請求書の作成を簡単に!管理や発送代行もできる請求書作成ソフト比較
執筆者:川原裕也 更新:
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売上が発生するのは嬉しいことですが、請求書の発送は面倒ではないですか?
ビジネスをしていると請求書や見積書、納品書を発行する機会がありますが、一社ごとに作成し発送しなくてはならないので、個人事業主の方は大変です。
中小企業でも売上が増えてくると請求書の管理だけで専任の担当者が必要になります。
しかし、請求書の発送や作成にかかる作業は直接的に利益に結びつかない仕事です。
本来であれば、私たちの24時間は利益に直結する、自分自身しかできないことにフォーカスすべきであり、売上や利益に関係のない仕事はアウトソーシングするのが理想です。
最近は請求書の作成・管理が簡単にできるだけでなく、作った請求書の発送代行をしてくれる会社まで登場しています。それも、送料込みで一通あたり200円以下。
最新の請求書作成ソフトを導入することは、自社で人件費をかけるよりも、アウトソーシングするよりも費用対効果が高いです。
目次
消費税の軽減税率にも対応!おすすめ請求書作成サービスを比較
令和元年10月から、消費税の軽減税率が導入されました。これまでは、あらゆる商品に一律の消費税率がかけられていました。
しかし、消費税の軽減税率が導入されると、品目によって消費税の税率が異なります。
当然、事業側はこれに対応する必要する必要がありますが、品目によって消費税が違う場合、これまでのようにエクセルやワードで請求書を作っていた方は、管理が大変になります。
そこに新たな管理コストをかけるのは損です。請求書作成ソフトを使えば、消費税の軽減税率も気にすることなく、サクサクと請求書の作成、発送を行うことができるようになります。
ここでは、人気の請求書作成サービスを10個紹介します。
最近は「クラウド型」のソフトが主流となりつつあります。こうしたソフトは、社印を登録しておけば自動的に請求書に貼り付けることもできますので、社印入りの請求書も簡単に作れます。
Misoca(ミソカ)
個人的にはもっともおすすめしたい請求書作成ツールで、私の会社でも導入しているのがMisoca(ミソカ)というサービスです。
スタートアップベンチャー企業が提供しているサービスだったのですが、その後、弥生会計などで知られている「弥生(やよい)」(弥生株式会社)に買収されました。
WEBブラウザで管理する「クラウド見積・納品・請求書サービス」なので、パソコン内にデータを保存することなく、請求書のデータは堅牢なMisocaのサーバーに保存されます。
金融機関で採用されている256bit SSL、自動バックアップ、Amazon Web Servicesの導入により、保存データを安心・安心に守ります。
もちろん、作成した請求書を自分のPCに保存したい場合は、PDFファイルでのダウンロードも可能です。
Misocaの素晴らしいところは、4つのプランすべて初めの1年間は無料で使えることです(無料プランは次年度以降も無料で利用できます)。
請求書・見積書・納品書の作成、管理が楽になり、起業したばかりでコストを抑えたい自営業者にとっては特におすすめです。
請求書や見積書にはあらかじめテンプレートが用意されているので、私たちは商品単価等の数値を入力するだけです。
毎月の請求書の自動作成や、取引先の登録機能があるので、同じ取引先への請求書ならサクサクと作れます。
先ほども少し触れましたが、作った請求書は簡単にPDFファイルとしてダウンロードできるほか、ワンクリックで請求書を取引先に郵送する「郵送代行サービス」も提供しています。
私たちは「請求書を折り、封筒に入れて、ポストに投函する」という作業から解放され、請求書を作ってすぐに発送までできるので、とても楽です。
Misocaは発送代行手数料も業界最低水準となっており、1通あたり176円(税込)と格安です。
封筒代や切手代、そして時間コストなどを考えると、この料金はコストパフォーマンスが高いと思います。
作成した請求書は画面で管理することができ、毎月の売上レポートや消込機能も使えます。
もちろん、発送代行サービスを使わなくても、請求書の作成・管理機能だけで十分なほど使えます。
Misocaはすでに登録ユーザー数50万以上の事業者に愛用されている人気サービスです。私も日常的に利用しており、自信をもっておすすめできます。
マネーフォワードクラウド請求書
最近、もっとも勢いがあるのがマネーフォワードクラウド請求書です。
マネーフォワードMEという家計簿アプリを作っている会社のサービスで、ビジネス向けにクラウド会計などのツールも提供しています。
