経営セーフティ共済(倒産防止共済)を活用して個人事業主・中小企業で節税する

中小企業

自営業をやっていて利益が出てくると、嬉しい半面、支払う税金が増えることから残念な気持ちにもなります。

たくさん税金を支払うということは、それだけ社会に貢献しているということですからポジティブに捉えるべきなのでしょうが。。。

日本は稼げば稼ぐほど税率が高くなっていく仕組みなので、そう簡単にはお金持ちにはならせてくれません。

稼いでも稼いでも税負担が重くなるばかりで、手残りの資金はなかなか増えないんですよね。

一方で、稼げば稼ぐほど事業規模は大きくなり、それにともなって事業運営に必要な費用負担も大きくなるため、事業環境が悪くなったときのリスクは大きくなるわけです。

もし事業環境が悪くなって資金が不足しても、一度支払った税金は返ってきません。

こうした実情からも、適度な節税はしっかり行うべきだと私は考えます。

中小企業はもちろん、個人事業主でも使える代表的な節税策として「経営セーフティ共済(倒産防止共済)」や「小規模企業共済」などがあります。

今回は、経営セーフティ共済(倒産防止共済)についてまとめたいと思います。

この仕組みを使うと、最大で年間240万円の節税が可能となります。

経営セーフティ共済とは

経営セーフティ共済

経営セーフティ共済は、別名「倒産防止共済」と呼ばれる制度です。

独立行政法人 中小機構が提供している制度なので、実質的には国が推奨している共済と言えます。(昭和53年にスタートした歴史ある制度です)

長期にわたってビジネスを続けていると、大口の取引先が突然倒産してしまう事態に遭遇するかもしれません。もし大口取引先が倒産してしまったらどうでしょう。

などが考えられます。
こうした事態に備えて、1社あたりの売上依存度を25%以下にするのが理想ですが、個人事業主や中小企業の場合、そう簡単に取引先の分散はできないでしょう。

上記のような結果、大きな会社が倒産すると立て続けに連鎖倒産が起こってしまうのです。

こうした連鎖倒産の問題を防ぐために作られたのが「経営セーフティ共済(倒産防止共済)」です。いざというときに備える「保険」のような役割ですね。

掛金総額の最大10倍の融資が受けられる

資金調達

経営セーフティ共済は、自分が決めた掛金を毎月積み立てます。詳細は後ほど説明しますが、この掛金が「経費」扱いとなるため節税に繋がります。

掛金は最高800万円を上限としているため、掛金総額が800万円に到達するまで続けることが可能です。

経営セーフティ共済に加入途中、前述のような取引先の倒産が発生し売掛金等の回収ができなくなった場合、掛金総額を原資として融資が受けられます。

その融資額が、

のいずれか少ない方であるため、掛金総額が800万円に達していれば、最大8,000万円の融資によって不良債権をカバーできます。

ただし、融資を受けるためには最低でも6ヶ月以上の掛金払込を行っていなければなりません。

共済金の貸付は「無利子」となりますが、その代わり貸付を受けると、「共済金貸付額の10分の1に相当する掛金の権利」が消滅します。

つまり、800万円を積み立てていれば最大8,000万円の融資が受けられますが、いちど8,000万円の融資を受けてしまうと掛金である800万円は消滅するということです。

資金調達にも利用できる

取引先が倒産していない場合でも、資金調達の1つとして「掛金」を原資とした「一時貸付」が使えます。

借入可能額は、「解約手当金額」の95%の範囲となります。ざっくり言うと、掛金総額の約95%までなら借りることができるということです。

しかし、一時貸付の場合は「利息」が発生します。また、貸付期間も1年間の短期融資です。担保や保証人は不要です。

貸付利率は「金利情勢によって変化する」とされていますが、2011年4月~記事執筆時点(2017年1月)では「年0.9%」の低金利で融資が受けられます。

経営セーフティ共済で節税する

計算

「転ばぬ先の杖」的な制度となる経営セーフティ共済ですが、実際は節税目的で活用している経営者がほとんどです。

毎月の掛金は5,000円~20万円までで、自由に決めることができます。また、途中で掛金の変更も可能です。

経営セーフティ共済の掛金は最大800万円までなので、毎月20万円(年間240万円)ずつ掛金を積み立てた場合でも、3年4ヶ月は毎月節税を続けることができます。

掛金は、法人の場合は損金扱い、個人事業主は必要経費として扱えます。

12ヶ月目以降なら解約できる

経営セーフティ共済の掛金はいつでも解約できます。

返戻率は100%なので、「毎月の掛金を経費として節税でき、積み立てたお金は一定期間経過後に全額返金してもらうこともできる」わけです。

これが、経営セーフティ共済が節税に使える良い制度だと言われている理由です。

解約手当金の返戻率は以下のとおり。
解約手当金

上記の表を見てもわかるとおり、掛金納付月数が11ヶ月以内に解約してしまうといかなる場合でも1円も戻ってきません

逆に、掛金納付月数が40ヶ月(3年4ヶ月)以降になると、基本的には積み立てた金額は全額返金してもらえます。

解約のパターンとしては3種類あり、

任意解約
契約者の希望によっていつでも自由に解約するパターン。

みなし解約
個人事業主が死亡した場合や、法人の解散などによる解約。

機構解約
ペナルティとして機構側から強制解約されるパターン。(掛金の払込が12ヶ月以降滞った場合など)

節税にはさまざまな保険商品がありますが、民間の保険商品と比較しても、経営セーフティ共済は圧倒的に有利です。

解約後に再加入することも可能

積み立てた経営セーフティ共済を一旦解約して共済金を受取、もう一度加入し直すこともできます。

そうすると、「加入 → 解約 → 加入」を繰り返すことで永久に節税できるのではないか?と思ってしまうかもしれません。

しかし、共済金を受取るとそのお金は当然課税対象となるため、「加入 → 解約 → 加入」を繰り返すことによる節税メリットはありません。

経営セーフティ共済に加入できる人

ビジネスマン

経営セーフティ共済に加入できるのは、

となります。

法人の場合は、資本金と従業員数によって加入できない場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。(医療法人、農事組合法人、NPO法人、森林組合、農業協同組合、外国法人などは加入できません)

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