GMOあおぞらネット銀行 法人口座のメリット、個人事業主も口座開設OK
執筆者:川原裕也 更新:
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GMOあおぞらネット銀行は、普通銀行大手の「あおぞら銀行」と、ウェブサイトのドメイン事業国内No.1の大手IT企業「GMOインターネット」が共同設立したネット専業銀行です。
GMOインターネットといえば、ドメイン事業の「お名前.com」やショッピングカート「カラーミーショップ」、決済事業の「GMOペイメントゲートウェイ」などを展開していることでも有名です。
これらのサービスを利用している中小企業、個人事業主の方も多いと思います。
GMOあおぞらネット銀行の法人口座は、これらのビジネスサービスと銀行口座を連携し、最新のテクノロジーを駆使することで、業務効率を最大限に引き上げる役割を果たします。
もちろん、ビジネス口座は法人だけでなく、個人事業主でも口座開設が可能です。
セキュリティに徹底的にこだわって設計されているため、ネット専業銀行でありながら、メインバンクとしても活用できるのが特徴です。
この記事では、GMOあおぞらネット銀行のビジネス口座を利用するメリット・デメリットをくわしく取り上げます。
目次
高いセキュリティでメイン口座に使える
GMOあおぞらネット銀行の強みとなるのが、高いセキュリティによる安心感です。
ビジネス利用する銀行口座の場合、社員による不正利用や、ハッキングによる不正送金を心配する方も多いと思います。
しかし、GMOあおぞらネット銀行では「電子証明書」をはじめとするセキュリティ対策を徹底しており、億単位の資金でも安心して預けることができます。
繰り返しになりますが、ネット専業銀行とは言え、もともとは「あおぞら信託銀行」だったこともあり、ほかのネット銀行と比べても、より安心して利用できるのが特徴です。
電子証明書を無料で発行
「電子証明書」とは、利用端末(PC)を認識する仕組みのことです。
電子証明書を使うと、ID・パスワードだけでなく「あらかじめ登録されたパソコン」でしか振込などの操作ができません(利用は任意)。
つまり、もしID・パスワードが第三者に知られてしまっても、電子証明書(登録された端末)を持たないハッカーは、その後の操作ができません。
GMOあおぞらネット銀行では、電子証明書を無料で発行しています。
新規契約手数料はもちろん、更新手数料なども一切無料です。こうした高いセキュリティを無料で利用できるのは、ネット専業銀行ならではの強みと言えます。
もちろん、電子証明書の利用は任意ですので「利用しない」という選択もできます。
電子証明書を使わない場合、セキュリティは下がってしまいますが、ID・パスワードを使って、複数の端末やスマホから素早くアクセスできます。
認証アプリで安全性を強化
GMOあおぞらネット銀行は、2つのスマートフォンアプリを提供しています。
- 取引アプリ
- 認証アプリ
いずれのアプリもiPhone・Android対応で、無料で利用できます。
取引アプリでは、通常の銀行取引(残高照会、振込、定期預金・外貨預金の申し込みなど)が行えます。
アプリを使って送金することはもちろん、定期預金の預入・解約もスマートフォンから操作可能です。
取引アプリは「指紋認証・顔認証」に対応しているため、誤って第三者に利用される心配はありません。
認証アプリは、セキュリティ強化のためのスマートフォンアプリです。このアプリを使うことで、より安全に銀行取引を行うことが可能です。
送金や登録情報の変更といった重要な取引をする際、PCのID・パスワードに加えて認証アプリに表示される「第3のパスワード」を入力して取引を実行します。
スマホアプリの「第3のパスワード」を使うことで、万が一PCがウイルスに感染している場合でも、不正な取引を未然に防ぐことができます。
認証アプリは、現時点で非常に有効なセキュリティ対策と言われている「トランザクション認証」にも対応しています。
複数口座とビジネスIDで不正利用を防ぐ
最大19名分の追加口座を開設することで、複数の取引担当者に権限を付与できます。
この機能は、法人口座限定のサービスです(個人事業主の口座では非対応)。
たとえば、特定のグループに対しては、振込上限額を10万円までに設定し、別の取引担当者には30万円までの決済権限を与える。
また、データ入力を専門とする派遣社員には、残高照会の権限だけを設定し、取引は行わせない。
このような権限付与を、最大19名まで設定することが可能です。
また追加口座とは別にビジネスIDを設定しておくことで、取引担当者の不正を未然に防げるほか、万が一のトラブルが生じても「誰が、いつ取引をしたか」が把握できる仕組みになっています。
