エクボクロークとは?自分のカフェや飲食店を「手荷物預かり所」にして副収入を得る方法
執筆者:川原裕也 更新:
ここ数年、ライドシェアのUber(ウーバー)や、民泊のAirbnb(エアビーアンドビー)のようなシェアリングサービスが増えています。
シェアリングサービスは今後爆発的な成長が期待されている分野です。そのような中で最近特に注目されているのが、ecbo cloak(エクボクローク)という「手荷物預かり所」のシェアサービスです。
エクボクロークは日本のベンチャー企業が手がけるビジネスで、これまでに数多くのメディアに取り上げられています。(WBS、めざましテレビ、プライムニュースα、NEWS ZEROなど)
最近は、インバウンドの訪日観光客も増えていますが、彼らが持つスーツケースなどの手荷物を預けておく場所が足りない状況になっています。事実、駅前のコインロッカーも空いていないことが多いです。
エクボクロークは、日本人・外国人問わず、多くの方が抱える「手荷物を一時的に預けたい」というニーズをうまくとらえ、「店舗の空きスペース」を「手荷物預かり所」にするというユニークなビジネスです。
そして、私たち自営業者で店舗運営ビジネスを手がけている人は、エクボクロークに「お店の空き場所」を貸し出すことで、副収入を得るチャンスがあります。(詳しくは後述しますが、倉庫なども登録できます)
この記事では、エクボクロークの店舗オーナーになるメリット・デメリットを詳しく解説します。
エクボクロークの仕組み
繰り返しとなりますが、エクボクロークは「手荷物預かり所」のシェアリングサービスです。
観光客やビジネスマンなどが、スーツケースのような手荷物を預けたいときに、コインロッカーが空いていない(預ける場所がない)という問題があります。
このようなときに、カフェや飲食店の店舗が「エクボクローク加盟店」となり、お店の空きスペースを「手荷物預かり所」として貸し出すことで、観光客やビジネスマンの抱える問題を解決しようというビジネスです。
エクボクロークを利用することで、観光客は手ぶらで観光することができますし、ビジネスマンは大きな荷物を持たず出張先の打ち合わせ場所に出向くことができます。
そして、店舗運営者は空き場所の提供者として副収入を得られるということです。
観光客の利用手順
まず、観光客やビジネスマンがどのようにエクボクロークを利用するのか、まとめてみたいと思います。
利用者は最初に、預ける日程や手荷物のサイズ・個数を入力し、エクボクロークのスマホアプリで検索します。
現在、預入可能な店舗がマップ上に示されますので、その中から最も適した手荷物預かり所(店舗)を選びます。
カフェやレストランといった店舗で荷物を預け、観光などを楽しみます。
あらかじめ設定していた「チェックアウト時間」になったら、手荷物を引き取りに行きます。
エクボクロークの利用料金は事前にクレジットカードで決済する仕組みです。
預入料金は下記の通りです。(コインロッカーなみの安さです)
- バッグサイズ(最大辺45cm未満):300円 / 日
- スーツケースサイズ(最大辺45cm以上):600円 / 日
※税込みです
※預けるお店によって料金が異なる場合もあります
なお、上記料金の50%がオーナー収益となります。
オーナーとして預かり場所を提供する
店舗オーナーは、エクボクロークの利用者に「手荷物預かり場所」を提供することが可能です。
エクボクロークの利用イメージはこのような感じです、店舗オーナーは確認用に手荷物の写真を撮るだけなので、受付の手間もほとんどかかりません。
外国語が話せなくても問題ありません。店舗側の預かり業務は2ステップで完了します。
▼エクボクローク(預かり業務の手順)
- 来店客の荷物をスマホカメラで撮影
- 「行ってらっしゃい!」と気持ちよく声をかけましょう
登録料・利用料・退会料などは一切かかりません。店舗オーナーは完全無料で場所を貸し出すことができます。
万が一、預かっていた手荷物を紛失したり、盗難されてしまった場合でも、エクボクロークによる保険が適用されるので安心です。
荷物の紛失・破損・盗難は最大20万円まで補償されます。保険は東京海上日動が提供し、もちろん店舗側の負担は一切ありません。
また、利用者は事前にクレジットカードで支払いをしていますので、利用料は確実に回収できます。(利用者との料金のやりとりはなく、発生した収益は後日一括してエクボクロークが支払います)
店舗経営者はリスクなしでエクボクロークから副収入を得られます。
手荷物預かり所の代表例
個人宅はNGですが、スタッフが常駐している「店舗」であれば、基本的にどのようなタイプのお店でも、エクボクロークに登録できます。
一例として、このようなお店がエクボクロークの預かり場所に登録されています。
カフェ・美容室・ゲストハウス・居酒屋・ネイルサロン・漫画喫茶・コワーキングスペース・神社・ホテル・貸し会議室など
その他、使っていない遊休スペース、例えば「倉庫やバックヤード」なども「預かりスペース」として登録できます。
