勘定科目は自分で自由に作っても良いの?会計ソフトの勘定科目設定方法
執筆者:川原裕也 更新:
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自営業者の苦労のひとつに「会計業務」があります。
最近はクラウド会計ソフトが登場したため、簿記や会計の知識を持たなくてもほぼ自動的に帳簿作りができるようになりました。
しかし、どれだけ帳簿作りが簡単にできるようになったとは言え、勘定科目を知っておかなければ、どの取引をどの勘定科目に入力してよいかわかりません。
以前、「5分で理解、カメでもわかる貸借対照表と損益計算書の説明」という記事で貸借対照表・損益計算書といった決算書類の見方を説明をしました。
上記の記事では、勘定科目はカテゴリごとに分類すればわかりやすいと説明しました。なぜなら、勘定科目は間違っていてもそこまで大きな問題ではないという事実があるからです。
例えば、事業で使うシャープペンシルを1本買ったとします。
「シャープペンシルを購入した」という取引は「事務用品費」や「消耗品費」といった勘定科目で仕訳されますが、正直言うとどちらに分類しても構いません。
なぜなら、「事務用品費」も「消耗品費」も損益計算書で言う「費用」のカテゴリに入っているからです。
カテゴリを間違えると帳簿がおかしくなりますが、その取引が「収益」なのか、「費用」なのか、「資産」なのか、「負債」なのかといったカテゴリさえ正しければ、基本的には勘定科目はなんだって良いのです。
そして、勘定科目は自分で自由に作っても良いことになっています。
実際、上場企業の決算書を見ると、見たことがない勘定科目がたくさん並んでいます。
勘定科目を自分で作る
前述のように、勘定科目は自分で自由に作ることができます。
ただし、その勘定科目がどのカテゴリに入るのかだけは間違えないように設定することが重要です。
例えば私は、コワーキングスペースで仕事をすることがあります。
この費用を「賃料(地代家賃)」としてしまうと税務上ややこしくなってしまいますし、コワーキングスペースの費用だけをわかりやすく把握したかったので、私の場合は「施設利用料」という勘定科目を自分で作って管理しています。
会計ソフトを使えばすぐに勘定科目を設定できますし、一度設定すればあとはそれを選んで仕訳をするだけなので簡単です。
マネーフォワードクラウド会計を使った勘定科目の作り方
今回は、私が会社で導入しているクラウド会計ソフト「マネーフォワードクラウド会計」を使って勘定科目を作ってみたいと思います。
マネーフォワードクラウド会計の販売費及び一般管理費(費用のカテゴリ)に「経営指導料」という勘定科目を作ってみたいと思います。
経営指導料というのは主に、コンサルタントなどに支払う手数料を表す項目として使われるものです。
経営指導料は「支払報酬等」という費用項目に入れてしまっても良いのですが、今回はコンサル料だけを切り出して、「経営指導料」という独立した費用項目を作ります。
①マネーフォワードクラウド会計にログインし、「各種設定 → 勘定科目」を選びます。
②今回は費用項目を新たに作るので、「損益計算書」を選択。
③画面最下部の「決算書科目追加」を選びます。この費用項目を決算書に載せたくない場合は「補助科目追加」を選びます。
④左側の「カテゴリ」を選択し、作りたい勘定科目を自由に入力します。
⑤費用項目(販売費及び一般管理費)に新しく「経営指導料」が追加されました。
わからない時は誰に相談したらいい?
勘定科目の登録は、作業自体は慣れると2分もあれば完了します。
悩むのは、どのカテゴリにどういう名前の勘定科目を設定するかです。
顧問税理士がいれば、税理士に聞くのが一番早いのですが、税理士に支払う費用は抑えたいという自営業者も多いと思います。
勘定科目の相談など、簡単な質問であれば下記の方法で聞いてみるのがおすすめです。
税務署に問い合わせる
税務に関する一般的な質問であれば、最寄りの税務署に電話をして聞いてみるとていねいに答えてくれます。
私もこれまで何度も税務署に電話をした経験があり、特に開業当初はとてもお世話になりました。
税務署というと高圧的なイメージがありますが、腰も低くわかりやすく教えてくれます。
ただ、「◯◯は経費にできますか?」など判断が難しい質問についてはあいまいな回答しか得られません。
電話で相談すれば電話代だけで済みますし、税務署に直接出向けば無料なので、税務署はおすすめの相談窓口です。
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商工会議所などの税務相談に行く
商工会議所などでも税務相談を受付けています。
毎週1回か2回程度、実際に税理士として働いている方が商工会議所に来ていて、自由に相談することができます。
一般的な内容であれば、無料相談だけでも的確な回答が得られます。
ただし、商工会議所の税務相談は税理士が自分の顧問契約を獲得するPR手段として使っていることも多いです。
実際、私も一度経験したことがあるのですが、顧問契約をすごくすすめられました。。。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングは中小企業や個人事業主が手軽にアウトソーシングで仕事を依頼できるサービスです。クラウドソーシングを通じて仕事を獲得することもできます。
クラウドソーシングで税理士資格を持つ人を探せば、聞きたい質問内容にすぐ答えてくれます。
1問1答程度の簡単な質問であれば費用も格安でしょうし、質問内容の秘密保持も行われるので安心です。
次の記事はクラウド会計に危険性はあるの?経理ソフトのセキュリティで知っておくことです。
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