法人では、代表口座1つにつき19口座までの複数口座を開設することができます。
営業一部・営業二部といった部門ごとに口座を持たせたり、社長専用の口座を作りたい場合は、複数口座の開設がおすすめです。
口座を複数に分けておくことで、部門ごと、担当者ごとの取引内容がより明確になるため、経費の透明化や不正利用の防止にも役立ちます。
一方ビジネスID管理には申込みが必要ですが、取引上限金額を低めに設定したり、残高照会のみ操作可能にしたりといった、権限ごとのグループ分けも設定可能です。
※個人事業主はこのサービスを利用できません。
GMOあおぞらネット銀行では、
- 最大20の複数口座の開設
- 最大100名のビジネスIDの発行
いずれも、完全無料で利用できます。
法人利用に耐える高機能な振込システム
高いセキュリティと、柔軟な口座管理機能は、ビジネス利用で大いに役立つ、GMOあおぞらネット銀行の強みです。
しかし、GMOあおぞらネット銀行の最大の強みは「決済機能」にあります。
法人利用に十分耐えることのできる「高機能な振込システム」を提供しています。
手数料無料の総合振込
一度の手続きで最大9,999件に一括振込ができる「総合振込」が無料で利用できます。
振込手数料は以下の通りです。
- 当行あて:無料
- 他行あて:145円
※税込。以下すべて税込み。
(※2021年10月1日から:自行あて:無料、他行あて:(金額にかかわらず)一律145円に引き下げ!)
総合振込サービスでは、振込先の口座番号リストをCSVファイルで作成(エクセルなどで作成できます)し、アップロードして使います。
CSVファイルの作成が苦手な方や、アップロードの方法がよくわからない方でも安心です。
999件までの一括振込なら、総合振込サービスを使わなくても、GMOあおぞらネット銀行のWEB画面上で手続き可能です。
総合振込サービスは、ほかのネット銀行ビジネス口座でも提供しています。
しかし、「PayPay銀行」は有料サービスとして提供、「楽天銀行」は無料で使えますが、最大3,000件までの振込にしか対応していません。
初期費用・月額費用ともに完全無料であり、最大9,999件までの振込ができるのは、GMOあおぞらネット銀行ならではのメリットです。
業界最安水準の振込手数料
振込手数料をもう一度まとめます。
- 当行あて:無料
- 他行あて:145円
(※2021年10月1日から:自行あて:無料、他行あて:(金額にかかわらず)一律145円に引き下げ!)
振込手数料は、通常振込、振込予約、一括振込(1件あたり)、すべて共通です。
メガバンクや地方銀行の法人口座から他行あて振込を行うと、800円程度の手数料がかかるのが普通です。
しかし、GMOあおぞらネット銀行の場合、大手銀行と比べて3分の1以下のコストで振込できます。
もちろん、振込の手続きは24時間いつでもネットバンキングを通じて安全に行えます。
入金専用のバーチャル口座を作成できる
この機能は、法人・個人事業主ともに利用可能です。
GMOあおぞらネット銀行では、特定のお客さま専用の振込入金専用口座を「仮想口座(バーチャル口座)」として作成できます。
バーチャル口座の作成・利用も完全無料です。
たとえば、取引先Aには取引先Aの入金専用口座、取引先Bには取引先B専用の入金専用口座を用意。
顧客への入金専用口座を提供することで、お客さまからの信用をさらに高められます。
「どの口座にいくら入金されたか?」については、メイン口座からいつでも確認できるので、顧客からの支払い確認や消込作業を効率化できます。
振込入金専用口座には、誤振込防止機能(チェックデジット)を搭載しており、口座名義の変更も可能です。
また、バーチャル口座は簡単に作成・削除することができ、1ヶ月限定で稼動させるといった使い方もできます。
1契約あたり最大2,000口座まで発行できるので、顧客1人ごとに別々の入金口座番号を割り当てることも可能です。
各顧客から入金された資金は、自動的にGMOあおぞらネット銀行の普通預金口座(メイン口座)に振り返られます。
定額自動振込の登録件数は1,000件
毎月決まった振込先に定額の送金をする場合は、「定額自動振込」の利用がおすすめです。
あらかじめ、振込日または振込曜日を設定しておくと、その日に自動的に振込が実行されます。
オフィスの賃料や定期的な資金移動、定額の業務委託費用の支払いなどで使うと、業務効率をアップすることができます。
GMOあおぞらネット銀行では、定額自動振込の登録件数は最大1,000件です。
もちろん、利用無料のサービスです。また、99日先までの「振込予約」も行えます。
セブン銀行ATMで24時間の入出金に対応
