楽天ビジネスカードを評価、法人カードで最強のポイント還元率を得たい社長向け
執筆者:川原裕也 更新:
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楽天ビジネスカードは、法人向けのクレジットカードです(個人事業主でも発行できます)。
法人カードとしては珍しい、利用金額に対して1%の楽天ポイントを付与してくれるため、経費支払いによって効率よくポイントを貯めることができます。
個人事業主にとっても、プライベート用とビジネス用で、引き落とし口座を分けることができるため、使い勝手のよいクレジットカードです。
年会費はかかりますが、
- クレジットカードの年会費は経費で落とせる
- 獲得ポイントで年会費の元がすぐに取れる
ため、デメリットはほとんどありません。
この記事では、楽天ビジネスカードが持つ特典と、申し込み前の注意点について解説します。
目次
年会費の元はすぐにとれる
楽天ビジネスカードは少し特殊な位置づけとなっています。
法人カード単体で申し込むことはできず「楽天プレミアムカードのサブカードとして発行する仕組み」となっているため、楽天プレミアムカードの同時申し込みが必須となります。
年会費は以下の通りです。
- 楽天プレミアムカード:11,000円
- 楽天ビジネスカード:2,200円
- 合計:13,200円
※税込です
このうち、楽天プレミアムカードは「個人名義の口座のみの引き落とし」となり、楽天ビジネスカードは「法人名義の口座のみの引き落とし」となります。
個人事業主として申し込む場合、楽天ビジネスカードの引き落とし口座は「屋号名口座」になります。
個人事業主でも、プライベート用(楽天プレミアムカード)の引き落とし口座と、ビジネス用(楽天ビジネスカード)の引き落とし口座を分けられるのは、大きなメリットですね。
つまり、プライベートでは楽天プレミアムカードを使い、ビジネスでの経費精算には楽天ビジネスカードを使うことで、引き落とし口座を分けることができるのです。
合計13,200円(税込)の年会費はかかってしまうものの、ポイント還元率が高いため、年会費の元はすぐに取る事が可能です。
利用額の1%のポイント還元率
楽天ビジネスカードは、利用金額100円ごとに1ポイントの「楽天ポイント」がたまります(ポイント還元率は1%)。
つまり、経費の支払いなどで年間132万円(税込)の決済をすれば、ポイント還元で年会費の元が取れます。
Amazonで使っても、取引先との会食で使っても、事務用品・事務機器の購入に使っても、いつでもポイント還元率は1%です。
事業資金の支払いであれば、年間120万円のクレジットカード支払いは容易にクリアできると思います。
もちろん、プライベート用に使える「楽天プレミアムカード」でもポイントは貯まります。
プライベート、仕事の両方で年間120万円以上のクレジットカードを使う社長なら、年会費を気にせず楽天ビジネスカードを持つことができます。
2021年6月より、公共料金等の一部の利用先について、ポイント還元率が下がりました。
下記のような利用においては、500円につき1ポイント(還元率0.2%)であるため、注意が必要です。
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- 税金
- 国民年金保険料
- Yahoo!公金支払い
なお、2024年8月1日利用分より保険料、携帯電話利用料金、NHK放送受信料(団体一括支払以外)などもポイント還元率が変更になります。
楽天グループの利用で還元率アップ
楽天ビジネスカードは、楽天市場をはじめ「楽天グループ」での利用でさらにポイント還元率がアップします。
たとえば、楽天市場で買い物をした場合、
- 通常ポイント:1%
- 楽天プレミアムカード会員特典:1%
- 楽天ビジネスカードでの決済:1%
- 合計:3%
のポイント還元率となります。
楽天市場には、ビジネスで使える消耗品や事務用品・事務機器も多数揃っており、利用する機会も多いと思います。
楽天ビジネスカードで支払うことで、利用額の3%のポイントを獲得できます。法人カードでここまでポイント還元率が高いクレジットカードはほかに見当たりません。
