Dropbox、Googleドライブ、OneDriveは何が違う?オンラインストレージ比較
執筆者:川原裕也 更新:
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数年前は、オンラインストレージにデータを保存すると、データ消失のリスクや情報漏えいの可能性があると指摘する人が多かったです。
しかし現在では、個人から大企業まで幅広い利用者がオンラインストレージにファイルを保管しています。
クラウド上に保存するファイルの中には、プライベートな写真のデータだけでなく、企業間でやり取りするようなデータも含まれます。
最近ではGoogleドライブのアクティブユーザーは30億人とのことです(2024年)。
この記事では、主要なオンラインストレージである、
- Drobox
- Googleドライブ
- OneDrive
- iCloud Drive
を比較します。
当サイト「今日の経営」はビジネス情報を提供するサイトですので、おもにビジネスシーンでの利用を想定し、比較を行います。
Googleドライブの無料枠は15GB
いずれのオンラインストレージも、無料で使えます。
無料プランの場合、ストレージ容量が少ないのですが、Googleドライブだけは無料枠で15GBの容量が割り当てられます。
無料のストレージ容量
- Drobox:2GB
- Googleドライブ:15GB
- OneDrive:5GB
- iCloud Drive:5GB
OneDriveはマイクロソフトが提供、Dropboxも2018年にニューヨーク証券取引所に上場しましたので、企業としての信頼性は問題ないと思います。
また、いずれのオンラインストレージも、過去に大規模なハッキングの被害にあったことはなく、サービス提供開始時から安全に利用されています。
無料の利用枠を比較すると、Googleドライブが圧倒的に多く、Dropboxはやや少ないです。
ちなみに、Googleドライブは「オンラインストレージ・Gmail・Googleフォト」の3つのサービスがストレージ容量の消費対象です。
これら3つのサービスの容量を合計して15GBまで利用できる仕組みとなっています。
有料プランはどこが安い?
オンラインストレージは、有料プランに加入することで容量を増やせます。
しかし、料金プランは各社が常に競っており、段階的に値下げされているため、一概にどこが安いとは言えない状況です。
個人的には、ストレージ容量の大きさで選ぶよりも、使いやすさや同期の速さといったサービス面で選ぶのがおすすめだと考えています。
Dropbox
個人向けの有料プランとして「Plus」と「Professional」があります(現在はファミリー向けプランも新設されました)。Plusプランは2TB、Professionプランは3TBのストレージが使えます。
「Plus」と「Professional」は、無料プランでは使えないストレージ内の全文検索や、スマートシンクといった追加機能が利用できます。
また、ビジネス用プランとして「Dropbox Business」が用意されています。
ビジネスプランは、プランによってストレージ容量が9TB~無制限になります。
※ただし、Dropboxのビジネスプランは最低3ユーザーからの利用が必要。
Dropbox Plusなら、公式サイトでの購入よりも、ソースネクスト経由の「Dropbox Plus 3年版」の方が圧倒的に割安です。
Googleドライブ
グーグルは2018年、有料プランのサービス名を「Google One」に変更し、料金の大幅な値下げに踏み切りました。
Google Oneでは、追加のストレージ容量を100GB~2TBまで購入できます。
また、ビジネス向けでは「Google Workspace」を提供しています。
Google Workspace Business Plusプランを選択すると、Googleドライブのストレージ容量は5TBになります(追加料金を支払うことでさらにストレージ容量を拡張できます)。
OneDrive
マイクロソフトのオンラインストレージであるOneDrive。
ストレージ容量を100GBにする有料プランもありますが、最新のOffice製品が使える「Microsoft365」にすると、1TBの容量が利用可能となります。
有料プランのMicrosoft365には、個人向けとビジネス向けがありますが、ビジネス向けの方が少し安いです(個人でもビジネスプランに登録できます)。
よって、OneDriveで追加容量を購入する場合は、個人利用でもビジネスプランの利用がおすすめです。
OneDriveはMacやiPhoneアプリとしても問題なく使えます。
iCloud Drive
iCloud+ にアップグレードすれば、最大2TBまでの追加容量を購入できます。