GMOあおぞらネット銀行は「ネット専業銀行」です。
店舗となる窓口を持たないため、現金の入金・出金は提携ATMを通じて行います。
現在、提携ATMとして採用されているのは「セブン銀行ATM」と「イオン銀行ATM」「ゆうちょ銀行ATM」です。
セブン銀行ATMはセブンイレブンの店舗を中心に、全国に26,000台以上設置されており、原則として24時間いつでも利用可能です。
また、イオン銀行ATMも、イオンモールやミニストップなどを中心に、全国に6,000台以上設置されています。
ファミリーマート設置のゆうちょ銀行ATMも利用可能ですが、取扱時間はATMの設置場所により異なります。
ATMからの入金・出金には以下の手数料がかかります。
- 入金:110円 / 回
- 出金:110円 / 回
- 振込料金とくとく会員:月5回まで無料、6回目以降 110円 / 回
※振込料金とくとく会員とは、毎月末日に翌月分の月額利用料を支払うことでさまざまな優遇を受けられる法人向けサービスです。
現時点では入金・出金に使えるATMはコンビニATMとゆうちょ銀行ATMだけなので、少し不安を感じる方もいるかもしれません。
とはいえ、GMOあおぞらネット銀行は「あおぞら銀行」が設立に携わっています。将来的には、あおぞら銀行のATMも利用できるようになる可能性も十分考えられます。
外貨預金は1ドルから、米ドル為替手数料は3銭
GMOあおぞらネット銀行のビジネス口座では、
- 円普通預金
- 円定期預金
- 外貨普通預金
の3つの預金サービスを提供しています。
なかでも、外貨預金は8つの通貨を取り扱っており「1通貨」から申し込めるというメリットがあります。
1米ドルが100円の場合なら「100円」から気軽に外貨預金できるので、長期的に外貨への資産分散を考えている経営者の方にもおすすめです。
定期的に外貨預金を積み立てる「外貨積立」も500円から設定できます。
また、米ドルの為替手数料が3銭であり、低コストで外貨預金を始められるのも、GMOあおぞらネット銀行の隠れたメリットです。
円定期預金の金利も、法人口座としては業界最高水準です。
また、GMOあおぞらネット銀行の円定期預金は、最短で1ヶ月満期、最長では10年満期のものが選べるのも強みです。
余剰資金が生じたら、1ヶ月満期の短期の定期預金に入れておくだけでも、普通預金よりも高金利で運用することができます。
定期預金や外貨預金は、PCやスマホアプリから原則24時間申し込みできます。
10万円の融資枠を標準装備(法人口座限定)
GMOあおぞらネット銀行には、法人口座限定の「あんしん10万円」というサービスがあります。
創業時や起業して間もないころは何かと資金が不足しがちです。
「あんしん10万円」は、GMOあおぞらネット銀行の法人口座を開設した方に、標準で10万円の融資枠を提供するサービスです(もちろん利用は必須ではありません)。
借入利率はやや高めですが、決算書の提出や担保・連帯保証人などが一切不要で、申込み後すぐに利用することが可能です。
「数万円の経費の支払いを一時的に立て替えてもらいたい。」といったときに役立ちます。
利率が高くても、すぐに返済できれば支払利息は少額で済みます。すぐ使えるという利便性において、なにかとメリットのあるサービスだと思います。
書類提出などが不要ですぐに使える少額融資を標準付帯する法人口座は、私の知る限りGMOあおぞらネット銀行だけです。
1%キャッシュバックのVisaビジネスデビット
銀行キャッシュカードには、Visaデビット機能を搭載できます。
GMOあおぞらネット銀行のVisaビジネスデビットは、全国・世界のVisa加盟店で使えます。もちろん、ネット通販でも利用可能です。
Visaビジネスデビットで支払った金額は、即時にGMOあおぞらネット銀行のビジネス口座から引き落とされ、WEB明細で取引内容を確認できます。
また、カード利用金額の1%がキャッシュバックされるので、現金取引よりもお得です(※税金や公共料金、旅行の支払い等、一部キャッシュバック率が通常よりも下がる利用先があります)。
ビジネスシーンでは特に、広告費用の支払いに利用されることが多いのも特徴です。キャッシュバックによって、実質的に広告費を1%安くできます。
あらゆる取引をVisaビジネスデビットで支払うことで、実質的には利益率が1%改善することになります。
キャッシュバック率1%は、ほかの法人デビットカードと比べても極めて高く、これもGMOあおぞらネット銀行の大きなメリットとなっています。
なお、Mastercardビジネスデビットは1日当たりの限度額が1,000万円となっています。
通常の個人用口座では、Visaデビットのキャッシュバック率は0.6%です。
