登記簿謄本(履歴事項全部証明書)・印鑑証明書・納税証明書をネットで取る方法
執筆者:川原裕也 更新:
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自営業として仕事をしていると、印鑑証明書や登記簿謄本(履歴事項全部証明書)といった各種証明書の提出を求められる機会が増えます。
これらの証明書は、法務局や市区町村の役所、税務署などの窓口で取得できますが、わざわざ出向いて入手するのは面倒です。
この記事では、事業で必要になりがちな各種証明書をネット・郵送で取得する方法をわかりやすく解説します。
たとえば、このような証明書がネットまたは郵送で取得できます。
- 個人事業主
- 印鑑証明書、納税証明書、住民票の写し、戸籍証明書など
- 法人
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、印鑑証明書、納税証明書
個人事業主の各種証明書
個人事業主の場合、登録手続きなどで一番必要になるのは「印鑑証明書」だと思います。
また、納税証明書や住民票の写しなどを求められるケースも少なくありません。
このような証明書をネットで取得する方法なのですが、実は無理なケースが多いです。
たとえば、私の住んでいる市区町村の役所では、印鑑証明書はネット・郵送ともに受け付けていません(市区町村によっては郵送による取得ができることもあるかもしれません)。
一方で、個人事業主の場合は「マイナンバーカード」があればすべてコンビニで証明書の取得ができるようになっています。
よって、個人事業主の方が手軽に証明書を取得するには「マイナンバーカード」を作ることを強くおすすめします。
まだまだ多くの方が、マイナンバーカード(通知表)のみを取得しており「本カード」を発行していないようです。
しかし、マイナンバーカードを入手すると、電子申告をはじめ、利便性がかなり高まるので、自営業者にとっては必須アイテムです。
市区町村によって、コンビニで入手できる証明書の種類は異なります。しかし、マイナンバーカードがあれば、以下のような証明書をコンビニで取得することが可能です。
- 印鑑登録証明書
- 各種税証明書
- 住民票の写し
- 住民票記載事項証明書
- 戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
- 戸籍の附票の写し
詳細:コンビニ交付とは
法人の各種証明書
法人の場合、銀行口座の開設や各種申込みでも、登記簿謄本・印鑑証明書の提出を求められることが多いです。
これらの書類はいずれも、オンラインまたは郵送で簡単に取得できますので、行政機関に足を運ぶ必要はありません。
なお、最近は「法人番号」の記載を求められることも増えています。
法人番号は、国税庁が運営する法人番号公表サイトで簡単に調べることが可能です。
登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
登記簿謄本(履歴事項全部証明書)は、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」から取得できます。
「かんたん証明書請求」から入手したい証明書を選択し、インターネットまたはATMで手数料を電子納付します。
手数料の払込が完了したら、数日中に郵送で請求した証明書が送られてきます。
「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」の利用には、事前にID・パスワードの登録が必要です。無料で登録でき、登録後すぐに利用できるので安心です。
このサイトで取得できる証明書は以下の通りです。
- 商業・法人
- 登記事項証明書 (商業・法人)
- 不動産
- 登記事項証明書 (土地・建物)/地図・図面証明書
- 動産譲渡
- 登記事項概要証明書 (動産譲渡・登記番号指定検索)
登記事項概要証明書 (動産譲渡・当事者指定検索)
登記事項概要証明書 (動産譲渡・譲渡人複数指定検索)
概要記録事項証明書 (動産譲渡) - 債権譲渡
- 登記事項概要証明書 (債権譲渡・登記番号指定検索)
登記事項概要証明書 (債権譲渡・当事者指定検索)
登記事項概要証明書 (債権譲渡・譲渡人複数指定検索)
概要記録事項証明書 (債権譲渡)
法人で登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を入手したい場合は、「登記事項証明書 (商業・法人)」を選択します。
