PayPay銀行法人口座の評判!振込手数料無料で税金支払いも可能
執筆者:川原裕也 更新:
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他行あて振込手数料無料の法人口座があるとしたらすごいですよね。
国内初のネット専業銀行として誕生した「PayPay銀行」は、以前から「ビジネスアカウント」の名称で法人や個人事業主向けに口座を提供しています(ここでは個人事業主向けも合わせて法人口座として表記します)。
ネット専業銀行なので、ネットバンキングの利用や口座管理手数料などは一切かかりません。
PayPay銀行法人口座(ビジネスアカウント)を利用するメリットとして、
- ビジネスに必要な機能が揃っている
- 振込手数料が安い
- 自営業で屋号名義の口座が持てる
- 預金残高によって振込手数料の優遇あり
があります。
特に、一定の預金を預けると他行あて振込手数料が毎月5回まで無料になるという、法人口座としては考えられないようなサービスも展開しています。
目次
PayPay銀行法人口座が評判の理由
最近では、個人事業主や中小企業を中心にPayPay銀行の法人口座をメインバンクにしている事業者も増えています。なぜPayPay銀行が評判なのか、その理由を探ってみたいと思います。
条件次第で他行あて振込手数料が無料に
PayPay銀行をはじめ、ネット銀行は振込手数料が総じて安いです。
また、基本的にはネットバンキングで振込をすることになるので、(メンテナンス時間を除いて)24時間いつでも手続きができます。
PayPay銀行の振込手数料は以下のとおりです。
振込手数料
PayPay銀行あて
金額に関わらず一律で55円
他行あて
金額に関わらず一律で160円
※税込。以下すべて税込み。
メガバンクもインターネットバンキングによる振り込みの場合はかなり手数料が安くなってきていますが、毎月のことなので少しでもコストダウンは必要です。
もう一つ覚えておきたいのは、PayPay銀行の優遇手数料です。
前月の預金平均残高(円普通預金、円定期預金)が3,000万円以上の場合、振込手数料が優遇されます。
振込手数料の優遇
PayPay銀行あてと他行あて合わせて毎月5回まで無料(6回目以降は通常どおり、リンク決済、WEB総振、提携ATMからの振込は対象外)
中小企業にとって3,000万円の預金はハードルが高めですが、PayPay銀行は定期預金金利も高いのでおすすめです。
銀行ATMが使えるので安心
PayPay銀行には窓口となる店舗がありません。提携ATMとなるコンビニATMや三井住友銀行・ゆうちょ銀行のATMを使って入出金を行います。
法人口座では、入金・出金ともに毎月1回はATM手数料無料です。2回目以降は、
- 3万円未満:165円(ゆうちょ銀行ATMのみ330円)
- 3万円以上:無料
となっています。
曜日や時間外手数料などは存在せず、いつでも一律なのでわかりやすいです。
PayPay銀行の法人口座で入出金に利用できる提携ATMは、
- セブン銀行
- E-net(ファミリーマートなどに設置)
- ローソン
- イオン銀行
- ゆうちょ銀行
- 三井住友銀行
です。
Visaデビット一体型のキャッシュカード
PayPay銀行のキャッシュカードはすべて「Visaデビット一体型」となっており、デビット機能が使えます。
Visaデビットカードは、クレジットカードのVisaと同じように使うことができます。
クレジットカードは後日払いが基本ですが、デビットカードは「即時払い」が特徴です。支払った金額がすぐにPayPay銀行の口座残高から引き落とされます。
システム的にはVisaクレジットカードと同じなので、Visaが使えるお店はもちろんネット通販でも使えます。
法人を設立するとクレジットカードの審査が不安だったり、場合によっては審査落ちとなってしまいカードが発行できないケースもあります。
しかし、PayPay銀行ビジネス口座のVisaデビットカードであれば設立間もない会社でも、赤字でも関係なく利用することが可能です。
もちろん、紛失時や不正利用に対する補償も付いています。
Pay-easy(ペイジー)による国庫金の納付が可能
PayPay銀行の法人口座は「Pay-easy(ペイジー)」が使えます。例えば、
- 源泉所得税
- 法人税
- 消費税
- 労働保険料
- 厚生年金保険料
- 関税
などが24時間いつでもPay-easy(ペイジー)で支払えます。納付書に「Pay-easy(ペイジー)」のマークが付いているのが目印です。
ネットバンキングで国庫金の納付ができるようになると銀行窓口に出向かなくてよいので、業務効率化に役立ちます。
利用できるビジネスサービス
続いて、法人口座で使えるビジネスサービスをまとめます。
