三井住友ビジネスカード for Ownersは個人事業主も申込み可、法人カードとの違いは?
執筆者:川原裕也 更新:
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三井住友ビジネスカード for Ownersは、定番のクレジットカードとして有名な「三井住友カード」のビジネス版です。
個人事業主・法人代表者といったオーナー経営者が持つためのクレジットカードとして発行されており、一般カード・ゴールドカード・プラチナカードの3種類があります。
通常の法人カードでは、申込み時に決算書の提出が必要ですが、三井住友ビジネスカード for Ownersは決算書や登記簿謄本の提出は不要です。本人確認書類のみで申し込めます。
また、創業直後でも審査してもらえるので、事業を開始するにあたって、最初の1枚としても活用できます。
ビジネス向けの優待特典も提供されており、個人向けカードとビジネス専用カードの中間に位置する貴重なクレジットカードです。
この記事では、三井住友ビジネスカード for Ownersとその他のクレジットカードを比較するとともに、このカードの活用メリットを解説します。
目次
法人名義・個人名義の口座から引き落とし
三井住友ビジネスカード for Ownersは「かゆいところに手が届くビジネスカード」です。
一般的な法人カードの場合、申込者が「法人」になりますが、三井住友ビジネスカード for Ownersの場合は、申込者はあくまでも「個人」です。
一方で、クレジットカード利用額の引き落とし口座は、「個人口座」または「法人口座(屋号名口座)」のどちらにも対応します。
- 個人事業主の方
- ビジネス用カードとして「屋号名口座」から引き落としたい
- 法人代表者の方
- ビジネス用カードの請求額を「個人名義の口座」から引き落としたい
三井住友ビジネスカードとの違い
三井住友カードは、
- 三井住友ビジネスカード
- 三井住友ビジネスカード for Owners
というカードをそれぞれ発行しています。
名前が似ている2枚のカードですが、両者の違いがどこにあり、どのように使い分ければよいのをわかりやすくまとめます。
まず、「三井住友ビジネスカード」は法人限定のクレジットカードですので、個人事業主の方は申し込めません。
よって、個人事業主は必然的に「三井住友ビジネスカード for Owners」を選ぶことになります。
法人代表者の場合はどちらのカードでも申し込めます。ただし、三井住友ビジネスカードは「法人名義」での申込み、三井住友ビジネスカード for Ownersは「個人名義」での申込みとなります。
「for Owners」は、個人口座・法人口座のどちらでも引き落とし口座に設定できますが、通常の三井住友ビジネスカードは法人口座からのみ引き落とし可能です。
限度額に違いがある
「三井住友ビジネスカード」と「三井住友ビジネスカード for Owners」の決定的な違いは、「利用限度額」にあります。
あまり知られていませんが、三井住友ビジネスカードの利用限度額は「全社共通」です。
たとえば、利用限度額が100万円だった場合、その枠を社員全員で共有して使うのが、三井住友ビジネスカードの仕組みです。
つまり、三井住友ビジネスカードは「従業員用の追加カードを発行し、社員が使った費用の経費精算をしたい」というニーズに応えるカードだということです。
一方、「三井住友ビジネスカード for Owners」は経営者だけが持てるクレジットカードです。
追加カードも発行できますが、それはあくまでも「パートナー会員」という扱いになっており、従業員に配布するためのものではありません。
そのほか、「三井住友ビジネスカード for Owners」だけの特徴として、
- リボ・分割払いが使える
- 月末締め・翌月26日支払いを選択可(通常は15日締め・翌月10日支払いのみ)
といった柔軟性を兼ね備えています。
まとめると、
- 経営者(個人事業主や社長)
- 三井住友ビジネスカード for Ownersを選択するのがおすすめ
- 従業員用
- 三井住友ビジネスカードの選択がおすすめ
という使い方が最適です。
なお、「三井住友ビジネスカード」は法人名義での申込みになりますので、経営者がカードを持つ必要はありません(従業員を本会員にすることができます)。