なお、「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」は平日の午前8時30分から午後9時までが利用時間となっています。休日や時間外は利用できません。
くわしくは後述しますが、登記簿謄本は郵送でも入手可能です。
手数料の払込には、電子納付(Pay-easy)に対応しているPayPay銀行 ビジネス口座がおすすめです。
印鑑証明書
法人の印鑑証明書は「郵送」で取得します(オンラインで取得することもできますが、電子証明書等の事前手続きが必要です)。
送付先は「法務局」です。
また、先ほど説明した「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」は、オンラインでの入手がおすすめですが、郵送でも取得できます。
取得方法は以下の通りです。
1.印鑑証明書交付申請書に必要事項を記入
印鑑証明書だけを請求したい場合は印鑑証明書交付申請書(PDF)を使います。
登記簿謄本の請求は、登記事項証明書交付申請書(PDF)を使います。
印鑑証明書と登記簿謄本を合わせて取得するときは、印鑑証明書及び登記事項証明書交付申請書(PDF)を使ってください。
2.収入印紙を通数分貼って法務局に送る
印鑑証明書の発行手数料は1通450円、登記簿謄本は1通600円となります。いずれも、金額分の収入印紙を交付申請書に貼って送付します。
収入印紙はゆうちょ銀行などで販売しています。
送付時に同封するものは以下の通りです。
- 交付申請書(通数分の収入印紙を貼ったもの)
- 印鑑カード
- 切手84円を貼った返信用封筒1通
郵送は普通郵便でも問題なく受け付けてもらえます。しかし、もし「印鑑カード」を紛失すると大問題になりますので「簡易書留」で郵送・返信することをおすすめします。
3.管轄の法務局を確認する
送付先は法務局です。
管轄の法務局はこちらのページで確認できます。
通常の手続きで、1週間以内に「印鑑証明書が同封された返信用封筒」が到着します。
急ぎの場合は、書留や速達などを使うのもよいかと思います。
納税証明書
納税証明書の請求先は「管轄の税務署」です。
納税証明書の請求方法は3つあります。「郵送」で取得するのがもっとも便利です。
- ネットだけで取得する(電子証明書が必要)
- オンラインで請求し、税務署の窓口で受け取る(電子証明書不要)
- 郵送で請求する
電子証明書を利用したe-Taxは、事前の準備とコストがかかります。
電子証明書がなくても、オンラインで請求することができますが、この場合は窓口での受取となります(急ぎの場合はこの方法がおすすめ)。
郵送は事前準備不要なので、多くの自営業者にとって、もっとも手軽で簡単かと思います。
納税証明書の請求方法は以下の通りです。
1.納税証明書交付請求書の作成
まず、納税証明書交付請求書(PDF)に必要事項を記入します。
納税証明書交付請求書に収入印紙を貼ります(収入印紙はゆうちょ銀行などで購入可能です)。
納税証明書を郵送で請求する場合の手数料は以下の通りです。
- その1・その2:税目数 ✕ 年度数 ✕ 枚数 ✕ 400円
- その3・その4:枚数 ✕ 400円
2.返信用封筒と合わせて税務署に送付
84円切手を貼った返信用封筒と、収入印紙を貼った納税証明書交付申請書をあわせて、管轄の税務署に送ります。
個人の場合は本人確認書類などが必要ですが、法人の場合は「申請書・返信用封筒」の2点だけで構いません。
送付先となる管轄の税務署はこちらで確認できます。
さらに業務効率を上げる
証明書類をネット・郵送で取得できるようになると、業務効率は一気に上がります。
今回は、私の知っている範囲で紹介させていただきました。もし、別のやり方でおすすめの取得方法があれば是非、コメントを通じて教えていただけると助かります。
次の記事は、オンラインストレージ「Dropbox(ドロップボックス)」の使い方について。
私も毎日使っている必須のWEBサービスです。ドロップボックスを活用することで、ファイル共有が楽になり、USBメモリやCD-Rにデータを記録して持ち歩く必要がなくなります。
なお、ドロップボックスの利用は無料です。
あわせて読みたい:
Dropboxの使い方をわかりやすく、共有機能やファイルリクエストの活用法
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