基本的な機能はMisocaと同じです。データは堅牢なサーバーで安全に管理され、自動バックアップも行われるので安心して請求書のデータを保管できます。
すぐに使えるあらゆる業界に対応したテンプレートが数多く用意されているので、パソコンが苦手な事業者でも簡単に請求書の作成が可能です。
また、毎月の取引先に対しては、請求書の自動作成機能が使えますし、複数のメンバーで請求書を安全に管理できたり、郵送での請求書の発送代行サービスも行っています。
マネーフォワードクラウド請求書の強みは、同社が提供している会計ソフト「マネーフォワードクラウド会計」との連携です。
両者を連携させることで、請求書を発送した相手の売掛金が入金されると、自動的に消込を行ってくれるので、入金確認をする手間が省けます。
マネーフォワードクラウドは、複数のビジネスツールからバックオフィスに必要なサービスを選択して組み合わせることができます。
会計ソフト(確定申告ソフト)なども含めて、複数のビジネスツールを一括導入したい方にとっては特にメリットがあります。
▼個人事業主向け
機能 | パーソナルミニ | パーソナル | パーソナルプラス |
---|---|---|---|
請求書作成ツールの機能 | 一部のみ | すべて使える | すべて使える |
月額利用料 | 1,408円 | 1,848円 | — |
年額利用料 | 11,880円 | 16,896円 | 39,336円 |
メンバー追加/権限管理 | 不可 | 無制限 | 無制限 |
郵送費用 | 209円/通 | 187円/通 | 187円/通 |
API連携 | 100件/月 | 無制限 | 無制限 |
その他:「パーソナル」「パーソナルプラス」では、回収消込、帳票のCSVアップロード、販売管理台帳、郵送・メール送信の一括操作機能が使えます。
※税込です。
▼法人向け
機能 | スモールビジネス | ビジネス |
---|---|---|
請求書作成ツールの機能 | 一部のみ | すべて使える |
月額利用料 | 4,378円 | 6,578円 |
年額利用料 | 39,336円 | 65,736円 |
メンバー追加/権限管理 | 3名まで | 無制限 |
郵送費用 | 198円/通 | 187円/通 |
API連携 | 100件/月 | 無制限 |
※税込です。
マネーフォワードクラウドでは、基本料金にプラスしてクラウド会計、クラウド給与、クラウドマイナンバーなどを従量課金で利用することができます。
よって、請求書作成ツール単体では料金のコストパフォーマンスの良し悪しは判断しにくいと思います。
マネーフォワードクラウド請求書を使うようになってから、大幅なコストダウンが実現できたとのデータもあります。
表計算ソフトによる請求書作成・郵送から切り替えた場合、人件費・郵送費削減によって年間約98万円のコスト削減効果が期待できます(月間請求書枚数が303枚の場合)。
マネーフォワードクラウドシリーズで統一して使う人にとって、使い勝手は抜群に良いことは間違いなく、非常に注目しています。
利用者も拡大しており、シリーズ累計導入社数は10万社を超えています。
freee(フリー)
クラウド型会計ソフトとして個人事業主にも評判のfreee(フリー)が提供する請求書作成機能。
会計ソフトとの連携機能が使えるのがメリットです。請求書作成サービスはクラウド会計freeeに組み込まれており、実質無料で提供しています。
freeeと連携すると、作成した請求書が自動的に売掛金として帳簿に登録できたり、入金された売掛金を自動的に消込処理してくれるので、会計業務の効率が大幅に上がります。
請求書だけでなく、見積書や納品書も作成可能です。
freeeは個人事業主なら月額1,628円(年額なら12,936円・税込)から使えるプランもあります。法人ではマネーフォワードクラウド会計が人気のようですが、個人事業主を中心に45万事業者での導入実績があります。
請求書の作成機能は会計ソフト(確定申告ソフト)freeeを使わなくても、無料アカウントに登録するだけで利用できるので、「請求書を簡単に作成し管理できればそれでよい」という方にはおすすめのソフトです。
ただし、無料アカウントの場合は「1ヶ月前のデータが見れない」、「書類写真データ取込が月5枚まで」という制限が付きます。※2024年1月15日以降の新無料プランでは、これらの機能は使えないことになりました。
請求書の作成だけなら無料なのですが、その後の請求書管理をするためには有料プランへの移行が必要になりそうです。
仮に1ヶ月を経過したあとに有料プランにアップグレードすると、それまで非表示になっていた発行後1ヶ月以上が経過した請求書のデータも閲覧できるようになります。
また、新しい機能として請求書の発送代行サービスが1通187円(税込)で提供されています。
