Google社員に聞いたスケジュール管理法!テレワークで時間管理が苦手な方へ
執筆者:川原裕也 更新:
※記事内に広告を含む場合があります
最近はテレワーク(在宅ワーク)で働く方も増えています。
オフィスへの出勤が不要なテレワークは、労働時間にも何かと自由が効きますので、「テレワークこそ理想的な働き方だ」と考える方も多いと思います。
しかし「働く時間の自由」がある反面、自己規律、自分自身での時間管理能力が求められるのも事実。
実際にテレワークをやってみると、在宅では思ったよりも仕事に集中できないという話もよく聞きます。
今日は、私の時間管理方法に大きな影響を与えた「Google社員直伝のスケジュール管理法」についてお話します。
もしこの記事が役に立ちましたら、SNSなどでシェアいただけると嬉しく思います。
Google社員直伝!タイムマネジメント術
私がこの話を聞いたのは、Google主催のイベント「Google Cloud Next 2017」の会場でした。
当日はGoogleの製品を実際に開発しているスタッフが、様々な題材でプレゼンテーションをしていました。
中でも、Googleカレンダーの開発に携わっている方のセッションはとても印象的でした。
先にスケジュールを入れる
人間はとても怠惰な生き物です。
ですので、何かやりたいことや、やらなければならないことがある場合、それをやろうとする意欲だけでは上手くいきません。
「重い腰が上がらない」という言葉はまさに人間の本質を表しています。
「やらなければなぁ」という意志の力だけで行動に移せる人は、そう多くはありません。
例えば、「今年こそはジムに通ってダイエットするぞ!」という目標。
目標を立てたときは強い意志や決心を持っているはずなのですが、結局、日々の多忙さに負けてジムに通い続けることができず、そうこうしているうちに目標はおざなりになり、1年が終わる。
こうした失敗を経験したことがある人は多いと思います。
これは決して、自分の意志が弱いのではなく、人間とはそもそも、そういう生き物なのです。
ではどうすればよいのか。
Googleカレンダーの開発に携わっているスタッフによると「まず最初にスケジュールに組み入れてしまったほうがいい」とのことでした。
つまり、「今年こそはジムに通ってダイエットするぞ!」という目標がある場合、
- ジムの入会手続きに行く日時をスケジュールに入れる
- 毎週、ジムに行く日時をスケジュール入れる
といったことを、まず最初にしてしまうということです。
Google社員の方は一例として「英語のレッスンやろうって思っても、いつまでたってもスタートしないので、先に無理やりレッスンスケジュールを詰め込んだ方がいい」と話していました。
スケジュール管理に使うツールは、手書きのスケジュール帳でも、スマホアプリでも構いません。
もちろん、「Googleカレンダーのアプリ」でもOKです。
ちなみに、私はGoogleカレンダーのアプリでスケジュールを管理しています。すごく使いやすいのでおすすめです。
やると決めたことは、まず最初にスケジュールに登録してしまおう。
※もちろん無理のない範囲で。スケジュール管理をするうえで、詰め込みすぎは失敗のもとです。
メールチェックがあなたの時間を奪う
仕事では何かとメール・チャットのやり取りが発生します。
最近はメールからチャットの時代に変わり、日常のコミュニケーションはLINEで、仕事ではSlackやChatWorkを使うという方が増えました。
加えて、古いところでは「電話が鳴ったり」、新しいところでは「SNSなどの様々なスマホアプリからプッシュ通知が届く」という状態です。
※プッシュ通知とは、LINEなどでメッセージが届いたときに、スマホアプリが自動的に起動して、音声とともにお知らせしてくれる通知機能です。
- 電話
- メール
- スマホのプッシュ通知
いつの間にか、私たちは数多くの「通知」に大切な時間や集中力を奪われています。
Google社員が言うには、「メールが来るごとに(通知が鳴って)作業が中断される。実はこの「中断」が大きなムダを生み出している。」とのこと。
メールなどの通知が来ると、すぐそれに返信してしまう。
人間は「何か」をやると、その達成感から「快感」を覚えるそうです。
