自営業に必要なスキルは本を読むこと、読書がもたらす力
執筆者:川原裕也 更新:
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自営業として働いている方にインタビューを実施し、生の声を届けるこの企画。
今回は、脱サラをして独立開業したばかりの自営業、多田さんにお話を伺いました。
取材時点で独立5ヶ月目であり、自営業になったばかりの多田さんの考えや、どのように仕事を獲得しているかなどを聞いてきました。
取材日は2016年10月31日です。
目次
今回お話をうかがった方
多田 雄揮さん
滋賀県在住 / 30代後半 / 男性
脱サラして自営業になったエンジニア。
製造現場で覚えたプログラミングの知識を活かして独立開業。製造現場を熟知しており、業務システムの開発を得意とする。
クライアントの要望に合わせて業務システムの構築を開発
業務システムやソフトをプログラムして作っていくのが主な仕事です。作るソフトウェアはお客さま次第で千差万別なので、業務に合わせて効率化できるシステムを作っています。
私は元々製造現場で働いていました。
例えば、製造業だと機械を使って様々な製品の加工を行います。
昔は1個の品番を何万台も作るような機械でやっていたのですが、今は何万種類の製品を1個ずつ作るという時代になってきています。
通常であれば職人技で設定を1つずつ変えていく必要があるのですが、製品の数が膨大になると到底対応できません。
そこで、機械の設定と製品の品番をリンクさせ、自動的に製品の仕様に合わせて機械の設定が切り替わるようなシステムを作れば、上記のようなこともできるようになります。
私の仕事の主なクライアントは企業となります。
業種は製造業に限らず様々で、通販の在庫管理や売上管理のシステムなども作ります。
今やっている仕事をもっと効率化したい時に、ご相談いただく機会が多いです。
脱サラして自営業になってもデメリットはなかった
独立したのは2016年6月からです。(取材当時で独立5ヶ月目)
自営業になったきっかけは、自分の持つスキルをもっと活かした仕事がしたいと思ったからです。会社はやはり組織なので、自分が持つスキルを存分に活かしきれないところがあります。
そこで、自分の能力をフルに活かせるのは自営業なのではないかと思い、昔から考えていた独立を決意しました。
実家や親戚で自営業をやっている人が多く、親族はサラリーマンの方が少なかったので、独立前からサラリーマンではない世界というものがわからないわけではありませんでした。
専門的なスキルは独学で身につけた
エンジニアとしてのスキルは独学で身に付けました。
製造現場で働く中で、目の前の課題を解決しようと思っていたら、いつの間にかプログラミングの必要性を感じるようになっていました。
仕事の課題を解決するために始めたプログラミングですが、勉強は楽しく、仕事でもあり趣味でもありました。
誰かに習ったわけではなく、その都度実践を積み、わからないことはネットで調べたり本で勉強しながら覚えました。
食事を1日1食にすると頭が回る
平日は、朝8時ごろに起床します。
起きたら朝はコーヒー、青汁、サプリメント、プロテイン、バター、生ハチミツ、ココナッツオイルを飲みます。コーヒー豆を挽くところから毎朝同じルーチン、メニューです。基本的に糖質はかなり少なめにしています。
しっかりと食事を摂るのは夜だけなので、実質1日1食なのですが、実は少食の方が体は軽くなって、とても頭が回るんです。
朝、軽く食事をした後はひたすら仕事をします。大体、朝の9時から夜の9時まで仕事をしています。
ただ、平日の昼間に出かけることもあります。医者や役所など、平日の昼間にやりやすいことは平日のうちにやってしまいます。
平日の昼間に出かける一方で、土日も曜日に関係なく仕事をしています。
休日はセミナーに参加することも多いですが、基本的には仕事と趣味の区別がなく、働いているという意識はありません。半分趣味、半分仕事という感じです。
プログラミングは画面が小さいとやりにくいので、働く場所はいつも自宅です。
仕事は徹底的にルーチン化する
会社を辞めて一番困るのは集中力が切れた時です。自営業はやる気が出なくても誰も叱ってはくれません。自分自身が上司です。
