起業したいけどアイデアがなくて何をしてよいかわからない時に読んで欲しい

※記事内に広告を含む場合があります

起業のアイデアがない

将来的に独立したい、起業して自分でビジネスをやってみたい。

独立に興味のある人は意外と多いです。しかし、その中から本当に起業をする人はごくわずかです。

起業したいけどできない理由は様々ですが、「起業したいけどアイデアがなくて何をしていいかわからない」という方も多いです。

会社設立は考えているが、どんなビジネスをすればよいか思い浮かばない。

そんな人にこの記事を読んで欲しいと思います。

私自身はビジネスアイデアありきで起業すると思っていた

スタートアップ

いきなり厳しいことを言いますが、私自身は「ビジネスアイデアもないのに起業するべきではない」と思っていました。(過去の話です)

なぜかというと、何をすればいいかわからない状態で会社を作っても、何もできず倒産まっしぐらだからです。それなら、具体的なビジネスプランを考えてから起業した方が絶対に良いです。

また、「これがやりたい」というアイデアがないのであれば、そもそも「なぜ起業したいのか?」という点に疑問が湧いてきます。

  • お金が欲しいけど何をしていいかわからない
  • 女性にモテたいけど何をしていいかわからない
  • 世界を変えたいけど何をしていいかわからない

言い換えると、あれをしたい。これをしたい。という欲望だけが先行してそれを実現するための具体案がないのと同じだと思うのです。(こうした人たちのことをネットではワナビーと言いますね)

アイデアもないのに起業したいというのは、とても甘い考えだとすら思っていました。

私の場合は「これがしたい」というのがあったわけではないのですが、すでにビジネスが構築できていて、それを事業化した方がよいと考えた結果、会社設立に至ったという経緯があります。

つまり、会社を設立した時点で、(ビジネスとして回っている、いないに限らず)何をすべきかがが決まっており、これは起業するための最低条件だと思っていました。

アイデアなしで起業して成功した事例は山ほどある

ビジネスモデルを考える

しかし、私は一冊の本を読んだことがきっかけで考えが変わりました。その本には、私の想像の範囲外のエピソードが書かれていたからです。

世の中には、何をやっていいかわからない、何のアイデアもなく起業して成功した事例があるんだなぁと。そして、探してみるとそうした事例は山ほどあるんですよね。

つまり、起業するのに事前にアイデアを準備する必要はなく、そんなものは起業してから考えるというのもありなのです。

何でも手当たり次第やった結果、世界トップクラスのPCメーカーに

ブレイクスルー

私が読んだ一冊の本は「ビジョナリー・カンパニー」という本です。

この本は、世界的に有名な大企業(ビジョナリー・カンパニー)の意外な成功エピソードを集めた本です。永続的に繁栄するビジョナリー・カンパニーとそうでない会社はどこが違うのか?というレポートを紹介しています。

ビジョナリー・カンパニーの中で私が気になったのは、ヒューレット・パッカードについて書かれた項目です。

ヒューレット・パッカードは世界的に有名なパソコンメーカーです。家電量販店に行けば「HP」のロゴを見かけないことはありませんよね。

実は、ヒューレット・パッカードは当初からパソコンを作ることを目的としていたわけではなく、何のアイデアもなしに起業した会社の一つでした。

少し長いのですが、いま起業を考えている人にとっては必読の内容ですので、じっくりと読み進めてください。

「すばらしいアイデア」 の神話
1937年8月23日、大学を卒業したばかりで、まともなビジネスの経験もない20代前半の二人のエンジニアが、新しい会社をつくろうと話し合った。

しかし、その会社で何をつくるのか、はっきりとしたアイデアはなかった。

わかっていたのは、広い意味での電子工学の分野で、二人で会社をはじめたいということだけだった。

最初につくる製品と市場の可能性について、幅広く意見を出し合いはしたが、この新興の会社には、二人を設立に駆り立てるような「すばらしいアイデア」はなかった。

ビル・ヒューレットとデーブ・パッカードは、最初に会社をはじめることを決め、そのあとで、何をつくるかを考えた。

二人は、まず一歩を踏み出して、ガレージから抜け出し、電気料金を払えるようになりそうなことを、手当たりしだいやってみた。ビル・ヒューレットはこう述懐している。

たまに、ビジネス・スクールで講演する機会があるが、会社をはじめたときに、なんの計画もなく、臨機応変になんでもやったというと、経営学の教授はあぜんとする。

わたしたちは、カネになりそうなことは、なんでもやってみた。

ポーリングのファウルライン表示器、望遠鏡のクロック・ドライブ、便器に自動的に水を流す装置、減量のためのショック装置などだ。

たった約五百ドルの資本金しかなかったから、だれかが自分たちにできそうだと考えたものは、なんでもやってみた。

ポーリングのファウルライン表示器は市場に革命を起こさなかった。自動水洗装置も減量用のショック装置も、ものにならなかった。

事業が軌道に乗ったのは、一年近くたって、ようやく初の大口契約を獲得してからだった。ディズニーの映画『ファンタジア』向けの音響用オシロスコープ八台である。

このあとですら、ヒューレット・パッカード(HP)の路線は定まらず、さまざまな製品を次から次へと手がけた。

そして、1940年代初め、軍の契約を起爆剤に、大きく飛躍する。

出典:書籍「ビジョナリー・カンパニー」

最初からアイデアなく起業した会社が持つ強みは、「これがやりたい」というこだわりがないことだと思います。

生き残るために手当たり次第何でもやる、その結果、進化し続け大きな企業へと成長していく過程は、ダーウィンの進化論「最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である」という言葉にも通じているように思います。