Apple Pay(アップルペイ)に対応
三井住友ビジネスカード for Ownersは、電子マネー「iD」に対応しています。
スーパーマーケットでの買い物も、電子マネーを使うことで暗証番号・サイン不要ですぐに決済することが可能です。
iDを活用した支払い方法は大きく3つあります(いずれも無料で使えます)。
- Apple Payに登録する
- ドコモのおサイフケータイに登録する
- 専用カードを使う
上記3つの方法で、今もっとも支持されているのが「Apple Pay(アップルペイ)」を使った支払い方法です。
iPhone7以降の機種をお持ちの方であれば、クレジットカード情報をiPhoneに取り込んで、Apple Payとして電子マネーiDが使えます(登録情報は最新のセキュリティで守られるので安心です)。
Apple Payへの登録が完了したら、あとは電子マネーiD対応のお店で、iPhoneをかざすだけで、支払いが完了します(支払い時には、iDで払いますとお伝えください)。
Apple Payを通じて支払った金額は後日、クレジットカードの請求額と合わせて引き落とされます。もちろんポイント還元の対象です。
実は、Apple Payが使えるビジネスカードはかなり少ないです。
前述の「三井住友ビジネスカード」もApple Payに対応していません。最新の電子マネーが使えることも「for Owners」だけの特権です。
利用金額に応じてポイントが貯まる
クレジットカードの利用金額200円ごとに1ポイントが貯まります。
付与されるのは、三井住友カードが展開している「Vポイント」です。実質的なポイント還元率は0.5%です。
還元率は高いとは言えませんが、法人カード・ビジネスカードではポイントが付与されないケースも多いので、ポイントが付くだけでもありがたいです。
Vポイントの有効期限は1年間です。
2024年4月22日のリニューアルにより、ポイントサービスが改定されました。ただし、貯める・使う・交換などポイントの利用により1年間、自動延長されます。
貯めたポイントは、カタログギフトや他社ポイントとの交換に使えます。
ショッピング保険と旅行保険を完備
三井住友ビジネスカード for Ownersでは、ショッピング保険や旅行保険をしっかりと完備しています。
ショッピング保険は特に、設備・備品の購入や、海外通販を通じて仕入れをしたときのトラブルに対処する防御策として役立ちます。
ビジネスカードは、個人向けカードと比較して経費の支払い額が高額になることも多く、問題が起こったときに大きな損害を被ってしまう可能性があります。
このような事態への備えとして、ショッピング保険が使えます。
三井住友ビジネスカード for Ownersには、年間100万円のショッピング補償が付いています(ただし、一般カードは海外利用分のみが対象)。
▼ショッピング補償
- 一般カード:年間100万円(海外利用のみが対象)
- ゴールドカード:年間300万円
- プラチナカード:年間500万円
また、出張中や旅行中のトラブルに対処する「旅行保険」も付いています。旅行保険もカードのグレードによって補償額が異なります。
▼旅行保険
- 一般カード
- 最高2,000万円まで補償。海外旅行保険のみ、事前にこのカードでの決済が必要。
- ゴールドカード
- 最高5,000万円まで補償。一部の補償はこのカードでの事前決済が必要。
- プラチナカード
- 最高1億円まで補償。
プラチナカードは、このカードで支払いをしていない場合でも補償の対象です。
ただし、当該カードで支払いをしているかしていないかによって補償額も変わってきます。万全を期すなら、旅行代金や航空券のチケットも三井住友ビジネスカード for Ownersで支払うことをおすすめします。
ショッピング保険・旅行保険ともに事前の申込みは不要です。
年会費でまかなわれているサービスですので、保険料も一切かかりません。完全無料で利用できます。
ETCカードは条件付きで無料に
社長は何かと出張が多いものです。
車を使って遠方へ出向くときは、ETCカードは必須アイテムと言ってよいほど重宝すると思います。
三井住友ビジネスカード for Ownersでは、申込みと合わせて「ETCカード」の発行が可能です。
