無料でネットショップを開業できるBASE(ベイス)のわかりやすい説明
執筆者:川原裕也 更新:
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自営業としてネットショップ(ECサイト)の開業を考えている方は多いです。
しかし、仕入れた商品や手作りの商品を販売したくても「自分にはネットショップを作る技術がない」という方はとても多いと思います。
しかし、現在ネットショップ運営者で自分でいちからECサイトを作っている人はほとんどいません。「ショッピングカート」と呼ばれる種類のツールを使うことで、ネットショップに必要な機能はすぐ揃えられます。
なかでも、BASE(ベイス)というもっとも勢いのあるサービスを使うと、ネットショップ運営に必要な機能が無料で使えます。
知識がなくても、ネットショップを開業したいという意欲さえあれば、誰でもすぐにWEB上にお店を開店できます。
もちろん、費用はかかりませんから「販売したいと思っている商品が本当に売れるのかどうか試してみたい」という簡単な動機でも構いません。
コストをかけずに気軽な気持ちでテスト販売できるのは、BASEの大きなメリットです。
目次
無料でネットショップを開業できる
BASE(ベイス)は、
- 初期費用:無料
- 月額費用:無料(スタンダードプラン)
で、知識のない人でも簡単にネットショップが作れるのが特徴です。
好きなデザインを選択するだけで、自分のイメージに近いECサイトを作成し、ネットショップの運営に必要な機能も揃います。もちろん、知識があれば自分で自由にデザインを編集し、カスタマイズすることも可能です。
BASEをひとことで説明すると「無料ブログのネットショップ版」という感じです。
たとえばアメブロやはてなブログのような「無料ブログサービス」は、
- 記事を執筆する機能(写真を貼り付けたり、文字の色を変えるなど)
- プロ並のブログのデザインテンプレート
- ブログに投稿されたコメントなどの管理
などのブログ運営に必要な機能を一括で提供しています。そして、これらの機能はすべて無料で使えます。BASEはまさにこのようなサービスの「ネットショプ版」となります。
このようなサービスのなかには、商品登録数に制限を設けていることもあります。しかし、BASEに限っては商品登録数に制限などはありません。なお、1日に新規登録できる商品数(種類を含む)は最大1,000件です。
BASEはどうやって儲けているの?
ネットショプ運営に必要なシステムが「すべて無料」のBASEは、「オプションサービス」を提供することで利益を生み出しています(※現在は決済機能の導入が必須となり、基本料金0円のサービスとなりました)。
基本機能をすべて無料で提供し、そこからさらにいろいろな追加機能が欲しいと考えるショップオーナーのために有料オプションを提供することで、売上を得るのがBASEのビジネスモデルです。
具体的にどのようなオプションがあるのか解説していきます。
前述しましたが、唯一「支払いシステム(決済機能)」に関しては必須の有料オプション(売上に応じて一定の手数料が発生)となります。
BASEかんたん決済でクレジットカード支払いを導入
BASEの利用に際して必須となる有料オプションが、「BASEかんたん決済」です。これがBASEの収益の柱になっています。
BASEを使って無料でネットショップを開業し、訪問したお客さまが商品を買ってくれた場合、当然ですが支払いの管理をしなくてはなりません。
実は、この支払い方法の準備と顧客の注文データの管理が、ネットショップ運営ではとても大変な作業だったりします。
決済方法(支払い方法)には、銀行振込、クレジットカード決済、コンビニ支払いなど、数多くの方法が存在します。
1つずつ決済会社と契約を結んでいくというのは骨が折れますが、「BASEかんたん決済」を使うことで、これらのさまざまな支払手段をまとめて導入できます。
BASEかんたん決済で導入できる支払手段は以下の通りです。
- クレジットカード
- Visa・Mastercard・JCB・AMEXの4つのカードブランドが扱えます
- キャリア決済
- NTTドコモ、au、ソフトバンク、Yモバイル等の通信料と合わせて請求する支払い方法
- 銀行振込
