フリーランスレンディングとは?ランサーズの報酬額で融資条件が変わる
執筆者:川原裕也 更新:
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クラウドソーシングの代表格である「ランサーズ」と「クラウドワークス」が近年、新しい取り組みとしてはじめているのが「オンライン融資サービス」です。
ランサーズが手がける「フリーランスレンディング」は、ランサーズの報酬情報などを与信審査に活かし、最短翌営業日の融資を可能としています。
個人事業主やフリーランスの場合、事業に必要な設備やソフトウェアなどはすべて自費で購入しなくてはなりません。
事業拡大のために従業員を採用したり、新しいソフトを導入して開発力を強化したいという思いとは裏腹に、手元資金が足りないということも少なくありません。
フリーランスレンディングは、そうした個人事業主に対する解決策の1つとなっています。
フリーランスレンディングの仕組み
フリーランスレンディングの最大の強みは、最短翌営業日のスピード融資が受けられることです。
申し込みから融資までの流れは以下の通りです。
- 申し込み
- 与信審査(最短5分)
- 指定口座に借入額を振込(最短翌営業日)
借入利率が高めに設定されているのは事実ですが、これだけスピーディに融資が受けられるのであれば、短期資金の調達として有効活用できるシーンはたくさんありそうです。
フリーランスレンディングの借入条件をまとめます。
- 融資可能額
- 最大100万円まで
- 借入期間
- 最長6ヶ月
- 金利
- 年8%~15%(融資額100万円の場合)
年13%~18%(融資額100万円未満の場合) - 借入条件
- ランサーズの会員であることが条件
- 担保
- 譲渡担保(ランサーズアカウントの売上に担保を設定)
- 保証人
- 連帯保証人は不要(ただし法人の場合は代表保証がつきます)
- 返済方式
- 期限一括弁済または元利均等返済
申し込みにあたって、決算書や確定申告書などの提出は不要です。
オンライン申し込みですべての手続きが完了し、ランサーズでの仕事の実績・評価、そして獲得した報酬額などを元に審査が行われます。
ランサーズの秋好社長によると「ランサーズのタレントスコアによって条件を査定する仕組み」になっているとのこと。
スピード融資ができる理由
フリーランスレンディングが最短翌営業日の融資を実行できる理由は、ランサーズアカウントの売上に担保を設定しているからです。
もし、借入金額を予定通りに返済することができない場合、ランサーズから振り込まれる予定だった報酬額が自動的に充当されます。
また、借入期間が6ヶ月と短期間になっていることと、最大借入可能額が100万円と融資サービスにしては少額に設定されていることも、スピード融資を可能にしている理由です。
個人的に評価したいのは「期限一括弁済」が選べることです。
通常、金融機関からの借入では、毎月返す「元利均等返済」しか選択できません。しかし、フリーランスレンディングでは6ヶ月後にまとめて返済する「期限一括弁済」が選べます。
「6ヶ月後に一括返済する」という選択ができるだけでも、資金調達を検討する上での大きなメリットになります。
審査と融資はクレジットエンジンが担当
フリーランスレンディングは、ランサーズと株式会社クレジットエンジンの業務提携によって生まれました。
与信審査と貸付はランサーズが行うのではなく、クレジットエンジンが行います。
クレジットエンジンは、LENDY(レンディ)をはじめとする事業者向けのオンライン融資サービスを展開するベンチャー企業です。
最短5分の審査、最短翌日融資という驚異的なスピードで、事業者向けの融資をおこなっています。
資金調達はこれまで、金融機関と長い間交渉し、決算書や証明書等を数多く提出しなければならないのが普通でした。
しかし、レンディのようなスコアレンディング(データレンディング)の登場によって、現在はその常識は覆されつつあります。
LENDY(レンディ)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい:
LENDY(レンディ)の評判は?最短5分の審査で300万円の資金調達
管理人はこう思う
資金調達や融資の世界も少しずつ変わりつつあります。
これまでは、短期資金の調達には消費者金融やビジネスローンのような無担保融資が普通でした。
しかし現在は、クラウドソーシングでの働きぶりや、会計ソフトのデータを元に審査を行い、これまで以上にスピーディーにオンライン融資を実行できるようになっています。
今回紹介したフリーランスレンディングも、
- ランサーズでの頑張りを評価してくれる設計
- 期限一括弁済が選択できる
- Webからの申し込みだけで完結
というメリットがあり、借り手にとっては自分の頑張りを評価してくれる融資サービスを選択できるのはいいことだと思います。
一方で、スコアレンディングはまだまだ発展途上であり、「金利が高い」「借入可能額が少ない」「借入期間が短い」といったマイナス点もたくさんあります。
フリーランスレンディングも、一時的な資金繰りの改善など、短期的な資金調達手段として利用するのであれば問題はありません。
仮に、借入金利が最高利率である年18.0%であっても、借入額が10万円であれば1ヶ月の利息は1,500円程度です。
3ヶ月程度で返済の見込みが立っているのであれば、金利が高くても利息は思っているよりも少なく済みます。
フリーランスレンディングであれば、オンライン審査だけですぐに資金調達ができるため、面倒な手続きを避けてスピードを優先させたい場合は利用メリットは大きいはずです。
しかし、借入金利が年18%ということは、その資金を使って年18%以上のリターンを生み出さなければ事業的にはマイナスになってしまいます。
年18%で事業を成長させていくというのは、並大抵のことではないため、借りた状態が長期にわたって続いてしまうと、フリーランスが事業を進めていくうえで思わぬ足かせとなります。
フリーランスレンディングの利用が連続して続いたり、借入期間が長引くようであれば、金融機関や日本政策金融公庫などできちんとした手続きを踏み、「より低金利かつ長期の融資に借り換える」ことをおすすめします。
このようなレンディングサービスは「高金利でもいいから今すぐに短期の資金を提供して欲しい」という場合にのみには歓迎されます。しかし、そうでない場合は別の借入手段を検討するべきだと私は思います。
これまで述べてきたことをきちんと理解した上で、賢く活用しましょう。
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