ETCカードは初年度無料で使えますが、2年目以降は550円(税込)の年会費がかかります。
ただし、年1回以上のETCカード利用実績があれば、2年目以降もずっと無料で使えます。
なお、ETCカードの利用で生じた料金もポイント還元の対象です。
ゴールドカード・プラチナカードの違い
三井住友ビジネスカード for Ownersには、一般カードをさらに上回るステータスカードとして、
- ゴールドカード
- プラチナカード
が用意されています。
年会費は高くなりますが、そのぶん追加の特典も豊富なので、クレジットカードの使い方によってはゴールドカード・プラチナカードの方がお得になるかもしれません。
一般カード・ゴールドカード・プラチナカードの違いは以下の通りです。
空港ラウンジが利用できる
ゴールドカード・プラチナカードならではのメリットとして、国内主要空港の「空港ラウンジ」が無料で使えます。
私も出張中は、搭乗までの待ち時間を空港ラウンジで過ごすことが多いです。
上記画像は羽田空港の空港ラウンジです。フリードリンクや雑誌類、ゆったりとしたソファが揃っており、待ち時間を有意義に過ごせます。
空港のロビーで仕事をするのは抵抗がありますが、空港ラウンジであれば仕事をすることも可能です。将来の経営戦略を考えたり、単に読書や新聞を読みながら過ごす空間としても適しています。
空港ラウンジは通常、有料で利用するスペースですが、三井住友ビジネスカード for Owners(ゴールド・プラチナ)を提示することで、無料での入室が可能です。
また、プラチナカードの場合、世界中の空港ラウンジが無料で使える「プライオリティ・パス」を無償で取得できます(くわしくは後述)。
プラチナカードだけのメリット
プラチナカードは年会費55,000円(税込)と群を抜いて高額です。
しかし、追加特典が非常に多いため、年会費以上のメリットを見出すのはさほど難しくないかもしれません。使い方によっては、年会費の元は十分取れます。
下記は、代表的なプラチナカードの特典です。
- プラチナ・コンシェルジュデスク
- 24時間365日対応。ホテルやレストランの予約・手配や簡単な相談に乗ってくれる秘書サービス。
- プラチナグルメクーポン ← おすすめ
- 三井住友カードの提携レストランにおいて2名以上のコースを予約すると1名分が無料に。
- カード利用プレゼント ← おすすめ
- 6ヵ月間のカード利用額が50万円以上の場合、利用額の0.5%相当のVJAギフトカードをプレゼント(上限3万円分まで)
- プラチナホテルズ
- 宿泊料金の割引や部屋のグレードを無料でアップグレードしてくれるVIP特典。
- メンバーズセレクション
- 1年に1度のプレゼント。プライオリティ・パスの選択がおすすめ。
- 宝塚歌劇優先販売
- 三井住友カード貸切公演において、SS席を優先販売。
もちろん、このほかにも数多くの特典があり、経営者のビジネスをサポートしてくれます。
年会費や限度額の違い
一般カード・ゴールドカード・プラチナカードの3券種は、年会費や利用限度額が異なります。
- 一般カード
- 年会費:1,375円(440円) 利用枠:~150万円
- ゴールドカード
- 年会費:11,000円(2,200円) 利用枠:~300万円
- プラチナカード
- 年会費:55,000円(5,500円) 利用枠:原則200万円~
※税込。
※カッコ内はパートナー会員1名の年会費。
※利用枠は、本会員が個人カードを持っている場合は合算されます。
一般カード・ゴールドカードは初年度無料で使えます。
また、クレジットカードの年会費は経費で落とせます。
申込み条件は通常「満18歳以上の法人代表者、個人事業主の方」となっていますが、プラチナカードのみ「満30歳以上の法人代表者、個人事業主の方」であることが申込み条件です。
ゴールドカードの使用履歴が積み重なっていくと、30歳を待たずにインビテーション(招待状)が届き、プラチナカードにアップグレードできることもあります。
プラチナカードは三井住友カードのなかでもっともステータスの高いカードですが、最初から直接申込みをすることが可能です。
- 本人確認書類
決算書や確定申告書は不要です。創業まもない法人・個人事業主の方でも申し込めます。
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