私は、仕事にやる気が出る・出ないということを考えず、ひたすらルーチン化することを心がけています。
頑張ろうと気合を入れても続かないので、淡々と同じことを繰り返す仕組みを自分で作っています。
サラリーマンに戻りたいとは思わない
自営業は、すべて自分の自己責任でできるので楽しいです。人の顔色を伺わなくても良いので。
また、自営業になってみてサラリーマンのありがたさがわかったことは良かったと思っています。
サラリーマンは自分で責任を負う必要がなく、守られているというありがたさはあります。何かをやらかしてしまっても、それは会社の責任であって個人の責任になることはありません。これは独立したからこそ気づけたことです。
逆に、自営業になって悪かったことは一つもありません。
自営業になる前の方が不安だった
収入面はたしかに不安定にはなりますが、それは好き勝手にできる代償です。自分のやり方次第で収入は増えることもあるし減ることもあります。
しかし、こうしたデメリットはサラリーマンをやっていた時に「やめたらこうなるのではないか」という不安の方が大きかったです。
辞める前だと収入がなくなったらどうしようとか、友達に格好がつかないとか考えてしまいがちですが、実際に辞めてみたらなんてことはありませんでした。
変な不安というのは会社を辞める前の方が大きくて、辞めてしまうと大した問題ではないとわかります。
今、サラリーマンに戻りたいかと言われても、全然戻りたいとは思いません。
仕事ではリピーターを獲得することが大切
現在、仕事はクラウドソーシングを中心に獲得しています。
最初は安い仕事でも一生懸命に取り組んで成果を出し、その後リピーターになってくれたお客さまから、大きな受注が得られることもよくあります。
逆に、リピーターなしで単発の仕事を続けていくのは厳しいです。
リピーターを獲得できるか?を仕事を受ける時には特に重視しています。
多くの本を読んできたことが役に立っている
独立開業するにあたって身につけておいたほうが良いスキルは特にありません。スキルはなくてもなんとかなります。
もし、サラリーマン時代に何か一つやっていて良かったということがあるとすれば、それは読書習慣だと思います。
小説は時間がかかるのであまりたくさん読みませんが、ジャンルに関係なくたくさん本を読んでおいた方が良いと思います。
本を山ほど読んでおくと、色々な世界が頭の中で出来上がってくるので、目に見えるスキルではないですが、その場をなんとかしのぐ生命力が身につきます。
普段から本をたくさん読んでいると頭の中のライブラリーがあり、ふとした瞬間に活きるというのはあるのではないでしょうか。
事業用のメインバンクはネット銀行
ネット銀行には抵抗がなく、昔からPayPay銀行を使っていました。
個人事業主になるにあたって、楽天銀行の個人ビジネス口座を作りました。メインバンクは基本的にネット銀行です。
理由としては、私はATMに並ぶのが嫌いだということ、そしてすべての手続きがネットでできた方が楽だからです。
ネット銀行を使わない理由はないと思います。逆に、地方銀行などで口座を作るメリットを感じません。
特に、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスは、楽天銀行だと手数料も安いのでおすすめです。
確定申告はクラウド会計ソフトだけでできる
独立前の確定申告は手作業で行っていましたが、独立するにあたってクラウド会計ソフトのfreeeを使い始めました。
とても便利で気に入っています。最初からこれを使っておけば良かったとすら思っています。
freeeを使えば確定申告までできるので、今のところ税理士を入れる予定はありません。
最後にひとこと
製造現場を知っているので、システム開発専門のプログラマーよりは面白いものを提案できると思います。
もし、事業をやっていて目の前に何か困ったことがある人は気軽に相談してください。
次の記事:独立前に税金と社会保険の知識は身につけておいたほうがいい
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