- 三井住友銀行
- コンビニ決済・Pay-easy
- コンビニやPay-easy(ペイジー)を使った支払い方法
- 後払い
- コンビニで後日払込を行う支払い方法
- Amazon Pay、PayPal
- 決済手数料は4.6%+40円となります
「BASEかんたん決済」は、初期費用・月額利用料は無料です(つまり、商品が売れなければ1円もお金はかかりません)。
しかし、売上に対して下記の手数料がかかります(スタンダードプラン)。
▶決済手数料
支払方法に関係なく一律「3.6%+40円」
▶サービス利用料
決済手数料とは別に一律「3.0%」
▶手数料計算の例
1,000円(税込)の商品が5つ(送料500円)が売れた場合、注文の総合計(送料含む)が5,500円となります。
この5,500円に対して、
- 決済手数料:5,500円 × 0.036% + 40円 = 238円
- サービス利用料:5,500円 × 0.03% = 165円
- 合計:238円 + 165円 = 403円
の計算の通り、403円がBASEの利用手数料として発生します。
売上が発生しなければ手数料は無料ですが、売上が増加するに従って一定料率で手数料が発生するのが、BASEの料金体系です。
決済手数料を抑えたグロースプランもあります。
月額費用がかかりますが、サービス利用料は無料、決済手数料はスタンダードプランより安い2.9%。プランは1ヶ月ごとに変更できるので、季節の変わり目、繁忙期、バーゲンセールなど、ショップの状況に合わせてプランを変更できます。
支払手段の多様化は、お客さまの利便性向上につながります。
手数料は少しかかってしまいますが、「BASEかんたん決済」を導入しておくことで、安心してショップ運営に集中できます。
また、BASEで販売した商品は「売上金」としてBASEのシステム上に貯まっていきます。
これを現金化するために、自分の指定口座に振り込んでもらいたい場合、振込手数料に相当する金額が手数料としてかかります。
▶売上金の入金に必要な手数料
- 2万円未満:750円
- 2万円以上:250円
売上を現金化したい場合は、少なくとも2万円以上でなければ手数料が少し高めですね。
また、BASEでは売上金の入金サイクルは振込申請から10営業日と非常に早い対応となっています。
最短で翌営業日振込の「お急ぎ振込」も利用できますが、決済金額の1.5%のお急ぎ振込手数料がかかります。
「BASEかんたん決済」が導入必須となっている点は、「完全無料」で使いたいショップオーナーにとっては残念な話かもしれません。
しかし、かんたん決済とBASEでの売上データは連携しているため、顧客の入金状況や発送方法を管理しやすいというメリットがあります。
さらに美しいデザインを販売
BASEでは、ネットショプのテンプレートデザインを無料で提供しています。
しかし、よりこだわって作られた「さらに美しいデザイン」を持つテンプレートは、BASEデザインマーケットで有料で販売されています。
たとえば、BASEデザインマーケットではこのようなショップテンプレートが売られています。
大手アパレルのネット通販に負けない、洗練されたデザインですよね。
これらの有料デザインは、いずれも5,000円前後で購入できます。
これくらいの価格なら、無料デザインでテスト販売を開始して、少し売上が出てきたタイミングで、すぐに新しいデザインに変更できます。
ネットショップ運営において、サイトデザインはお客さまに印象を与える大きなポイントですから、徹底的にこだわりたいところ。
もちろん、これらのデザインも自分で自由にカスタマイズできます。
▶専門業務は専門家に依頼しよう
「専門業務を格安でアウトソーシングする方法」という記事に書きましたが、クラウドソーシングを使えば、プロのWEBデザイナーにBASEデザインのカスタマイズを依頼することも可能です。
ちょっとしたカスタマイズであれば格安で請け負ってくれますので、ショップオーナーがデザインの知識やプログラムの技術を持っていなくても問題ありません。
専門家への外部委託を上手く活用することで、ネットショップをより良いものに育てていくのも、経営の楽しさのひとつです。
BASE Appsでショップ運営をサポート
