ローソン銀行法人口座のメリット・デメリット、ATM入金サービスで店舗売上を安全に管理
執筆者:川原裕也 更新:
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コンビニ大手のローソンが展開する「ローソン銀行」では、法人口座も開設できます。
ローソン銀行はネット専業銀行です。窓口となる店舗はありません。
しかし、おもな銀行サービスはすべて、ローソン店舗内に設置された「ローソン銀行ATM」と、インターネット取引によって行えます。
ローソン銀行法人口座の大きなメリットとなるのが、ATM入金サービス「金庫がわりクン」です。
店舗の売上金を、ローソン銀行ATMに入金できるサービスで、原則として24時間使えます。
店舗に金庫を置くことなく、安全に売上金の管理ができるほか、複数店舗の売上金をローソン銀行で一元管理ができるメリットもあります。
この記事では、ローソン銀行法人口座の特色をわかりやすく解説します。
目次
全国のローソンがATMに
繰り返しとなりますが、ローソン銀行は
- 全国のローソンに設置されている「ローソン銀行ATM」
- インターネットバンキング
にて銀行取引を行います。
昨今、多くの銀行がATMを廃止したり、店舗の統廃合を進めています。
取引先銀行のATMまで足を運ぼうと思っても、店舗数やATMの設置台数が少なすぎて、労力がかかるということも少なくありません。
しかし、ローソン銀行のATMは全国に13,500台以上(2024年3月末現在)も設置されており、またその多くがローソン店舗内にあります。
また、振り込み等の手続きは原則として、インターネットバンキングで行います。メンテナンス時間を除いて24時間いつでも取引が可能です。
多くの銀行では、法人口座のインターネットバンキング利用料を有料にしています。
インターネットバンキングに登録するだけで、年間2万円程度の手数料がかかります。
ローソン銀行なら、インターネットバンキングの利用料は無料です。
ネットバンクが無料で使えるというのも、ローソン銀行の強みの1つです。
ATM手数料の無料時間帯が長い
ローソン銀行ATMの利用手数料は以下の通りです。
- 入金・出金
- 毎日7時~19時まで無料。それ以外の時間帯は110円(税込)
- 残高照会
- 24時間いつでも無料
※振り込み手続きは、インターネットバンキング経由で行う方が安いので、割愛します。
日中の時間帯であれば、曜日に関係なく入出金手数料は無料です。
後述する「ATM入金サービス:金庫がわりクン」の手数料は別途取り上げます。
格安の振込手数料はネット銀行ならでは
振込手数料は以下の通りです。(インターネットバンキング利用の場合)
- ローソン銀行あて:55円
- 他行あて:143円
※税込です。
一般的な銀行の振込手数料は、最低でも300円以上、高いときは800円以上もかかります。
しかし、ローソン銀行なら振込金額に関係なく150円かからず送金が行なえます。この手数料の安さは、ネット銀行ならでは。
なお、振り込み手続きは、ATMからでも行なえます。ローソン銀行ATMなら振込手数料は変わりません。
インターネットバンキングであれば、オフィスや自宅からいつでも取引可能です。
三菱UFJ銀行も出資
ローソン銀行は、コンビニ大手のローソンの子会社として運営しています。
しかし、設立時に三菱UFJ銀行が出資しているという背景もあり、より安心して利用することが可能です。
ATM入金サービス「金庫がわりクン」とは
ローソン銀行法人口座の主力サービスとなるのが、ATM入金サービス「金庫がわりクン」です。
店舗運営事業者にとっては、以下のような悩みがつきものです。
- 従業員に銀行キャッシュカードを預ける不安
- お店の金庫で売上金を管理する危険性
- 売上金を持って長距離を移動することの危険性
- 複数店舗の売上金の管理・回収の難しさ
- 売上金回収にかかるコストが高すぎる
こうした課題を解決するのが、ローソン銀行ATMを金庫代わりに使える「金庫がわりクン」というサービスです。
ローソン銀行ATMであれば、徒歩数分圏内にある可能性が高く、売上金を持って移動する距離を短縮できます。
また、原則として24時間いつでも利用できるので、早朝・深夜の売上金入金にも対応します。もちろん、セキュリティ面も問題なく、一度ATMに預けたお金が盗まれてしまうことはありません。
