今はインターネットの時代で、要求されるスキルの幅もレベルも上がってきていますので、ひとつのことを仕上げるのに大体1週間ぐらいはずっと考え続けています。

昼食や夕食は、仕事の合間に事務所や外で食べています。お客さんとの打ち合わせで食事をしながら、ということもあります。

お客さんとやりとりできるのが、みなさんの仕事が終わる6時7時くらいになりますので、その頃に「今からもう一度話がしたい」と呼び出されて、7時半から8時頃にクライアントの方に出かけていくこともあります。

そういうときはだいたい11時くらいまではかかりますね。

1日の働いている時間は、12時間ぐらいになります。自分が好きでやっている仕事ですし、フリーということもあり、時間を定めず自分のなかで区切りがつくまでやっています。

仕事のことは24時間考えている

仕事は、基本的には事務所へ持っていって、ゆっくり取り組んでいます。

ですが、仕事のことはある意味24時間考えていますね。お風呂に入っている時も、極端に言うと寝ている時も考えていて、朝起きてすぐメモを取ります。思いついたらすぐメモをとる習慣はありますね。

一方で、休日はしっかり休もうと決めています。それ以外にも、仕事でアイデアが出ないときは、それ以上やってもいいアイデアは出ないので、一旦やめてリフレッシュします。

仲間で飲みに行ったり、カラオケに行ったり、スポーツジムに行って汗を流したり、そういったところに時間を使っています。

そうこうしているうちにフッとひらめく時があるので、そうなったらまた事務所に戻って仕事をしていますね。

自営業には定年退職がない

定年退職

自営業のいいところは、ずっと働けるということですね。

私はもう60歳を過ぎたのですが、定年退職というものがないので、70歳でも80歳でも、自分ができるところまで、あるいは市場に求められている限り、ずっと続けることができるというメリットはあります。

ただ、会社員とは違って、あくまでも自分のアイデア勝負なので、1度失敗をすると次のオーダーは来ないというシビアさはありますね。

信用が仕事に直結するので、1回1回が真剣勝負、手を抜けません。自分の仕事によってお客さんに与える影響、例えば新開発商品が世の中で認められるかどうかなどは大きいので、責任も大きく神経を使う仕事です。

独立前に財務や会計の知識は身につけておこう

電卓を叩く

独立して自営業をやっていく上では、青色申告などの財務関係の知識は身につけておかなければいけませんね。

収支報告がちゃんと取れればいいので、そんなに難しいことではないんですが、そういったところがおろそかな人が意外といるんです。

確定申告の時にドタバタするのも失礼なので、そういったところはしっかり身につけておいたほうがいいと、私自身の経験からも言えますね。

私が独立した頃は、資本金がないと会社が設立できないという時代でしたが、今は法人にしろ個人にしろ、資本金がなくても会社を設立できるようになりましたよね。

今は最初から株式会社という形になると思うのですが、登記上の役員の必要性などもあるので、ある程度そういう分野の知識を持って進めていったほうがいいとは思います。

それと、グラフィックデザインに限って言えば、自分自身がしている仕事を外部の方たちにちゃんと見ていただけないと、いざ独立しても仕事は来ませんね。

なので、しっかりクライアントとコンタクトが取れるなかで独立を目指したほうがいいでしょう。

ネット銀行で口座を管理

ノートパソコン

ネット銀行の口座は複数使っていますが、やはり便利ですね。入金も支払いも非常にスピーディーですし、手数料もかからないところもありますし。

ただ、帳簿や通帳がなくて、ネット内のみの掲載になっていますので、あとで困らないようにきちんとダウンロードしておく必要はありますね。

経理のことは、プロにやってもらったほうがいいと考えて、司法書士と税理士にお願いしています。

ただ、全部おまかせというわけではなく、ある程度自分でも財務の知識を身につけて理解した上で頼んでおく、という形にしています。

具体的には、日々の帳簿は自分でつけて、最終的な確定申告の際の手続きを税理士に頼んでいます。普段の仕訳などは、自分でエクセルで管理しています。

4千万円稼いでいます

お客さんが付いてきてくださっているおかげで、会社の利益は年間4千万円ぐらいになります。

外部スタッフを使っていますので、そういうところの経費などを差し引いて、600万から700万円ぐらいを自分の給料として取っています。

▼今回のお話に登場した「クラウドワークス」はこちら

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
26歳の時に右も左もわからない状態で個人事業主になりました。2年後、株式会社クートンを設立し、現在10期目です。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「1億人の投資術」でも記事を書いています。

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