BASEの最大の強みとも言えるのが「BASE Apps」の存在です。
BASE Appsには無料で使える機能もたくさんありますが、イメージとしては「有料オプションとなる追加機能」という感じです。
ネットショップの運営に役立ついろいろなアプリをインストールすることで、ショップ運営を強力にサポートしてくれます。
BASE Appsのなかには一部有料のものも含まれますが、無料で使える数多くの機能が揃っているので、はじめての方でも本格的なネットショップづくりを実現できます。
BASE Appsの一例を下記にまとめます。
- クーポン発行(無料)
- 特定の商品に値引きや割引を設定するクーポンを発行するアプリ
- ショップロゴ作成(無料)
- カラーやフォントを調整して誰でも簡単にショップロゴを作成できる機能
- レビュー(無料)
- 販売商品にレビュー機能(購入者の口コミ機能)を導入し販売促進に使えます
- 商品検索(無料)
- 販売商品の検索機能も無料で導入できます
- ブログ(無料)
- ネットショップ内にブログ機能を導入。スタッフの日常やおすすめ商品情報の配信などに
- メールマガジン配信(無料)
- BASE Appsではメールマガジンの配信システムも無料で提供しています
- CSV管理(無料)
- 大量の商品データをCSVファイルを使って一括登録できます
- HTML編集(無料)
- BASEのテンプレートデザインをHTMLを使って自由にカスタマイズできます
- 定期便(無料)
- 定期購入(定期販売)の商品を簡単に作れるアプリ
- BASEロゴ非表示(月額500円)
- サイト上に表示される「BASE」のロゴを非表示にするオプション
SEO対策機能やアクセス解析機能など、専門的な知識がない人でも次々と自分のネットショップに機能を追加できるのが、BASE Appsの強みです。
「売上の増加 → 機能の追加」というサイクルを上手く築いていくことで、自然とよいネットショップ作りができる仕組みが整っています。
オリジナルのTシャツやスマホケースを作成
ネットショップを開業する上で、システム以上に重要なのが「販売商品」です。
販売する商品は「どこかから仕入れてくる」「自分で自作する(ハンドメイド含む)」「製造委託で作ってもらう」などの方法が考えられます。
BASEでは、自分で作った手作りの商品を販売しているショップも多いです。しかし、何を売ればよいかわからないという人のために「Tシャツ作成」や「スマホケースの作成」のサービスも提供しています。
BASE Appsで提供しているこれらのサービスを使えば、オリジナルのデザインや画像があれば、それを元にして簡単に「オリジナルTシャツ・スマホケース」を作成しネットショップで販売できます。
たとえば、私が当サイト「今日の経営」のロゴマークをアップすれば、簡単に「今日の経営オリジナルTシャツ」やスマホケースを無料で作ることができるわけです。
もちろん、原価はかかってしまいますが、原価に利益を乗せた合計を「販売価格」としてBASEで売り出せば、あとはそれを買ってくれる人さえいれば、すぐにネットショップを開業できます。
▶実態のない商品でも販売できる
実は、BASEで販売できるのは「実態のある商品」だけではありません。
「デジタルデータ」や「サービス」なども自由に販売できるのが、BASEの良いところです。
たとえば、自分で書いた小説をPDFデータにしたものや、自作の楽曲といったデジタルコンテンツを販売することもできます。
ひとつ事例を考えてみると、料理が得意な主婦の方が「東京都港区で開催!本場インドのカレーの作り方を学ぶ料理教室」という料理教室の参加券を「商品」として販売することもできます。
ひとことで「ネットショップ」といっても、BASEで販売できるのは商品だけでなく、コンテンツやサービス、参加券といった「価値のあるもの」ならなんでも販売対象にできます。
独自ドメインの設定が可能
ドメインというのは、インターネット上のアドレス(住所)のことです。たとえば、当サイトなら「keiei.co」がドメインとなります。
BASEでネットショップを開業すると、「https://XXX.thebase.in」というURLがアドレスとして設定されます(xxxの部分には自分の好きな名前を設定できます)。