似たようなエピソードをもう一つ紹介します。

ソフトバンクって何の会社かわからない

考える

皆さんがよく知っている日本を代表する会社「ソフトバンク」。

ソフトバンクといえば最初はパソコン用ソフトの卸売事業からスタートし、その後インターネットの固定回線、そして携帯事業、最近はロボットやAIなど多岐に渡る事業を展開しています。

若き日の孫正義社長がソフトバンクを設立する前に行ったこと。

それは「ビジネスモデルを考える会社を作った」ということです。

何のアイデアもなく起業することを決断し、最初にやったのが「何をやるか?というビジネスモデルを考える会社」で、そこで孫社長はひたすらどんな事業をやるべきなのか、徹底的に研究したそうです。

その結果、「これからはネットの時代だからインターネットのビジネスをやる」という結論にたどり着き、ソフトウェア卸売業の日本ソフトバンクを設立しました。

先ほどのヒューレット・パッカードのように、ソフトバンクも事業内容を機動的に変化させながら成長しています。しかし、ソフトバンクの場合は「インターネット関連ビジネス」という点に軸足を置いています。

よく、「ソフトバンクってなんの会社かわからない」という意見を耳にしますが、その原点となるのは「アイデア → 起業したい」ではなく「起業したい → アイデアを考える」というところからスタートしています。

そうした流れがあったからこそ事業内容をスピーディに進化させ、大成功を納めているのです。(もし、現在もソフトウェアの卸売業だけをやっていたとしたら、ここまで大きな会社にはなっていなかったでしょう)

▼起業して失敗する理由、実はほどんと決まっています。

3つのアイテムがあれば商売は成り立つ

ビジネスサイクル

私が聞いた話に「3つのアイテムが揃えばどんな商売でも成り立つ」という論理があります。

この3つのアイテム(経営資源)をどうやって集めてくるか?

これを考えればおのずと、ビジネスアイデアは思い浮かび、実現可能性も出てくるというものです。

3つの経営資源とは「客」、「商品」、「システム」です。

逆に言うとこれが1つでも欠けるとビジネスは成立しません。

客・商品・システムをどうやって集めるか

商売を始めるにあたって必ず必要なのが「お客さん」の存在です。

お客さんは一般の消費者なのか、それとも企業なのか、企業ならどういう業種の会社なのか?など、ビジネスの対象となる顧客を絞り込むことは非常に重要です。

しかし、それ以上に大事なのは「どうやってお客さんを集めてくるか?」です。

チラシをまくのか、知り合いの紹介なのか、お店を構えるのか、ホームページなのか、いわゆる「集客経路」をどうやって作るかを考えます。

お客さんを集めることができなければ当然ビジネスは成り立たないので、まずはどうやってお客さんを集めてくるのか(どうすればお客さんを集めてくることができるのか?)を考えます。

これを明確にすると、「10人ぐらいなら集められそうだ、いや100人は集められるぞ」など、ビジネスの規模も見えてきます。

また、ビジネス形態は実に様々で「100万円の商品を10人に買ってもらう」ビジネスもあれば「10円の商品を100万人に買ってもらう」というビジネスもあるのです。(どちらも売上は同じです)

今は、ブログやSNSを使ったネット集客も低コストで行える時代です。

次に重要なのが「商品」です。

集めてきたお客さんに販売する「商品」を生み出さなければ売上は立ちません。

何を売れば興味を持って買ってくれるのか、また商品はいくらで売れるのか?など。

また、どうやって商品を仕入れ・開発するのか?を考える必要があります。仕入れ問屋なのか、商品を自作するのか、仲介で誰かから買い取るのか、それとも知り合いから商品を提供してもらうのか。など。

「お客さん」と「商品」の調達方法がわかったら、あとはそれらをどうやって販売していくのか「売れる仕組み」を考えます。

ネットショップを開業してネットで売る、店舗で売る、または外部委託で売ってもらうなど、商品を顧客に届けるための流通に乗せる方法(システム)を考えるのです。

この3つが揃ったら、あとはそれぞれに磨きをかけます。

たくさんのお客さんを集める事ができて、魅力的で競争力が高い商品があって、それが売れていく仕組みや販売チャネルができている。

3つの経営資源を集めることができれば、どんなビジネスでも成り立たせることができます。

実際に自営業ってどうやって仕事を獲得しているの?自営業の年収は?

こうした疑問もあるかと思います。

当サイトの自営業として生きるのページでは、自営業者の生の声を届けていますので、ぜひ参考にしてみてください。

次の記事は「自営業になって7年、私が経験した6つの失敗談」です。

会社設立に役立つコンテンツ

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
26歳の時に右も左もわからない状態で個人事業主になりました。2年後、株式会社クートンを設立し、現在10期目です。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「1億人の投資術」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

「起業・会社設立」の記事をもっと読む

最後まで読んでいただきありがとうございました

2件のコメント

No Name

僕も起業したいけどどなにをしたらいいかわからないです

わたしも

株式会社になったけれど、何をしたらいいかわからないです(笑)いや!こんなんじゃあかん。何がなんでもやルで~。
なにを?

ぽかーん( ゚д゚)ポカーン

いや、やるぞ!!

売上120万円!!

何かわからんけれどがんばるわ!!

記事ありがとうございますm(_ _)m

質問・コメントはこちら

個人事業主・フリーランス アンケート
ビジネスカード大全集
小さな個人店 キャッシュレス導入のメリット・デメリット

ビジネスに役立つ記事を配信中