送料が業界最安水準であることも、freeeの請求書作成機能が持つ強みです。
Square(スクエア)請求書
Square(スクエア)は、簡単にクレジットカード決済が導入できるサービスです。
すぐにカード決済を導入できる手軽さから、多くの個人事業主・小規模店舗の事業者に利用されています。
Squareの月額利用料は無料で、必要な費用は「カード決済手数料」のみ、コスト負担も小さくて済みます。
また、Squareは最新のテクノロジーを使った「POSレジアプリ」や「データ分析機能」などのソフトウェア製品も無料で提供しています。
ソフトウェア製品の一つである「Square請求書」ももちろん、無料で利用可能です。
Square請求書では、パソコンやSquareのPOSレジアプリ(無料)から、誰でも簡単にきれいな請求書を作成できます。
作成した請求書はプリントアウトして相手に渡したり、取引先にメールで送信できます。
請求書作成ツールとして、発行した請求書の管理システムや消込機能も完備しています。
これまで、エクセルなどで請求書を作成・管理していた方にとっては、圧倒的な生産性の向上が期待できます。
Square請求書の優れている点は、「請求書にクレジットカード決済URL」を付けられることです。
手元に現金がない顧客でも、クレジットカードで簡単に支払いができるため、相手先の利便性が向上し、自社の資金回収サイクルも早められる可能性が高まります。
繰り返しとなりますが、Square請求書の月額利用料は無料です。
月額3,000円をプラスしてアップグレードすることもできますが、無料プランでも請求書送信は無制限、送信先(顧客)の上限数もありません。
顧客がクレジットカード決済を選んだ場合のみ、支払額の3.25%の手数料がかかります(現金や銀行振込で支払った場合は完全無料です)。
簡易な請求書作成ツールとは異なり、継続課金にも対応していますので、顧客への負担や回収漏れも最小限に抑えられます。
MakeLeaps(メイクリープス)
MakeLeaps(メイクリープス)は、有料契約実績5,400社以上が利用するクラウド型の請求書作成ソフトです。
基本機能はしっかりと提供されており、商品や取引先情報を登録しておけば、数字の入力だけで簡単に請求書を作成できます。
また、権限を設定して複数人で請求書の作成・管理ができるので、社員Aは請求書の作成だけ、社員Bは請求書と入金状況の確認だけといった作業分担も可能です。
MakeLeapsの料金プランは以下の通りです。
プラン | 個人プラン | 法人プラン |
---|---|---|
月額料金(1ユーザーあたり) | 660円 | 1,100円 |
郵送代行サービス | 174円/通 | 174円/通 |
※税込です。
※個人プランは最大ユーザー数3名まで、取引先数(書類の宛先数)10社までとなります。左記を上回る場合は法人プランへの移行が必要です。
※法人プランは、取引先数(書類の宛先数)が10社を超えると、1ユーザーあたりの月額料金が上がる従量課金制を採用しています。
家計簿ソフト「マネーツリー」との連携によって、発送した請求書に入金があった場合にその情報を自動的に取り込み、消込(請求書の処理)を行うことができます。
MakeLeapsは現在、株式会社リコーの100%子会社です。セキュリティ認証のTRUSTeも取得しており、多数の大手企業に採用されています。
CTO(最高技術責任者)が外国人であることもあってか、外貨やバイリンガルにも対応。海外顧客への請求書作成にも使えるソフトです。
また、作成できる書類も豊富で、見積書、発注書、注文請書、納品書、請求書、領収書の作成が可能です。
ツカエル見積・請求書オンライン
「ツカエル」シリーズの会計ソフトなどを開発している株式会社ジョブカン会計(旧:ビズソフト株式会社)が提供するクラウド型の請求書作成サービス。
クラウド型なのでタブレットやスマホでも請求書の管理や閲覧、作成が可能です。請求書だけでなく、概算見積書、見積書、納品書、領収書が簡単につくれます。
ツカエル見積・請求書オンラインは、無料の試用期間は存在しますが基本的に利用は有料です。
月額550円(年額5,500円)のスタンダードプランは書類の作成機能のみ、月額1,100円(年額11,000円)のプロプランは合計請求書や入金伝票にも対応します(いずれも税込)。
書類の発送代行サービスは提供しておらず、多機能ではありませんが、シンプルで使いやすい請求書作成サービスです。
楽楽明細
レンタルサーバー事業などを手掛ける株式会社ラクスが提供する楽楽明細は、請求書の発送代行手数料が204円~のクラウド型の請求書作成サービスです。
請求書や納品書だけでなく、給与明細や支払明細の発行など、総合的な帳票ツールとなっています。また、エクセルなどで作成したデータを取り込んで、WEB上の顧客専用ページで閲覧できる機能もあります。