つまり、小さなタスク(メールの返信など)をやっても「快感」を得てしまうため、いつまで経っても大きな仕事が片付きません。
例えば、本日17時までに大急ぎで資料の作成をしなければならないのに、メール、電話、スマホ通知などが鳴り響くたびに、それらに「返信」をしてしまう。
返信が終わると「(まだメールの返信しかしていないのに)コーヒーでも飲んで一息いれるか」という気分になり、「資料の作成」というやるべき仕事が何一つできていない。という状況になるのです。
この手のお話は私自身、書籍でも読んだことがあります。
下記の2冊は、上記の話題をより深堀りした内容が記載されていますのでおすすめです。
→幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論
また、こうした問題に対処するために私が実践している方法を、リモートワークでも集中して最高の結果を生み出すためのタイムマネジメントという記事で取り上げています。
大切な仕事時間ではできるだけ「通知」を切りましょう。
「メールチェック」や「返信」は、細切れでも積み重なると多大な時間を奪います。
やるべきことに優先順位をつけ、メールチェック・返信は後回しにしましょう。決まった時間(例えば午前1回、午後1回など)にまとめてやるのがおすすめです。
ノーと言う勇気を持とう
先ほどの「メールチェックが時間を奪う」という内容に通じるのですが、Googleカレンダーの開発に携わっているスタッフの方は「ノーと言う勇気を持とう」と言っていました。
「能動的(のうどうてき)」「受動的(じゅどうてき)」という言葉があります。
「能動的」とは、自分から進んで何かをやる、つまり自分が「仕掛ける側」になることです。
自分で食べるものを選んだり、本を読んだり、自分から電話をかけたり、自分でスケジュールを設定したり。
こうしたことはすべて能動的な行動です。
一方「受動的」とは、相手から何かを仕掛けられて、自分がそれに応じることを言います。
例えば、店員からおすすめされた商品を買ったり、テレビを見たり、医者から「次は◯月◯日に来てください」と言われて、指定された日に通院のスケジュールを入れるなど。
今回の例で言えば、電話に出たり、プッシュ通知によってスマホを見たり、届いたメールに返信するというのは、受動的な行動です。
このような受動的な行動は言い換えると「他人が自分の優先順位を決めている」ということです。
Google社員はプレゼンテーションで「他人が自分の優先順位を決めているという事実に気づき、ノーと言う。自分の優先順位は自分で決められるようになること。」の大切さを話していました。
社会では、ボーッとしていると他人がどんどんあなたの時間を奪ってきます。
他人に時間を奪われてばかりいると、「自分の時間」はなくなり、結果的に何も達成することはできません。
先ほどの例で言えば、自分の時間を使って資料作りをしなければならないのに、他人からくる「電話」「メール」「プッシュ通知」に受動的に応じて時間を奪われ、自分のやるべきことを達成できずにいるわけです。
電話やメールをくれる相手に悪気はありません。相手は決して悪くはありません。
大切なのは自分自身が「ノーという勇気」をもち、自分の時間を自分でコントロールできるように意識することです。
断ることができなければ、あなたはずっと「受動的で流され続ける人生」を歩むことになります。
誘惑に負けず、「いまの自分は何をやるべきか」を意識し、物事に優先順位をつけて取り組みましょう。
生産的な時間は朝8時~11時
私が話を聞いたGoogle社員の方は「Googleカレンダー」の開発に携わっており、時間に関する研究や分析を仕事にしています。
その方が言うには「生産的な時間は朝8時~11時。この時間は効率がいい。(それなのに多くの人がメールチェックなどで無駄に時間を費やしている)」とのこと。
朝8時~11時はとても生産性の高い「ゴールデンタイム」です。
私自身、この話を聞いてから朝早く起き、すぐに仕事に取り掛かるような時間の使い方に変わりました。
朝起きて、スタートダッシュで仕事に取り掛かり、生産性の高いゴールデンタイムに、バババッと仕事を終わらせる。
すると、これまで半日、または丸一日かかっていた作業が、数時間後には既に終わっているのです。
以前、私の会社の社員に「1日1つは記事を書こう」という話をしていて、私も社員と同じように「1日1つの記事を書く」という作業をやっていました。
