銀行融資の金利を下げる方法!借入利率の引き下げ交渉に役立つ記事
執筆者:川原裕也 更新:
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銀行から融資を受ける時、経営者としては少しでも低い利率で資金調達したいと考えます。
また、市場金利が低下していたり、業績が向上しているのに、変動金利で借りているにも関わらずなぜ金利が下がらないんだと思う人もいるかもしれません。
銀行は融資をビジネスで行っているので、少しでも高い金利で貸したいと思っているのは当然ですし、経営者はコストダウンのためにも支払利息を削減したいと思うのは当たり前です。
両者に対立する考えがある中で、いかに融資の金利を下げていくか。
今回は借入利率の引き下げについてまとめます。
交渉材料を少しでも多く持つこと
何の理由もなしに銀行からの借入金利を下げることはできません。まずは何はともあれ「交渉材料」を持つことからはじめます。
銀行に対して、金利引き下げの交渉材料(理由となるようなもの)をとにかく集めてみましょう。
交渉材料には例えば以下のようなものが考えられると思います。
市場金利が下がっている
本来は市場金利が下がれば融資の利率も下がります。
しかし、銀行側から「市場金利が下がったので金利を引き下げましょう」などと言ってくることはありません。自社のビジネスの利益を自分で減らす人はいないからです。
金利引下げの交渉は自分から提案する必要があります。
市場金利が下がっているということは、わかりやすく言うと事業者側にとってより低利率で資金調達しやすい環境になっっているということです。
「最近、市場金利が下がっているので金利の見直しを行ってくれませんか?」という提案を銀行側に持ちかけるということは、遠回しに言えば「低金利で資金調達できる環境にあるのだから、応じてくれないと他の銀行に借り換えますよ」という意味を持っています。
もちろん、固定金利で借りている場合は借り換えが必要なので、ペナルティが発生することもあります。
しかし、変動金利は見直しが効きやすいので、言うだけならタダだと思って提案してみましょう。
「市場金利が下がっているから金利を見直して欲しい」というのは、コストを意識している経営者にとっては、当たり前のことです。逆に、市場金利が上がってきたら銀行側から金利の引き上げを提案してきます。
市場金利については下記の記事を参照してください。
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自社の業績が向上している
自社の業績向上を金利引下げの交渉材料にすることもできます。
融資を受けた当時よりも、自社の売上・利益・財務基盤が向上しているのであれば条件の見直し提案は良いことだと思います。
もちろん、業績が上がっているというのは「決算上の数字が良くなっている」ということです。最近取引が増えていて売上が拡大しそうだから金利を引き下げてというのは難しいです。
あくまでも、決算の結果として業績が確実に良くなっているかどうかが重要です。
売上入金を増やしたり社会保険の支払いに使う
銀行との取引を強化することを材料に金利を下げてほしいと打診する方法です。
銀行から融資を受けるには、銀行預金や取引実績も影響します。
現在、他の銀行に入金している売上を移動することで、その銀行にとっては預金額を増やせるメリットがあります。また、社会保険料などの定期的に発生する費用の支払いにその銀行を使うことでも、間接的に預金額は増えますので、少なからず銀行側にとってはメリットとなります。
その代わり、現在借りている融資の金利を下げてくれないか?と持ちかけます。
金利の見直しには銀行側の稟議が必要となることがほとんどなので、簡単にはいかないですが、銀行側がメリットだと感じてもらえれば金利引下げに応じてくれるかもしれません。
銀行からの提案タイミングを待つ
こちらから金利引下げの打診をする一方で、銀行側からの提案を待つ方法もあります。
銀行は、融資の他にも様々な商品を販売しています。
その代表例が保険や投資信託です。
もしあなたが保険への加入や投資信託を購入しても良いと思えるのであれば、それらの提案を受け入れることを条件に、金利の引き下げをお願いしても良いと思います。
銀行が営業してくるということは、業績や営業ノルマの関係上どうしても保険を売らなくてはならない、投資信託を販売しなくてはならないという可能性が高いからです。
また、決算前などで貸出残高を増やさなくてはならない場合も同じです。銀行側から「借りてくれませんか?」と言われた時に、その提案を受け入れると同時に、現在借入中の金利も下げて欲しいとお願いするのです。
銀行側が切羽詰まっている状況で営業をしてくる場合、支店長決済で金利の見直しができることもあり、交渉はスムーズに進みやすいです。
借り換えを打診して他社と競争させる
金利引下げの方法として一番効果が大きいのは「他社と競争させて借り換えを匂わせる」ことです。
実際、新しく銀行の開拓をすると「借り換え」の打診を受けることがすごく多いです。
新規の銀行は他社から融資を奪って自社の顧客にしたいと考えますし、既存の銀行としては他社に借り換えされるのはとても困ることなので、どんなことをしてでも自社の顧客を守ろうとします。
その結果、金利引下げに応じてくれやすいです。
「他社が◯%で提案してくれているので借り換えしようと思っているのだけど・・・」といえば、高い確率で交渉に応じてくれます。
新規の銀行から提案を受けて、既存の銀行に何の断りもなく借り換えをしてしまうと、二度と取引に応じてくれない可能性もありますので、「新規銀行から提案 → 既存の銀行に相談 → 新規銀行の提案を断って既存銀行の金利を下げてもらう」という流れが良いと思います。
銀行は常に取引のある会社の業績や取引関係を把握しています。
なので、他に取引のあるライバル銀行がないと知ると強気になります。しかし、他にライバルがいて油断はできないという状況を作っておけば、銀行側も金利の見直しに応じてくれやすいです。
金利の引き下げ交渉を行うためにも、1つの銀行だけでなく複数行と取引関係を築いておくことが大切です。
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