郵送代行機能は1通あたり204円~ですが、枚数やカラー印刷といった条件によって料金は変動します。
ただし、楽楽明細は初期費用110,000円~、月額費用27,500円~(いずれも税込)なので、フリーランスや個人事業主向けというよりは、一定の規模感がある中小企業以上が対象となっている印象です。
請求書などのWEB帳票の発行件数に応じて月額費用が段階的に増える従量課金制となっており、発行件数が増えるほど1件あたりの作成単価は安くなる仕組みです。
Zohoインボイス(ゾーホーインボイス)
さまざまなクラウド型ビジネスツールを無料で提供し、一部のフリーランスや自営業者を中心に根強い人気を誇るZoho(ゾーホー)シリーズ。海外の企業が提供しているサービスですが、すべて日本語訳されているので問題なく使えます。
郵送代行サービスはありませんが、請求書や見積書の作成機能はしっかりと備えています。
作った請求書を取引先にメールで送信したり、入金のあった請求書についてはワンクリックで消込作業ができる、また発行した見積書を請求書に変換するといった機能があるので、一般的な利用の範囲ならZohoインボイスで十分対応できます。
Zohoインボイスは、完全無料で複数通貨対応、多言語対応も無料で対応できます。モバイルアプリ(iOS、android)にも対応しています。
外貨やバイリンガルにも対応、売上レポートや繰り返し請求といったすべての機能が無料プランで使えるのがZohoインボイスのメリットです。
Zohoインボイスは年間請求書500件、登録ユ-ザー2組織、3案件まで無料です。個人事業主の方などで、もし無料の範囲内で収まりそうなら、おすすめできる請求書作成サービスの一つです。
請求管理ロボ
請求管理ロボは、自動化・オートメーション化を活用したサービスを手がけている株式会社ROBOT PAYMENTのwebサービスです。
請求書の作成・発行を自動的に行うことができ、PDFでの送付から郵送まで幅広く対応します。
毎月決まった請求書を発行しているようなケースにおいて、請求管理ロボは力を発揮します。
「請求書の発行 → 集金 → 消込 → 期日までに支払いが行われない場合は催促」までの請求業務の一連の流れを自動化してくれます。
請求業務を自動化することで、業務効率化につながるだけでなく、ミスも大きく減りビジネスにおいて顧客との信頼を確実に築くことができます。
やよいの見積・納品・請求書24+クラウド
最後に、クラウド型ではないタイプのソフトを紹介します。
ビジネスツールでは有名な「弥生」が提供しているやよいの見積・納品・請求書24+クラウドは、自社のパソコンにインストールして使うソフトです。
税制改正などに対応するには、定期的なアップグレードが必要となることや、請求書の管理を自社パソコンで行う必要があったり、発送代行サービスが提供されていない点でクラウド型に劣ります。
ただし、「+クラウド」機能でスマート証憑管理、データバックアップサービスなどを利用することができます。「+クラウド」機能を利用するには「あんしん保守サポート」への加入が必要です。
「弥生」ブランドであることや長年ビジネスツールを開発してきた実績から、その完成度は高く個人事業主や中小企業を中心に利用している事業者も多いです。
「あんしん保守サポート」付き初年度優待価格
- セルフプラン付き:6,050円
- ベーシックプラン付き:6,050円
- トータルプラン付き:20,570円
※税込。
となっており、「あんしん保守サポート」が1年間無料または特別価格で使えます。
ソフトの機能自体は統一されており、「サポートの差」があるだけです。なおトータルプランには消費税改正業務相談もつきます。
エクセルやワードで請求書や見積書を作成するよりも手軽にできる専用ソフトが欲しいという方におすすめです。
ちなみに、前述しましたがクラウド型請求書作成サービスの「Misoca(ミソカ)」は現在、弥生の傘下となっています。両方試してみて使いやすい方を選ぶのもよいと思います。
業務コストの削減につながる
私も昔はワードやエクセルを使って請求書の作成や管理を行っていましたが、やはり数が増えてくると大変です。
いつの間にか請求期限が過ぎて入金されていない取引を見過ごしていたり、、、
しかし、専用のツールを導入してからは請求書作成の時間が大幅に削減できただけでなく、入金後の処理もスムーズに行えるようになったので、管理もきちんとできるようになりました。
業務効率化やコスト削減を考えている事業者に、請求書作成ソフトの導入は非常におすすめです。
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