会社経営で支払わなくてはならない税金リスト、予定納税は資金繰りの大敵

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税金

法人化すると、支払わなければならない税金が増えます。

あらかたの税率は「実効税率」と「消費税」で予測できるものの、納税時期になると納付書が何枚も届くので、気分的に落ち込みます。。。

今回は、会社を経営する上で支払う必要のある税金の種類を整理してみたいと思います。

企業が支払わなくてはならない6つの税金

税金は基本的に赤字決算であれば発生しません。

しかし、法人住民税の均等割や消費税など、一部の税金は利益に関係なく納付する義務があるので、キャッシュフローには気を配っておきたいところです。

法人税

法人税は企業が支払う最も代表的な税金のことで、個人でいう所得税に相当するものです。法人税は別名「法人所得税」とも呼ばれています。

近年、法人税率は世界的に引き下げの方向で動いており、日本も例外ではありません。経済活動を活性化するアベノミクスの影響もあり、法人税率は年々下がりつつある状況です。

記事執筆時点(2016年)では、資本金1億円以下の中小企業の法人税率は、

  • 課税所得が年800万円以下の部分:15%
  • 課税所得が年800万円超の部分:23.9%

となっています。

法人住民税

法人税は国税ですが、法人住民税は「地方税」となります。

法人住民税は「法人県民税(都道府県)」と「法人市民税(市区町村)」に分かれており、これらを合算したものを総称して「法人住民税」と呼びます。

東京23区に事業所を持っている場合は、「都民税」として一括で扱われますが、私の会社(大阪)のようにそれ以外の場所に事業所を構えている場合は、県民税と市民税は別々に通知が届くのが普通です。

計算方法としては「法人税割 + 均等割」を合計したものになります。

法人税割は赤字であれば税額は0円になりますが、法人住民税の均等割は固定費なので、赤字であっても支払わなければならない、いわば法人の維持費です。法人住民税の均等割は都道府県や市区町村によって異なりますが、概ね5万円~7万円となっています。

法人事業税

法人事業税も同じく「地方税」です。
個人事業主でいう「個人事業税」に相当するもので、課税所得に法人事業税率を掛けたものが税額となります。

法人事業税は都道府県によって税率が異なりますが、東京都の場合で、

  • 課税所得が年400万円以下:2.7%
  • 課税所得が年400万円~800万円以下:4.0%
  • 課税所得が年800万円超:5.3%

となっています。(記事執筆時点)

また、法人事業税の一種として「地方法人特別税」の存在があります。

地方法人特別税は、「地域間の税源偏在を是正する」目的で徴収されますが、東京都では令和元年9月30日までに開始する事業年度をもって廃止されました。(代わりとして、令和元年10月1日以後に開始する事業年度より、特別法人事業税が創設)

私が事業を行っている大阪では、記事執筆時点で「法人事業税 × 43.2%」が地方法人特別税額となっています。

消費税

ご存知、消費税です。
資本金1,000万円以下の中小企業は、会社設立後1期に関しては消費税の免税事業者となります。つまり、この間は消費税分はすべて利益になります。

2期目についても、

  • 特定期間の課税売上高が1,000万円以下
  • 特定期間の給与等支払額の合計が1,000万円以下

のいずれかの条件を満たすことによって消費税の納税は免除されます。

消費税は原則として「課税売上等に係る消費税額 - 課税仕入等に係る消費税額」で計算します。この計算方法を「原則課税」といいます。

一方で、課税売上高が5,000万円以下で、かつ簡易課税制度の適用を受けるという届出書を事前に提出していれば「簡易課税」によって消費税を計算することができます。

簡易課税制度は業種によって設定されている「みなし仕入率」を適用し、消費税額を算出する方法です。

詳細については税理士の方と相談することをおすすめしますが、簡易課税を選択することで節税ができる可能性があります。

中間納税に注意

ビジネスマン

会社を経営してみるとわかるのですが、税金には予定納税(中間納税)という仕組みが存在します。

これはわかりやすく言うと、「前期にこれぐらいの法人税が発生しているから、今期は前期と同等の法人税が発生するだろう。よってその半分ぐらいを先に納めてください」というもの。

前期に突出した利益が出たために納税額が極端に増えると、その水準での予定納税(中間納税)が求められてしまうので、資金繰りが極端に厳しくなります。中小企業の経営者と話していても、予定納税は大敵ということをよく聞きます。

このような場合に備えて、「中間決算(仮決算)を申告」することで、多額の中間納税を回避することができます。

前期に突出した利益が出た場合などはこの方法がおすすめですが、仮決算の作成に税理士費用などが発生するようであれば、金融機関からの短期資金の借入でカバーした方がコストは低く抑えられると思います。

本決算で前期並の利益が出ずに、中間申告で税金を納め過ぎている場合は、一定の利息を付けて還付してもらえます。

中間納税が求められる税金は、

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税(地方法人特別税)
  • 消費税

です。
中間期は予定納税に備えてキャッシュを潤沢にしておくことをおすすめします。

その他の税金

以上が経営をする上で発生する税金です。

その他にも、契約書等に貼り付ける印紙税や、不動産や固定資産の取得時に発生する税金、また固定資産税や自動車税は別途発生します。

何かとコストがかかる法人運営ですが、税理士などの専門家の知識も借りながらシンプルにやっていけば、一人で運営していくことも可能です。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
26歳の時に右も左もわからない状態で個人事業主になりました。2年後、株式会社クートンを設立し、現在10期目です。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「1億人の投資術」でも記事を書いています。

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