一括振込ができる「WEB総振」や「部署別などに最大20の口座の使い分け」など、会社経営に役立つ機能が数多く提供されています。
最大20口座まで開設可能
PayPay銀行は1つのビジネスアカウントで最大20の口座を作ることができます。
口座はそれぞれ、1つの「代表口座」とそれ以外の「プラス口座」に分けられます。それぞれのアカウントに「管理者・承認者・作成者」の権限を付与することができ、セキュリティ面や管理面での安心感もあります。
たとえば、「作成者」権限を持つ人は明細の確認やWEB総振の振込データを作ることはできますが、実際の取引は行うことができないので安心です。
一人で複数の口座を管理したり、複数人で複数の口座を管理できるのも、PayPay銀行ビジネスアカウントのメリットです。
顧客ごとに専用の口座を設定する
また、顧客1人ごとに専用の口座を作る「ワンタイム口座」というサービスもあります。
取引先ごとに設定できる振込入金専用のワンタイム口座は、3,000口座までならWebで申込可能です。
100口座単位で3,000口座までの振込専用口座(入金消込(ライト))の場合、月額1,320円(基本料1,000円、口座利用料、振込専用口座100口座あたり200円)から利用可能です。
大量振込ができるWEB総振
大量の振込を1回で行えるWEB総振が使えます。
CSVフォーマットで振込宛を指定して、1回あたり最大3,000件の振込を実行できます。専用ソフトの導入は不要です。
WEB総振の利用には月額1,100円とそれぞれの振込手数料が必要ですが、1,000件未満の振込に対しては無料で利用可能なWEB一括振込機能も用意されています。
従業員の給料一括振込など、999件までは事前登録+WEB一括振込で対応できるので安心です。
Yahoo!ネットショップ運営者向けのビジネスローン
※ビジネスローン(ヤフー出店者専用)」は2023年3月31日をもって新規申込受付を停止いたしました。契約済のお客さまについても、順次、サービスを終了する予定です。
PayPay銀行は中小企業向けの融資もおこなっています。
ただし、ビジネスローンが利用できるのはYahoo!ショッピングまたはヤフオク!ストアの出店者だけです。
また、利用にはこれらのショップへの出店歴が3年以上必要となります。
ビジネスローンの金利は年1.45%~8.2%です。
ネット申し込みで決算書の提出が不要、PayPay銀行ビジネス口座を持っている人なら最短翌営業日の融資が可能(口座を持っていない人は口座作成が必要なので最短5営業日)です。
クラウド会計ソフトfreeeを活用した資金調達
※「ビジネスローン(freee会員専用)」は2021年1月29日をもって新規申込受付を停止しています。
PayPay銀行は、国内初となる「クラウド会計ソフトのデータを利用したビジネスローン」の提供を開始しました。
このビジネスローンは、クラウド会計ソフト「freee(フリー)」を使っている事業者向けのサービスとなります。
まず、事業者はfreeeに登録している会計データをPayPay銀行に提供することに同意をします。
そうすることで、資金調達で求められがちな決算書や会社情報の提出を不要とし、Web申込のみでビジネスローンの申請ができるようになります。
PayPay銀行はクラウド会計ソフトfreeeのデータを元に与信を判断し、御社に対して最大3,000万円の事業資金の融資をおこなってくれます。
融資条件は以下の通りです。
- 対象者:法人・個人事業主(freee利用者限定)
- 資金使途:運転資金
- 融資金額:50万円から3,000万円
- 融資期間:3ヶ月以上12ヶ月以内
- 借入利率:年1.45~13.75%(固定金利)
- 担保:不要
- 保証人:法人の場合、原則代表者の連帯保証が必要
- 申込手続き:決算書不要・Web完結
安心のセキュリティと資本構成
現在はゆうちょ銀行をはじめ「トークン」を用いたワンタイムパスワードが主流になっています。
しかし、PayPay銀行はトークン形式のワンタイムパスワードを最も早く導入しており、セキュリティは非常に高いです。
口座番号・ログインパスワードに続く第3のパスワードとして「独自のID」を任意で設定可能です。
また、実際の取引には「トークン」と呼ばれるキーホルダー形式のワンタイムパスワードが必要です。
万が一、パソコンがウイルスなどに感染してしまい、ログインIDやパスワードが漏れてしまっても、キーホルダーは物理的に切り離されており、かつ1分ごとにパスワードが変わるので安全です。
複数人で利用する場合にも、「操作履歴の照会機能」や「承認ごとに承認上限金額」を設定できるので、社員の不正を未然に防ぐという点でも優れています。
三井住友銀行などが出資
また、PayPay銀行は国内初のネット銀行として多くの大企業が設立に携わっています。