法人・個人事業主向けの口座では、それよりも0.4%、キャッシュバック率がお得になっています。
また、法人向けのVisaデビットには、最高1,000万円の第三者不正利用に対する補償がついているので、日常の取引でも安心して使えます。
利用限度額も「1日あたり最低1,000円から」自由に設定可能です。1日あたりの利用限度額を制限しておくことで、不正利用の被害を最小限にしておくことができます。
楽天銀行のビジネスデビットカード(JCB)も、キャッシュバック率は1%となっています。
しかし、楽天銀行のビジネスデビットカードには、「紛失・盗難時の不正利用に対する補償」が一切ありません。この差は大きいです。
GMOあおぞらネット銀行であれば、キャッシュバック率が高く、また安心してカード決済を行うことができます。
Visaビジネスデビットは、法人・個人事業主ともに発行可能で、発行手数料・年会費は無料です。
口座開設に必要な書類
GMOあおぞらネット銀行では、法人口座・個人事業主口座の申し込みに必要な書類が異なります。
書類の準備は少し大変ですが、不備がないよう、1点ずつ確実に用意します。
法人口座・個人事業主口座ともに、まず最初にWEB申し込みを完了させ、その後、郵送にて必要書類を送付します。
法人口座開設に必要な書類
WEBでの申込みを終えた後、郵送にて下記の書類をGMOあおぞらネット銀行に送付します。
- 口座開設申込書
- WEB申込時に出力されるものを印刷して提出します。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の原本
- 発行日から6ヶ月以内のもの。現在事項証明書などは受付不可です。
- 印鑑証明書の原本
- 公式サイトには記載されていませんが、通常はこちらも発行から6ヶ月以内のものが必要と思われます。
- 事業内容がわかるもの
- WEBサイトのURLの他、会社案内のパンフレットやチラシなどが使えます。
- 実質的支配者追加登録用紙
- 実質的支配者が6人以上いる場合のみ提出。個人経営の小規模法人の場合、提出は不要です。
- 法人番号通知書
- 発行から6ヶ月以内のもの。国税庁法人番号公表サイトにて取得できます。
- 取引担当者の本人確認書類
- 運転免許証や健康保険証、マイナンバーカード、パスポートなどが使えます。
上記の提出書類がGMOあおぞらネット銀行に到着後、最短1営業日で審査完了、その後最短2営業日でキャッシュカードを発送します。
早ければWEB申し込みからデビット付キャッシュカードの到着まで、4~5日程度で完了します。
創業間もない企業など、法人口座をいち早く開設したい場合にもおすすめです(大手銀行の法人口座開設は、通常2週間以上はかかります)。
なお、取引責任者の本人確認書類をセルフィー動画で提出できる場合、最短当日から口座の利用ができる即日口座開設の申込みが可能です。
セルフィー動画で提出をするには以下の条件を満たす必要があります。
・スマートフォンをお持ちの方
・代表者と取引責任者が同一
・取引責任者が本人確認書類として運転免許証、マイナンバーカード、在留カードのいずれか1点を保有している
個人事業主の口座開設に必要な書類
個人事業主がGMOあおぞらネット銀行のビジネス口座を開設するには、事前に「個人口座」の開設が必要です。
個人口座を開設した後に、「サービス利用状況」のページから「個人事業主の口座開設」を選択し、申し込みます。
WEB申し込み完了後、下記の書類を提出します。
個人事業主の口座開設は、A・Bをそれぞれ1点ずつ用意します。
A:
個人事業開業届出書、青色申告承認申請書、確定申告書、納税証明書など
B:
事業内容がわかるホームページのURL。または、会社案内のパンフレットやチラシなど。
個人事業主のビジネス口座では、必要書類を「アップロード」で提出できます(法人口座はアップロードまたは郵送)。
スマホのカメラで上記の必要書類を撮影し、アップするだけで申し込みは完了です。もちろん、必要書類は郵送にて提出することも可能です。
法人と個人事業主で支店名が異なる
法人口座と個人事業主の口座では、支店名が違います。
どちらもビジネス利用にふさわしい支店名となっているため、大切な取引でGMOあおぞらネット銀行を使っても恥ずかしくありません。
▼法人口座
- 101:法人営業部
- 102:法人第二営業部
- 110:法人第十営業部
▼個人事業主口座
- 201:ビジネス支店
- 202:ビジネス第二支店
- 210:ビジネス第十支店
ちなみに、GMOあおぞらネット銀行の個人口座の支店名は「うみ支店」「にじ支店」「しろ支店」などです。
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