たとえば、「keiei」というアカウントが空いていれば「https://keiei.thebase.in」というアドレスでネットショップを開業できます。
しかし、このアドレスはBASEの「サブドメイン」を借りている状態で、見た目が少し不格好です。
BASEの「独自ドメイン設定」では、これを完全なオリジナルアドレスに置き換えることができます。
▶ルートドメイン
https://keiei.co
▶サブドメイン
https://shop.keiei.co
BASEではサブドメイン形式のドメインのみ、設定可能です。
ただし、ドメインを自分で取得・管理する必要があるため、「独自ドメインを設定するための若干の知識」と「ドメイン会社に支払う手数料(年間1,000円程度)」が必要です。
BASE UでECサイト運営の知識を学ぶ
BASEを使うことで、ネットショップを簡単に開業できます。
しかし、ネットショップを開業できても、未経験で運営ノウハウを持っていない方も多いと思います。
BASEはこのようなショップオーナーのために、BASE Uというサイトを通じてネットショップ運営のノウハウを配信しています。
たとえば、
- 安売りするのと高単価商品を扱うのはどちらが良い?
- 商品やネットショップの名前の付け方で気をつけるポイント
- きれいに商品の写真を撮影するコツ
など、これからネットショップを運営していきたいと考えている方のための「役立つ情報」をたくさん掲載しています。
売上データの分析方法や、ネット集客・SEO対策の方法なども紹介されています。
ネット集客やSEO対策については、当サイト「今日の経営」でも積極的に発信していますので、もしこの記事が気に入っていただけましたら、ぜひ購読をお願いいたします。
はじめは未熟でも、「BASE U」のような情報サイトでノウハウを学び、実践に活かしながら経験を積んでいけば、きっと良いECサイトを作れるようになるはずです。
私自身、事業を長年やってきて、よいビジネスを作るための重要な要素だと思っていることが2つあります。
それは、「学ぶこと」と「実践に活かすこと」です。
いわゆる「社長」気質の人は、物事を実行に移す能力はあるのですが、「学ぶこと」をしない人が多いように思います。
一方で事業を経験したことがない「従業員」気質の人は、真面目に勉強はするのですが、いつまで経っても「実行」に移さない人が多いです。
BASEのようなサービスを使えば、1円のお金もかけずにネットショップを開業できますから、まずは開業してみて「実践」と「学習」を並行して行うことを強くおすすめします。
これが、ビジネスで成功するための重要なカギであると私は考えています。
ブログで商品の宣伝ができる
作った商品、販売したい商品の存在をより多くの人に知ってもらうためには、プロモーション(宣伝活動)が欠かせません。
しかし、ネットショップを開業した経験がない方やスタートしたばかりの人にとっては、「広告宣伝にお金をかける余裕はない」というのがホンネだと思います。
BASEでは、「ショップオーナーが自分の言葉で商品を紹介できる」ブログメディア「BASE Mag.」が提供されていました。
BASE Mag.はBASEが運営している公式ブログのようなもので、各ショップのブログとは別に、ショップを訪れたことのないお客様の目に留まる機会を提供していました。
BASE Mag.は2021年10月14日にサービスを終了しましたが、各ショップごとのブログ機能は引き続き提供されています。
広告の予算やネットショップ運営の知識がなくても、「良い商品を買って欲しい」という情熱があれば、それが売上に結びつく環境を整えてくれているのが、BASEのよいところです。
BASE(ベイス)は初期費用・月額利用料が0円のショッピングカートサービスです。
「無料集客 → サイト・システム構築 → 決済機能 → 運営ノウハウの学習」というネットショップの運営に必要な機能をすべて提供しており、すでに210万以上のショップがBASEで開業されています。
なによりも、コストをかけることなく、あこがれのネットショップを手軽に開業できるというのは初心者にとって嬉しいですよね。
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