Dropboxの使い方をわかりやすく、共有機能やファイルリクエストの活用法
執筆者:川原裕也 更新:
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Dropbox(ドロップボックス)は、スマートフォンの普及に伴って急成長しているオンラインストレージサービスです。
現在は、GoogleドライブやOneDriveといった数多くのオンラインストレージがありますが、Dropboxが最も知名度が高いのではないかと思います。
Dropboxは2018年に上場を果たし、すでに1兆円規模の時価総額を誇る会社です。最近はビジネス版の普及に力を入れており、以前のように「クラウドストレージだから危険」という意見はほとんどなくなりました。
公式サイトでも、データの管理やプライバシーの徹底を詳しく説明しており、個人でもビジネスでも安心して利用できます。
この記事では、Dropboxのメリット・デメリットをわかりやすく解説するとともに、共有機能やファイルリクエストの使い方を説明します。
目次
Dropboxフォルダのファイルを同期
Dropboxは、インストール時に作成する「Dropboxフォルダ」の中にあるファイルを自動的に同期します。
エクセルやワード、PDF、画像、動画など、あらゆるファイルをすべて同期し、その他のPCやスマホ・タブレットで閲覧・編集できるのが最大のメリットです。
言い方を換えると、自分が所有している複数の機器に対して、ネットを通じてデータをリアルタイムでコピーしてくれるということです。
マルチデバイスに対応しており、Windows・Mac・iPhone・Android・タブレット・WEBなど、あらゆる機器に対応しています。
例えば、現在Windowsで作成中のWord文書「明日の会議資料」をDropboxフォルダに入れておくと、最新版が自動的に同期されます。
電車内でiPhoneのDropboxアプリを開くと、先ほどの「明日の会議資料」が閲覧できます。
Wordのモバイルアプリをインストールしていれば、電車内でスマホを使って、文書の編集の続きを行うことができます。
その編集は、会社に置いているMacにも同期されます。常に最新版を閲覧・編集できるので、USBメモリなどを使ってデータを移す必要がなくなります。
複数の端末でデータを同期できるので、バックアップにも使えます。
仮にDropboxがデータを消失しても、同期したデータは常にローカル環境(WindowsやMacなどのPC内)に存在するので、ファイルが失われることはありません。
Dropboxは「スマートシンク」というハードディスクの容量を削減する機能も提供しています。(スマートシンクは有料版でのみ利用できる機能です)
スマートシンクを使う場合、データを完全にDropboxに預けることになりますが、利用の有無は任意です。
データを常に手元のPCに置いておきたい方は、ファイル単位でスマートシンクを使わないという選択もできます。
容量の小さいPCに適した選択型同期
Dropboxでは、基本的に「Dropboxフォルダ」内のファイルをすべて同期します。
しかし、以下のような状況下では問題が発生してしまいます。
- 自宅のデスクトップPC:1TB(テラバイト)
- 会社のノートPC:512GB
例えば1TB(1,000GB)のデータを、容量512GBのノートPCに同期させると、ノートPCのストレージ容量が足りずに、ハードディスクがすぐ一杯になってしまう可能性があります。
このような場合には「選択型同期」を使います。
会社のノートPCでは「会社で使う資料が入ったフォルダだけ」を選択型同期で設定しておきます。
すると、その他のファイルは会社のノートPCにはダウンロードされず、選択型同期で選んだファイルやフォルダだけが同期します。
この方法は、ストレージ容量の少ないPCでDropboxを使う場合に適しています。またネットワークに制限のあるモバイル環境でもメリットを発揮します。
2GBの容量までは無料
Dropboxは標準で2GBまでのオンラインストレージを無料で提供しています。
ストレージの無料枠は、Googleドライブ(15GBまで無料)と比較すると劣ります。
しかし、一般的な文書やPDF程度であれば2GBの無料プランでも十分です。
それ以上の追加ストレージを必要とする場合は、有料プランに加入する必要があります。
また、Dropboxの無料プラン(Basicプラン)では、同期できる端末台数は最大3台までに制限されています。
Dropboxの料金プラン