iCloud Driveはもともと、個人利用を想定して作られているので、ビジネス利用目的で組織としてiCloudを使っているという話は聞いたことがありません。
Mac・iPhoneはもちろん、Windows版のアプリケーションもありますが、実はAndroid向けのアプリは提供されていません。
iCloud DriveのファイルをAndroidに移行するためのソフトも第三者が提供していますが、将来的にiPhoneからAndroidへの乗り換え可能性がある場合、iCloud Driveは選択しづらいです。
このように比較してみると、iCloud DriveだけがAndroidアプリを提供していないという点で不便を感じます。
そのほかのクラウドストレージは料金こそ若干違うものの、ほぼ横並びの状態ですので、自分が使いやすいサービスを選択するのがおすすめです。
オンデマンドに強いOneDrive
オンラインストレージは、あらゆる端末でファイル・フォルダを自動的に同期してくれます。
しかし、この「同期」によって通信容量を大きく消費してしまう問題があることは、あまり知られていません。
私は外出先で、テザリングを使って、携帯電話の通信網でノートPCでの作業をすることが多いです。
しかし、オンラインストレージの同期が原因で、携帯電話の月間の利用可能な通信量をオーバーしてしまうという問題に直面しました。
この問題を解決してくれたのが「オンデマンド機能」と呼ばれるものです。
デバイス間で大量のファイルを同期させると、通信帯域を大きく食ってしまいます。
これによって、一時的にネット接続が遅くなったり、モバイルWi-Fiやテザリングを使っている場合は、制限がかかることもあります。
しかし現在では、徐々に「オンデマンド機能」に対応するオンラインストレージが増えています。
オンラインストレージのファイルを完全同期せず、ファイル自体はクラウド上で保管する機能です。
これによって、オンラインストレージに2TBのファイルを保存しても、パソコンやモバイル端末のストレージ容量は一切消費せず使えるようになります。
つまり、2TBのストレージ容量を購入するということは、オンライン上に「2TB分のファイル保管庫」を持つようなものとなります。
ファイルを使いたいときは、そのままダブルクリック(もしくはタップ)するだけで、瞬時にそのファイルがダウンロードされ、そのファイルを開けます。
また、ローカルで管理したい(常にダウンロードした状態にしておきたい)ファイルを指定することも可能です。
必要なファイルだけを必要なときにダウンロードして使うので、通信帯域の大きな節約につながります。
記事更新時点(2024年4月)でオンデマンド機能に対応しているサービスは以下の通り(筆者が確認できたもののみ)。
- OneDrive
- 無料プランでも利用可能。OneDriveの設定で「ファイル オンデマンド(容量を節約し、ファイルを使用するときにダウンロード)」にチェックを入れる。
- Dropbox
- Plus、Essentials、Professional、Businessといった有料プランでのみ使える。Dropboxでは「スマートシンク」と呼ぶ。
- Google Drive
- 以前は「ドライブファイルストリーム」という名前でビジネス版でのみ提供されていた。その後「パソコン版Googleドライブ」と名称変更され、個人でも無料で使えるようになった。
- iCloud Drive
- 無料プランでも利用可能。ファイルを右クリックして「空き容量を増やす」を選択。
以前は一部の限られたオンラインストレージのみが、オンデマンド機能を無料提供していました。
しかし徐々に、無料アカウントでもオンデマンド機能が使えるようになってきています。
これまで、PCやスマホを購入する際は「ストレージ容量」を気にする必要がありました。
しかし、オンデマンド機能があれば、端末のストレージ容量を一切気にしなくて済みます。
機種変更や新規PCの購入時に、もっともストレージ容量の小さい端末を買ったとしても、オンラインストレージ上に十分過ぎるほどの保存領域を確保できるので、問題ありません。
Googleドライブは検索に強い
さまざまなクラウドストレージを使ってみて感じたのは、「検索の使いやすさが大きな武器になる」ということです。
そして、検索精度の高さにおいてはGoogleドライブが圧倒的に優れています。
Googleは検索エンジンの世界最大手です。自然言語での高い検索精度は、Googleドライブにも受け継がれています。
マイクロソフトのOneDriveやDropboxでも検索を試してみたのですが、ヒットするはずのファイルがヒットしないという状況が多々ありました。
各社ともクラウドストレージの検索精度は力を入れて改善していると思います。
しかし、マイクロソフトが提供している検索エンジン「Bing」の検索結果を見ても、精度が高いとは言い難いのが現状です。