従業員の不正を未然に防ぐ
店舗経営者のなかには、お店の従業員にキャッシュカードを渡して、売上金を入金させているという方もいると思います。
しかし、入金・出金の両方が行えるキャッシュカードを従業員に手渡してしまうことには、不安がつきまといます。
ローソン銀行のATM入金サービスでは「入金専用のカード」を発行するため、従業員が不正に銀行の預金を引き出す心配はありません。
売上金の入金だけに使えるカードなので、安心して従業員に持たせることができます。
万が一、カードを紛失してしまっても安心です。
また、入金専用カードは店舗ごとに複数枚発行することができます。
売上金の一元管理が可能
複数店舗から、それぞれのローソン銀行ATMを通じて入金された売上は、「入金専用口座」に入ります。
そして翌営業日の夜間に「資金集中口座」に自動的に移動する仕組みです。
「どの店舗でいくらの売上入金があったか?」がリアルタイムで把握できるとともに、各店舗から集めた売上をメイン口座で管理できる点も、売上金入金サービスを利用するメリットです。
売上金の回収の手間と管理のしやすさは格段に上がります。
セキュリティ面でも安心
銀行の金庫に売上金を入金するサービスは、大手銀行も提供しています。
しかし、ローソン銀行には、より手軽でわかりやすいサービスとして展開している点で強みがあります。
たとえば、大手銀行の夜間金庫は、あまり人通りのない薄暗い場所にあることが多いのですが、ローソン銀行の「金庫がわりクン」であれば、ローソン店舗内のATMで入金できます。
ローソンの店内は明るく、レジのスタッフも常駐しているので、女性従業員でも安心して売上金の入金を担当できます。
低コストで売上金が回収できる
また、大手銀行の夜間金庫の利用サービスと比較して、低コストで利用できるのも大きなメリットです。
ローソン銀行ATM入金サービス「金庫がわりクン」の利用手数料を下記にまとめます。
3つのコースからの選択制です。
- Aコース
- 1回あたり330円。
- Bコース
- 1日あたり440円。一日何度入金しても定額。1度も利用しない日は手数料は発生しません。
- Cコース
- 月額11,000円。1ヶ月に何度入金しても定額。1度も利用しない月は手数料は発生しません。
※税込です。
利用頻度が少ないお店は「Aコース」、1日に2回以上の売上入金をするお店は「Bコース」、利用頻度が非常に多いお店は「Cコース」がおすすめです。
上記とは別に、入金カードの新規発行時に1度だけ発行手数料がかかります。
- ATM入金カード発行手数料:1,100円 / 利用店舗数
※新規発行時は2枚発行されます。
金庫がわりクンのデメリット
ATM入金サービス「金庫がわりクン」にはこれと言ったデメリットはありません。
あえてデメリットをあげるとすれば、ローソン銀行ATMでは硬貨の取り扱いができないということです。
つまり、最低入金単位は1,000円以上、1,000円単位になるため、1,000円未満の硬貨については各店舗で管理しておく必要があります。
金額的には小さなものですので、お釣りとして活用するなど、売上金の端数の取り扱いルールについては、各社で一定の仕組みを作る必要がありそうです。
法人口座の申込条件・必要書類
ローソン銀行の法人口座を開設できるのは「法人のみ」です(個人事業主は不可)。
また、原則としてATM入金サービス「金庫がわりクン」を利用する方に限られます(法人口座のみの口座開設はできません)。
つまり、おもな対象は店舗事業者だということです。
最後に、口座開設に際して必要な書類をまとめておきます。
- 履歴事項全部証明書(原本)
- いわゆる登記簿謄本。発行から6ヶ月以内のもの
- 取引担当者の本人確認書類
- 運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などいずれか1点
- 会社実態確認資料
- 法人設立届出書(控)、確定申告書(控)、納税証明書などいずれか1点
- 事業内容確認資料
- 発注書や納品書、会社案内やパンフレットなど、事業内容がわかる資料をいずれか1点
- 共通印鑑票兼暗証番号届出書
- 申込完了後、表示されるページで取得。自分でダウンロードして郵送する
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