小規模な店舗で空きスペースがほとんどなくても安心です。「受け入れ可能な手荷物」は、店舗の規模・状況に応じて自由に設定できます。
エクボクロークの利用者は外国人観光客やビジネスマンだけではありません。
コスプレやハロウィン、スポーツイベント会場の近くでも「コインロッカー不足」になりやすく、エクボクロークの利用者が増えています。
こうしたイベントは郊外で行われることも多いので、どのようなお店のオーナーにも副収入のチャンスがあります。
また、コインロッカーの利用率が高い駅近の店舗でも、エクボクロークの利用率が高くなる傾向にあるそうです。
前述のとおり、空きスペースを提供するオーナーに一切の負担はありません。ノーリスクで店舗の収益性を高めることができます。
エクボクロークの利用者データを下記に示しておきます。
- 外国人登録率60%
- インバウンドの取り込みが成功のカギになります。この割合は東京オリンピックでさらに増加すると考えられます。もちろん、外国語が話せなくても問題なくサービス提供できる仕組みが整っていますので、店舗登録可能です。
- 平均単価1,700円
- 外国人旅行客は大きな荷物を持っています。エクボクロークの平均利用単価は1,700円となっており、最高決済額は1予約で40,300円だったとのこと。取引額の50%がオーナー収益になります。
- リピーターにも期待
- 同店舗のリピート数は最高17回となっています。エクボクロークの利用客にていねいに対応することで、次回利用時も自分たちの店舗を利用してもらう可能性を高められます。
エクボクロークを運営するエクボ社の調査によると、
- 渋谷駅付近のコインロッカーは1,400個(渋谷駅の乗降者数は1日300万人)
- 預け場所に困っているコインロッカー難民は1日17.6万人
という状況になっているようです。
「手荷物の一時預かり所」を求めるニーズは非常に多く、副業として十分成立することがわかります。
エクボクロークの副収入はどれくらい?
エクボクロークに「手荷物預かり所」となる場所を貸し出すと、ユーザーの利用に応じて副収入が得られます。
具体的にどの程度収入が得られるのかは、エクボクローク利用者の料金からシミュレーションできます。
エクボクローク利用者が支払う料金
- バッグサイズ:300円 / 日
- スーツケースサイズ:600円 / 日
※税込
1日あたりバッグ5つ、スーツケース5つを預かった場合、1,500円+3,000円 = 4,500円 / 日
1ヶ月を31日と考えた場合、139,500円になります。(総取引額)
ここから、エクボクロークの運営手数料である「ユーザー利用料の50%」が差し引かれます。つまり、総取引額の50%がオーナー収入です。
結果、このケースでは月間69,750円の副収入になると考えられます。
エクボクロークで店舗の遊休スペースを活用することで、月収15万円以上の収益を得ているオーナーさんもいるとのことです。
もちろん、観光客やビジネスマンが手荷物を丸一日預ける可能性は低く、「一時預かり」になるケースがほとんどです。
空きスペースが小さくても、1日にいくつも手荷物を預かれる可能性は十分あります。
また、空きスペースの状況はエクボクロークのアプリで常に管理できるようになっています。空きスペースがない場合は、ユーザーが予約できない仕組みなので安心です。
「スペースを貸したい時だけ貸し出せる」のがシェアリングサービスの良いところです。
お店の売上アップにも貢献
店舗オーナーがエクボクロークに空きスペースを提供すると、副収入が得られます。
一方で、エクボクロークの利用者がお店に訪れることで、お店自体の売上アップにも貢献するという隠れたメリットがあります。
例えば、飲食店オーナーの場合なら、エクボクロークを利用する外国人観光客の手荷物を預かり、合わせてランチを食べて行ってもらう。
または、手荷物の引き取り時にディナーを食べてもらう。
ネイルサロンなら、エクボクローク利用者向けに「ジャパニーズネイル」というメニューを提供しても良いかもしれません。
このように、エクボクローク利用者の手荷物を預かって副収入を得ながら、同時にお店のサービス訴求にもつなげることが可能です。
利用客が「預入時・受取時」の2回来店することで、月間100人の来店者数の増加につながっている事例もあるとのこと。
エクボ社のデータによると、そのうち30%が、店舗のサービス利用に繋がっているということです。
大小はあると思いますが、エクボクロークの利用者に店舗サービスを提案し、利用してもらうことで少なからず本業の売上アップにも貢献してくれることがわかります。
店舗の登録条件
エクボクロークのオーナーになるには、以下の3つの条件を満たしている必要があります。
- 常駐スタッフがいること
- 荷物を預かる空きスペースがあること(小さくてもOK)
- スマホまたはタブレット(カメラ付き)があること
上記3つの条件を満たしている店舗であれば、エクボクロークのオーナー店舗として登録可能です。

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