また、Dropboxも有料プランで「全文検索」が使えるのですが、なぜか検索でファイルがヒットしないことが多いです。
日本語対応が後回しにされているだけなのかもしれませんが、Googleドライブとその他のオンラインストレージの差は、現時点でかなり開いているというのが個人的な印象です。
GoogleドライブはAI(人工知能)の導入にも積極的で、すでに英語版では自然言語によるAIのサポートが使えます。
たとえば、スプレッドシートで「売上が一番多い人は誰?」と入力すると、質問に対する回答をグラフ付きで返してくれるといった具合です。
近い将来、日本語サポートも行われると思いますので、より使いやすくなることが期待できます。
また、Googleドライブにアップした画像・PDFなどのファイルは、自動的にOCR処理が行われますので、テキストによる検索が可能となります。
自動OCRは、OneDriveも対応していますが、DropboxはProfessionalプラン以上でなければ使えません。
※Dropboxでは、Dropbox Plus、Family、Professional、Standard または Advanced、EnterpriseプランでOCR検索機能が使用できます。
上記の理由から、検索を使ったファイルの探しやすさでは、Googleドライブが一歩リードしていると思います。
Googleドライブ > OneDrive >> Dropbox
※管理人の個人的な印象です。
共有時のパスワード設定
オンラインストレージは「ファイル共有」に向いています。
特定のファイルや写真をシェアする場合、以下のようなシチュエーションが考えられます。
- 誰でも見られるようにしたい(ネット上に公開したい)
- 逆に、特定の人だけが見れるようにしたい(安全にファイル共有したい)
- 相手がアカウントを持っていなくてもパスワードをかけて安全に共有したい
- あとからファイルを削除できるようにしたい
単純に画像を送る程度であれば、LINEなどの個人間サービスでもあたりまえのように実現できます。
しかし、ビジネスシーンで使う「エクセルファイル」などは、LINEでは共有できません。
メールでファイル添付すると、大容量のファイルを送るのが難しくなります。また、一度相手にファイルを送信すると、そのファイルをあとから削除することはできません。
そこで必要になるのが、どのようなシチュエーションでも安全にファイル共有できる「ファイルサーバー」としてオンラインストレージです。
ファイル共有としての機能は、現時点でDropboxがもっとも優れていると思います(もっとも簡単で共有設定のバリエーションが多い)。
また、マイクロソフトのOneDriveも機能拡充に力を入れており、さまざまな方法でのファイル共有が可能です。
誰でも見られるようにしたい(ネット上に公開したい)
すべてのオンラインストレージで実現可能です。
特定の人だけが見れるようにしたい(安全にファイル共有したい)
アカウント所有者同士で共有できます。すべてのオンラインストレージで実現可能です。
パスワードをかけて安全に共有したい
相手がアカウントを持っていなくても、パスワードで共有できます。対応しているのは、Dropbox(有料プラン)、OneDriveです。
あとからファイルを削除できるようにしたい
すべてのオンラインストレージで実現可能です。
GoogleドライブやiCloud Driveは現時点で、GoogleアカウントまたはApple IDを所有している人に対してのみ、安全な共有ができます。
これらのサービスを利用する場合は、たとえばエクセルファイルそのものにパスワードかけておくなどの安全策を取りましょう。
ビジネスシーンでは、相手がGoogleアカウントを持っていないことも多いです。
DropboxやOneDriveなど、相手がアカウントを持っていなくてもファイル共有できるオンラインストレージがおすすめです。
次の記事は「Google WorkspaceとMicrosoft365の違いを比較、どちらを選ぶべき?」です。
オンデマンド機能やパスワードを設定したファイル共有などがあるOneDriveは、高機能なオンラインストレージです。
Microsoft365を使うと、最新版のエクセル・ワード・パワポが使えるだけでなく、OneDriveの容量も大きくアップします。
2件のコメント
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何故自分が一度でここまで引き込まれたのか、書き方は何度も訪れて見て勉強させていただきます。有益な情報ありがとうございます。
>タコさん
私の書いた記事を評価していただきありがとうございます。
これからも読んでいただいた方に、役に立ったと思っていただけるような記事を書いていきたいと思います。