Dropboxの料金プランは以下の通りです。
なお、「1TB = 1,000GB」です。
▼Dropboxの料金プラン(個人向け)
プラン | Basic | Plus | Professional |
---|---|---|---|
料金(月額) | 0円 | 1,320円 | 2,640円 |
料金(年間一括) | 0円 | 13,200円 | 26,400円 |
ストレージ容量 | 2GB | 2TB | 3TB |
※税込です
※年間払いを選択した場合の月額料金です
▼Dropbox Businessの料金プラン(チーム向け)
プラン | Standard | Advanced |
---|---|---|
料金(月額) | 1,650円 | 2,640円 |
料金(年間一括) | 16,500円 | 26,400円 |
ストレージ容量 | 3TB | 必要に応じた容量 |
※税込です
※年間払いを選択した場合の月額料金です
年間一括で料金を支払うことで、約2ヶ月分の料金が割引となります。(月額契約だと上記よりも少し割高となります)
チーム向けのDropbox Businessは、1ユーザーあたりの料金です。ただし、申し込みは最低3ユーザーからとなります。
私自身は個人向けの「Dropbox Professional」に加入しています。
Dropbox Businessは最低3ユーザーからしか申し込めないのがネックです。
有料プランに加入すると、ストレージ容量の拡張だけでなく、その他の様々な機能が使えるようになります。
最新の料金プランの比較は公式サイトでご確認ください。
ファイル共有方法
Dropboxの便利な点は、ファイル単位・フォルダ単位でデータを共有できることです。
例えば、デジタルカメラで撮影した写真を相手に共有したい場合に、画像データをCD-ROMに焼く必要がなくなります。
Dropboxに入れてファイル共有すると「ダウンロードリンク」が発行できます。
ダウンロードリンクのURLを相手に教えるだけで、相手はPCやスマホから直接、データをダウンロードできます。
ダウンロードリンクにはパスワードが設定できるので、相手がDropboxのアカウントを持っている必要はありません。
共有ファイルにパスワードを設定できるのは、オンラインストレージの中ではDropboxのみとなっています。(2019年5月時点で、OneDriveでも同じ機能が実装されていることを確認済み)
GoogleドライブやOneDriveで機密度の高いファイル共有をする場合、相手側もGoogleアカウントやマイクロソフトアカウントを持っている必要があります。
しかし、パスワードでファイル共有できるDropboxは、相手がDropboxアカウントを持っていない場合でも、特定の相手だけにファイルを共有することが可能です。
Dropboxで、共有ファイルにパスワード設定が設定できるのは現在、Professional、Businessプランのみとなっているようです。(未確認)
以前は無料プランでもパスワード設定ができたと思うのですが、仕様が変更になったのかもしれません。
- 共有したいファイル・フォルダを右クリック
- 「共有」を選択
- 「リンクを作成」で共有完了
- 「リンクをコピー」しダウンロードURLを相手に伝える
- パスワード・有効期限を設定する場合は「リンクの設定」をクリック
共有を解除したい時は、「リンクの設定 → リンクの削除」を行います。
ダウンロードリンクには有効期限も設定できます。
ファイルをメール添付で送信すると、相手の受信ボックスにデータが永久的に残る可能性があります。
しかし、有効期限付きのダウンロードリンクなら、そのような心配はありません。Dropboxでのファイル共有は機密性にも優れています。
ファイルリクエストで不特定多数からファイルを募る
Dropboxの無料プランでも利用できる機能に「ファイルリクエスト」があります。
この機能も、オンラインストレージの中ではDropboxのみが提供しているサービスです。
ファイルリクエストは、Dropboxアカウントを持たない特定の相手(または不特定の相手)からファイルを募る機能です。
言い換えると、アップロードフォルダを簡単に作れるのがメリットです。
例えば、友人がデジカメで撮影した写真データがある場合、それらをCD-ROMやUSBメモリで送ってもらう必要はありません。
Dropboxを利用している私たちが、「ファイルリクエスト」でアップロードフォルダを作成してあげることで、友人はそこから、写真のデータを私たちに送ることができます。