ETCカードを複数枚発行
高速道路のスムーズな通過には欠かせない「ETCカード」ですが、楽天ビジネスカードでは1枚まで年会費無料で発行できます。
2枚目以降は1枚あたり年会費550円(税込)での発行となります。有料となりますが、従業員などにETCカードを持たせることも可能です。
なお、ETCカードを通じて発生した高速料金も1%ポイント還元の対象です。
営業が多い企業では、高速道路の利用回数も増えると思います。高速道路の料金が実質1%値引きになると考えると、メリットは非常に大きいです。
ETCカードは一度に9枚まで申し込めます。もし、10枚以上の発行を希望する場合は、楽天ビジネスカードの発行後にWEBから追加申し込みが可能です。
クレジットカードの利用枠は最大300万円
楽天ビジネスカードのカード利用枠は最大300万円となっています。
ただしこれは、楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの合算ですので、プライベートで楽天カードをガンガン使う社長の場合、そのぶん楽天ビジネスカードの利用枠は減ってしまいます。
一方、楽天ビジネスカード(と楽天プレミアムカード)をビジネス用に限定して使うのであれば、最大で300万円の利用枠を確保できるため、中小企業や小規模企業の経費支払には十分耐えられると思います。
分割払いはできない
楽天ビジネスカードは、
- 一括払いのみ
- カードキャッシングの利用不可
となっています。
ビジネスカードのなかには、分割払いやキャッシング機能を付けられるものも存在します。
しかし、楽天ビジネスカードはあくまで「楽天プレミアムカードのサブカードという特殊な位置づけ」の法人カードですので、分割やキャッシングには対応していません。
なお、プライベート用の「楽天プレミアムカード」は、分割払い、カードキャッシング機能を利用することができます。
Apple Pay(アップルペイ)が使えるビジネスカード
楽天ビジネスカードは、Apple Pay(アップルペイ)が使えるビジネスカードとしても評判です。
ビジネス向けクレジットカードでは、Apple Payに対応していないカードがとても多いのですが、楽天ビジネスカードであればiPhoneを使ったキャッシュレス決済が可能です。
もちろん、Apple Payで支払った金額に対しても、1%の楽天ポイントが付与されます。
注意点としては、楽天ビジネスカードのApple Pay(電子マネー)は全国のQUICPay(クイックペイ)加盟店でのみ使えるということです。
クレジットカードブランドはVisaですが、Apple Payが使えるお店は「QUICPay対応店」のみとなります。
個人口座から引き落とされる「楽天プレミアムカード」も、法人口座から引き落とされる「楽天ビジネスカード」も、どちらもApple Payに登録できます。
Apple Payには複数のクレジットカードを登録でき、支払い時に切り替えられます。
よって、Apple Payで支払いをするときも、個人の支払いは「楽天プレミアムカード」、経費の支払いは「楽天ビジネスカード」を選択するだけで、簡単に支払い方法を切り替えることが可能です。
※Apple Pay対応のiPhone機種(iPhone7~)が必要です。
Visaビジネスオファーによる優待
楽天ビジネスカードでは、Visaが提供する「Visaビジネスオファー」が使えます。
Visaが提携する様々な店舗・サービスで優待特典を受けることができ、ビジネスで発生するコストの削減に効果的です。
そのほか、事務用品の購入や出張、ゴルフ場の予約といった用途でも、Visaビジネスオファーは力を発揮し、いずれも通常価格よりも安い「優待価格」での利用が可能です。
Visaブランドのみが選べます
繰り返しとなりますが、楽天ビジネスカードは「楽天プレミアムカード」のサブカードとして発行します。
楽天プレミアムカードは「Visa・Mastercard・American Express・JCB」の4つのブランドから選択できますが、楽天ビジネスカードはVisaのみの取り扱いとなっています。
※楽天プレミアムカードでMastercardやJCBを申し込んでも、楽天ビジネスカードは持つことができます。
