ソフトバンクに学ぶ、驚くほどのコスト削減が実現できる施策とは

下落

日本を代表する経営者の一人である、ソフトバンクの孫正義に学ぶ。

私が尊敬する人物に、ソフトバンク社長の孫正義氏がいます。彼はいつも常識はずれの目標と方法論で、「前例がないなら作ればいい」を実践してきました。

その結果、日本トップクラスの企業を一代で築き上げた人物です。

そんな孫正義氏、そして彼が率いるソフトバンクはどのような経営・働き方をしているのか。学べることはたくさんあると思い、まとめてみることにしました。

今回は驚くほどコストダウンができる方法について。

会社がうまくいかなくなる理由はコストが高すぎるから

値上げ

実は、会社がうまく回らなくなる理由は限られています。

その中でも代表的なものが「コストがかかりすぎて会社が回らなくなること」です。

正確には、「何百億もの売上をあげていた会社が売上剥落で倒産する理由」という記事に書きましたが、売上拡大にともなって固定費が増加し、その後市況の変化などで売上が減ってしまって倒産するパターンです。

売上増加のサイクルが逆回転した時に、固定費を売上で支えられなくなってキャッシュフローが赤字になるということです。

売上が減るスピードは早いのに、固定費はそう簡単には減らすことができません。これが、コストがかかりすぎて会社が回らなくなることの本質だと私は考えています。

コスト削減の難しさ

会社の赤字を改善するために、経費削減に取り組んでもうまくいかないことが多いです。

なぜなら、コストはすでに削減されているものだと考えられているため、改めてコストを減らしなさいと言われても、これ以上どの費用を削って良いのかわからないからです。

その結果、「電気を積極的に消す」といったような社員の仕事効率を下げてしまうようなコスト削減策を行ってしまい、さらに会社の業績が悪化してしまうのです。

ソフトバンクはどのように対策したか

チェックリスト

では、ソフトバンクならどうするか。

ソフトバンクは2013年に米国の通信事業者「スプリント」を買収しました。

しかし、当時のスプリントは赤字企業であり業績は悪化するばかりで、ソフトバンクによるスプリントの業績改善は難航していました。

そこで、ソフトバンクがスプリントの業績改善策として行ったのが下記の方法です。

スプリントは1月に全社員の8%に当たる2500人の人員削減を発表。固定費を圧縮する一方、業務の効率化など750項目のコスト削減策も進め、毎週14時間かけて削減状況をチェックしている。このほど新たに250項目を追加した。1000超の効率化に取り組むことで「年20億ドル(約2300億円)以上のコスト削減を確実にしたい」(クラウレCEO)考えだ。

出典:日本経済新聞

どれだけ細かいことでも良いので、とにかく紙に書き出して、それを1つずつ潰していくことが結果的に大きな改善を生み出します。

どうしていいかわからない、これ以上コスト削減のしようがないと思ったら、どれだけ小さなことでも良いので「とにかく1,000個書き出してみる」ことから始めてみるのです。

私は、この方法はとても良いやり方だと思います。

小さな積み重ねが大きなコストダウンになるというのも事実ですが、この方法の本質は「どうしようもない時は、とにかくできることを見つけて、小さな行動から始めてみることが、やがて大きな行動・結果に繋がる」ことだと思っています。

この方法によってスプリントは、前社長のダン・ヘッセが実現できなかった業績改善を、みごとに実現したのです。

経費を減らすが業務効率を上げるか

イノベーション

前述の通り、業績悪化の要因の多くは「コストのかけすぎ、または売上低下によって固定経費をカバーできなくなる」ことです。

そして、経費を減らすためには、小さなことでも良いのでとにかく1,000個の改善策をタスクとして書き出してみることが、ソフトバンク流のやり方だと書きました。

経費削減は非常に大切なことですが、もう一つの視点として「業務効率を上げる」ことも重要です。

例えば、業績が悪化しても経理担当者は絶対に必要なので解雇することはできません。

しかし、経理業務をアウトソーシングしたり、半自動で会計ができるクラウド会計ソフトを導入するといった業務効率化に取り組めば、おのずと生産性は上がり業績悪化の問題を解決できます。

「絶対に必要」という概念を新しい方法や発想で「必ずしも必要ではない」に変えることは、業務効率化に大きく貢献します。

不要となった経理担当者は解雇するという選択もできますが、雇用の関係上やめてもらうことができないのであれば、利益創出部門に移動して売上拡大に貢献してもらうこともできます。

リストラは手っ取り早いコスト削減策ですが、リストラをしなくても、業務効率化の推進と従業員の配置転換を行うことで、コスト削減とは別の目線で、業績を改善できます。

コモディティ化した世界では低コスト企業が勝つ

ビジネスサイクル

あらゆる産業は遅かれ早かれコモディティ化します。

どれだけ競争優位性のあるビジネスでも、経済の仕組み上いずれ儲からないビジネスになってしまいます。

コモディティ化とは?
競合する商品同士の差別化特性(機能、品質、ブランド力など)が失われ、価格や買いやすさだけを理由に選択が行われること。機能や品質面で大差のない製品が多く流通し、消費者にとって「どの会社のものを買っても同じ」状態になること。

参照:はてなキーワード

つまり、昔は業績が良かった会社が時代とともに赤字に転落し、倒産していくというのは、変化していない会社にとっては必然と言っても間違いではありません。

私は、コモディティ化する世界で生き残る方法は2つあると思っています。

1つめは、業界で圧倒的No.1の企業になることです。

どれだけ儲からないビジネスになっても、その業界で最後の生き残りになれば存続することができます。

しかし、業界No.1の地位を築くことはそれまでの過酷な競争を勝ち抜かなければならないことを意味しており、中小企業や個人事業主といった小規模事業者にとっては極めて難しい問題です。

私がおすすめしたいもう一つの生き残り策は、「徹底した低コスト経営」を行うことです。

コモディティ型の業界では、低コストの企業が勝ち残る。というのはコストが低いほど利幅が得られ、競争相手を駆逐するための価格設定力を持てるからだ。

A社が製造工程を改良してコスト低減に成功し、収益性が高まったとする。するとA社は、競争相手のB、C、D社からシェアを奪うため、製品価格の引き下げに打って出る。

脅威にさらされた3社は、それに対応してA社と同様な工程合理化を行い、シェア維持のためA社にならって製品価格を引き下げる。結果的にはシェアの大きな変動は起こらず、各企業の利幅だけが低下する。こうして悪循環が繰り返される。

コモディティ型の業界では、時として、他社との違いを消費者に印象づけようとして湯水のごとく広告宣伝費を投入することがある。

そうして少なくとも一時的には、新製品の導入に成功してライバル各社から一歩抜きんでることもある。

問題は、企業側がどのような創意工夫を凝らしてみても、結局のところ、最後に消費者が重視するのは「値段」という現実なのだ。いつも勝ち残るのは低コスト企業であり、それ以外の会社はジリ貧になるのだ。

参照:書籍「億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術」

同業他社よりも経費がかからない経営を続けていれば、一時的にシェアを奪われることはあるかもしれません。

しかし、その業界全体が儲からないビジネスになった時、低コストな会社は「業界No.1ではないけど固定費を売上でカバーできている」状態になり、黒字経営を継続できるという理屈です。

そして、低コスト経営を行うためには前述の通り、

ことが重要なポイントとなってきます。

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