主要株主となるのは、「三井住友銀行」と、LINEヤフー株式会社が100%出資する「Zフィナンシャル株式会社」です。この2社で90%以上のPayPay銀行の株式を保有しています。
そのほかにも、三井住友海上火災保険株式会社や富士通、住友生命保険相互会社など名だたる企業が出資しており、安心感は大きいです。
2017年にはヤフージャパンの連結子会社となり、現在はLINEヤフー株式会社などを傘下に持つZホールディングス株式会社のネット銀行として、信用力をさらに高めています。
財務健全性の高さにも定評がある
ネット銀行と聞くと倒産を心配してしまう方も多いと思います。
しかし、PayPay銀行の財務健全性は大変すぐれており、高い自己資本比率と格付けを取得しています。
- 自己資本比率:19.05%(2023年9月末実績)
- JCR 長期発行体格付 AA-(債務履行の確実性は非常に高い)
口座開設に必要な書類
PayPay銀行ビジネス口座の開設に必要な書類を、
- 営業性個人(個人事業主)
- 法人
それぞれまとめます。
ビジネス口座は創業すぐでも開設できますが、正直、必要な書類がかなり多いため、書類の不備が原因で審査通過率がかなり低くなっているようです。
独自調査によると、ビジネス口座の審査通過率は20%程度です。
つまり、10人に8人が審査に落ちている状態で、その大半が「提出書類の不備」と「書類の記入内容の不備」によるものです。
書類の不備で審査落ちになってしまうのはもったいないので、PayPay銀行のビジネス口座開設では、申込み前に書類のチェックをしっかりと行うことをおすすめします。
なお、もし審査に落ちてしまっても、何度でも再チャレンジできます(何度も郵送のやり取りをしなくてはなりませんが…)。
※繰り返しますが、PayPay銀行の法人口座は、「書類の不備による審査落ち」がとても多いです。必要書類、記入内容の不備がないよう万全の注意を払いましょう。
営業性個人(個人事業主・自営業)の方
- 口座開設申込書
- 申込時にWEBからダウンロードします。
- 本人確認資料
- 運転免許証やパスポート、健康保険証など。運転免許証は表裏の両面を提出。
- 事業実態の確認書類
- 重要なポイントです。詳しくは後述します
- 「本人確認資料の住所」と「自宅の現住所」が異なる場合のみ提出
- 国税や地方税の領収証または納税証明書、社会保険料の領収証、公共料金の領収証などを提出(発行から6ヶ月以内。法人名、法人の現住所、領収日付が記載されているもの)
上記3点(場合によっては4点)が必要な提出書類です。
「事業実態の確認書類」とは?
下記のいずれか1点のコピーを提出します。(屋号と本人の名前が記載されていることが条件)
- 個人事業の開業等届出
- 税務署受領印のある個人事業の開業等届出書(控用)の原本
- 公的機関発行の各種営業許可証
- (例 ○○営業許可証、○○業許可証、○○業者免許証、○○検査確認済証等)
- 所得税及び復興等別所得税の確定申告書(第一表)
- 控え用の原本
- 課税証明書
上記の書類を撮影してアップロードします。
また、上記の書類に「屋号」の記載がない場合は、ホームページで屋号の確認が行われます。
ホームページに屋号の記載がない場合や、ホームページを開設していない個人事業主は、屋号名が確認できる書類(事業案内のパンフレット等)をあわせて提出します。
法人の方
- 口座開設申込書
- 申込時にWEBからダウンロードします。
- 取引担当者の本人確認書類
- 運転免許証やパスポート、健康保険証など。運転免許証は表裏の両面を提出。
- 業務内容確認資料
- 重要なポイントです。詳しくは後述します
- 「登記上の住所」と「法人の現住所」が異なる場合のみ提出
- 国税または地方税の領収証、または納税証明書、社会保険料の領収証、公共料金の領収証などを提出(発行から6ヶ月以内。法人名、法人の現住所、領収日付が記載されているもの)
法人口座の開設には上記3点(場合によっては4点)が必要です。
業務内容確認資料とは?
- 会社設立後6ヶ月以上が経過 → ホームページのURLのみを提示
- 会社設立後6ヶ月未満 → 下記※書類いずれか1点を提出
- ホームページを持っていない → 下記※書類いずれか1点を提出
となります。開業してすぐの口座開設は、少なくとも、後述する書類いずれか1点を追加で提出する必要があります。。
※追加で提出する必要がある書類(いずれか1点)
法人設立届出書、青色申告承認申請書、確定申告書の控え(税務署の受付印があるもの)
国税や地方税の領収書または納税証明書
主たる事務所の建物登記簿謄本(現在事項証明書)の原本(発行より6ヶ月以内)
事務所の建物賃貸借契約書のコピー
申込後2週間程度でビジネスアカウントの口座開設が可能です。
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