なお、私自身は
- 楽天プレミアムカード:Mastercard
- 楽天ビジネスカード:Visa
で利用しています。
楽天プレミアムカードの特典
あくまでもプライベート用の利用となりますが、楽天プレミアムカードにも下記の特典が付いています。
- プライオリティ・パスの無料取得 ← おすすめ
- 世界145ヶ国、1,500ヶ所以上の空港ラウンジを無料で利用。
- 誕生月 ポイント+1倍
- 誕生月に限り、楽天市場・楽天ブックスでさらにポイントを加算。
- 選べるサービス ポイント+1倍
- 「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天TV・ブックス」のいずれか1つで、さらにポイント加算。
- 充実の旅行保険
- 最高5,000万円の国内・海外旅行保険が利用無料、事前申込み不要。
- 安心のショッピング保険
- 年間最高300万円のショッピング保険が利用無料、事前申込み不要。
なかでも特におすすめなのが「プライオリティ・パス」です。
プライオリティ・パスは、世界145ヶ国で1,500ヶ所以上の空港ラウンジを無料で利用できるサービスです。
本来は、空港ラウンジへの入室は有料、またプライオリティ・パスの入会にも年会費が必要なのですが、楽天プレミアムカードを持っていると、プライオリティ・パスを無料で使い続けることができます。
ファーストクラスやビジネスクラス専用の空港ラウンジでも、プライオリティ・パスがあれば、チケットクラスに関係なく無料でラウンジを利用可能です。
この特典があるために、楽天プレミアムカードを使っているという人も多い、とても人気のある特典です。
※2025年1月1日(水)以降はプライオリティ・パスの利用は年間5回まで無料に変更となります。詳細は2024年夏以降にアナウンスがある予定です。
従業員向けのカードは発行できない
前述の通り、楽天ビジネスカードでは複数のETCカードを発行できます。
しかし、楽天ビジネスカード自体はあくまでも「法人代表者(もしくは個人事業主)だけが持てるカード」となっているため、従業員用の追加カードは発行できません。
社員向けにクレジットカードを発行したい場合は、一般的なビジネスカードを申し込む必要があります。
楽天ビジネスカードは、経営者だけが持てるお得なビジネスカードとなります。
申込資格と手順
楽天ビジネスカードの申込資格は、
- 20歳以上で安定した収入のある法人代表者(または個人事業主)
となります。
楽天ビジネスカードと楽天プレミアムカードは同時申し込み可能です。
現在、無料の楽天カードを持っている方は、同時申し込みで自動的に楽天プレミアムカードへとアップグレードされます。
私の場合、楽天カード(無料)を持っていたのですが、楽天プレミアムカードへのアップグレードは自動審査でした。
正確には自動審査かどうかはわかりませんが、申込み後1分で「発送手続き」の連絡がありました。
一方、楽天ビジネスカードには別の審査があります。こちらは完全な手動審査となっており、提出書類も含め、厳格な対応となっています。
申込手順は以下の通りです。
- 楽天ビジネスカードの申し込み(プレミアムカードの同時申し込みも可能)
- 楽天プレミアムカードの審査(楽天カードを持っていれば最短1分で完了)
- 楽天ビジネスカードの審査(書類到着後2週間程度でお届け)
申し込みに必要な書類
楽天プレミアムカードの申し込み・審査はWEB完結ですが、楽天ビジネスカードは書面での手続きとなります。
申し込みに際しては「商業登記簿謄本」または「法人登記印の印鑑証明書」の提出が必要ですので、WEB申込み後、申込書が郵送で届くまでに準備しておくことをおすすめします。
- WEBから楽天ビジネスカードに申込
- 会社に楽天ビジネスカードの申込書が郵送で届く(申込みから約3日)
- 申込書と謄本(または印鑑証明書)を返送
- 楽天カードによる審査
- 楽天ビジネスカードが郵送で届く(必要書類到着後約2週間)
楽天ビジネスカードは私自身も愛用していますが、書類の郵送や発行スピードはとても速いと感じました。
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