なお、ファイルリクエストには1ファイルあたりの送信容量に上限が設けられています。
- Basic・Plusプラン:1ファイルあたり2GBまで
- Professional・Businessプラン:1ファイルあたり20GBまで
無料プランでも大容量ファイルの送信に十分使える仕様になっていますね。
Paperでイケてる文書が簡単に作成可能
Dropbox Paperは、無料プランでも利用できる「ドキュメント・プレゼン資料」の作成ツールです。
プレゼン資料といえば「パワーポイント」、ドキュメントといえば「GoogleドキュメントやWord」が有名です。
しかし、Dropbox Paperは、従来の文書作成・プレゼン資料作成ツールとは違う「新しいデザイン」で生み出されたツールです。
Paperで作成したドキュメントは、複数人で同時編集ができ、また画像や動画などのファイルも自由に添付できます。
Dropbox Paperの良さを知るには、実際に一度使ってみるのが一番良いと思います。
単純に「使っていて気持ちが良い」です。
また、文書やプレゼン資料のデザイン力がないと悩んでいる方でも、簡単に「イケてる資料」が作成できます。
試しに、ファイル共有方法とファイルリクエストについて、Dropbox Paperで文書を作成してみました。
ただテキストと画像を並べただけですが、美しいフォントと洗練された画像配置で、「見やすいドキュメント」が作成できます。
Dropboxの有料プランで使える機能
Dropboxの有料プランでは、ストレージ容量の拡張の他にも、数多くの便利なサービスが利用できます。
例えば、誤ってファイルを削除してしまった場合でも、Plusプランなら30日、Professional以上のプランなら180日の「ファイル復元機能」が使えます。
また、新機能「スマートシンク」を使うことで、容量の少ないPCを使っていても、1TB(1,000GB)以上のファイルをクラウドに保存することが可能です。
スマートシンクで容量を節約
Dropboxは、ファイルをあらゆる端末で「同期」するツールです。
Windows PC・Mac・iPhoneと3つの端末を持っている場合、Dropboxに入れたファイルがすべて、3台の端末にリアルタイムでコピーされます。
この方法はバックアップには適していますが、常に最新版のデータに同期をしなくてはならないため、
- 通信データの容量を食ってしまう
- 同期する台数が増えると同じデータがそれだけコピーされる
という問題点がありました。
この問題を解決した「スマートシンク」は、Dropboxにファイルのデータを完全に預けてしまう仕組みとなります。
つまり、手元のWindows・Mac・iPhoneのストレージには、ファイルを保存しません。よって、PC・スマホのストレージを消費せず、大きく節約することが可能です。
スマートシンクでは、ファイルを使うときに「そのファイルだけを都度、高速でダウンロード」します。
PCのストレージを削減でき、クラウド上に2TB以上の大容量なファイル保管庫を獲得できるのが、スマートシンクのメリットです。
しかし、デメリットもあります。
- オンライン状態でなければ使えない
- スマートシンクでファイルを開くためには、オンライン環境が必要です。
- データ消失のリスク
- 現代においてはリスクは極めて低いですが、もしDropboxが預けたファイルを消失してしまった場合、元には戻ってきません。
もし「オフライン」で使いたい場合は、一部のファイル・フォルダだけを「ローカル」として同期させておきます。
「ローカル」が選択されているファイルは常に同期しますので、オフライン状態でもファイルを開くことが可能です。
データ消失リスクについては、まず心配ありません。データの安全性はDropbox公式サイトで詳しく解説されています。
Dropboxに預けたデータは、複数のデータセンターで分散して保存され、自動バックアップが行われています。
また、データはすべて暗号化して保存されています。
現在、GoogleドライブやマイクロソフトのOneDriveなども含め、オンラインストレージは「クラウドにデータを預ける」時代へと突入しています。
スマートシンクと同様の機能は、マイクロソフトでは「オンデマンド」、Googleドライブでは「ドライブファイルストリーム」として提供されています。
スマートシンクと他社との比較はこちらの記事で解説しています。あわせてご覧ください。

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