すると、9時~18時まで働く社員は1日かかって1つの記事を仕上げます。
お昼休憩の段階で、本日仕上げる予定の記事がほとんど仕上がっていないという状況です。
一方、私自身は朝7時ぐらいから記事を書き始めるのですが、7時から9時の間に集中してこなすため、社員が仕事をはじめる9時には、もうその日の「記事を書く」という仕事は終わっていました。
朝早くの時間は、メールや電話などの「通知」も届きません。
そして何よりも「朝8時~11時は生産性の高い貴重な時間である」という意識を持ったことで、貴重なゴールデンタイムにできるだけ集中して仕事を終わらせたいという意志が芽生え、より一層、仕事に集中できるようになったのだと思います。
ちなみにGoogle社員によると「午後になると生産性は落ちる。」のだそうです。
1日の仕事量が「10」ある場合、多くの人は
- 午前:5
- 午後:5
という作業量でスケジューリングをします。
しかし現実には、人間の集中できる時間は一定ではなく「午前中の早い時間に集中力が高く、午後になると生産性は落ちる」のです。
つまり、1日の作業をスケジュールに登録するなら
- 午前:8
- 午後:2
ぐらいの仕事量の割り振りを行うべきなのです。
人間の集中力は一定ではありません。
生産性が高まる時間帯と、生産性が低くなる時間帯があります。
集中して作業するためには「生産性が高まる時間帯(朝8時~11時)」にその日の最大の労力を投入すべきです。
逆に、生産性が低い時間帯は何をやっても集中できないわけですから、こうした時間にメールの返信など、重要ではない作業を割り振ることをおすすめします。
朝会社に出勤したり、テレワークでPCを立ち上げて最初にやることはなんでしょうか?
朝一番に、メールやニュースのチェックをして、生産性の高まる「貴重なゴールデンタイム」を消耗していませんか?
パーキンソンの法則
先ほどの社員のエピソードにも通じますが、多くの人は「パーキンソンの法則」にとらわれています。
パーキンソンの法則は大きく2つ。
- 第1法則
- 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
- 第2法則
- 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
今回は第一法則「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」に着目してお話をします。
先ほどの社員のエピソードで、会社で「1日1つは記事を書こう」という話をしていたところ、どうなったか。
すると社員は「1日(8時間の労働時間)をフルに使って、1つの記事を書く」ようになってしまったのです。
本来なら数時間で終わる作業も、「完成のために必要な時間」が与えられると、その時間をすべて使って完成まで持っていってしまうというのが、パーキンソンの法則です。
例えば月曜日に「今週の金曜日までにプレゼン資料を作って提出してね。」と伝えると、多くの人は、月曜日~金曜日までの時間をフルに使って、金曜日に資料を完成させ、金曜日に提出します。
本来なら、月曜日にだって資料をサクッと作って提出できるのに、完成に必要な時間が「与えられた時間」まで膨張してしまうのです。
別の例で言うと「1時間という枠に区切られた会議」では、必ず1時間を使ってしまうというもの。
本当に生産性の高い人は「会議の時間が1時間に設定されていたとしても、話すべき内容を議論し、その結論が出たら、たとえ10分しか経っていなくても、すぐ会議を終了する」という行動を取ります。
人間は本能的に「パーキンソンの法則」にとらわれてしまうのだという意識を持つことで、この法則から逃れることが可能です。
少しでも早く、より生産性を高めていく意識をもつことが、時間管理の強力な武器になるのです。
パーキンソンの法則については、私が運営している別サイト「1億人の投資術」のお金持ちの敵である「パーキンソンの法則」を学ぶと巨額の資産を築ける理由という記事でも詳しく取り上げています。
多くの人に読んでもらい、共感をいただいた記事なので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。
0件のコメント