マネーフォワードクラウド資金調達は中小企業・個人事業主の資金調達の選択肢になる
執筆者:川原裕也 更新:
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※マネーフォワードクラウド資金調達は2020年7月31日をもってサービスを終了しました
私の会社でも使っているマネーフォワードクラウド会計は、安価な利用料で大変便利なクラウド型会計ソフトを提供しています。
また、マネーフォワードクラウド会計を開発しているマネーフォワード社は、一般消費者向けの家計簿アプリ「マネーフォワード」を開発していることでも有名です。
こちらに至っては基本無料で使うことができ、350万ダウンロードを超えているほど人気です。
なぜここまで便利なサービスを安価に提供できるのか、そのヒントの一つとなるのが「マネーフォワードクラウド資金調達」の存在です。
一言で言うと「中小企業向け融資」をマネーフォワード社は展開しようと考えています。
目次
最短即日で融資、新しい資金調達の手段
金融機関から資金調達をしたことがある人は、審査に長い時間がかかってしまうスピード感にうんざりしたことはありませんか?
担当者に資金調達の要望を出しても、そこから稟議・審査が必要となるため、どうしても借入に1ヶ月程度はかかります。また、決算書などを含め、提出書類の準備も面倒です。
マネーフォワードクラウド資金調達は、融資の審査をスピーディーに行います。
事前にデータを連携しておくことで、銀行借入が必要になった時に、WEBで申込するだけですぐに、融資可否の審査をおこなってくれます。もちろん、提出書類も不要です。
マネーフォワードクラウド資金調達なら、最短即日の審査・融資実行が可能です。
もちろん、審査してくれる金融機関は1社だけでなく、マネーフォワードクラウドが提携している複数の金融機関なので、最も条件のよい金融機関からの借入が可能です。
マネーフォワードクラウド会計(または確定申告)を使っていない事業者でも、マネーフォワードクラウド資金調達は利用可能です。
個人事業主でも利用可能
マネーフォワードクラウド資金調達は法人だけでなく、個人事業主でも使えます。
ただし、事業資金の融資サービスなので、個人の消費者ローンとしては使えません。
さっそく使ってみました
マネーフォワードクラウド資金調達は、提携金融機関に自社のデータを共有することからスタートします。
もちろん、自社の大切なデータは高いセキュリティで守られているので安心です。
具体的には、
- 銀行口座データ
- 売上データ
- 事業所データ
などを提供します。
金融機関はそれらのデータを元に審査し、融資条件を提示します。
すでにマネーフォワードクラウド会計などを利用している場合は、銀行口座や売上のデータはマネーフォワードクラウド上に保存されているので、改めて共有する必要はありません。
銀行口座データ
マネーフォワードクラウド会計を使って連携した銀行口座のデータが共有されます。
売上データ
マネーフォワードクラウド請求書を使って請求したデータが共有されます。
事業所データ
必要項目を埋めるだけで完了します。
上記3つのデータをすべて金融機関に共有すると、「データ連携率」が100%になります。
データ連携率とは?
マネーフォワードクラウド資金調達では、連携しているデータの数や種類によって、事業所の審査申込可能なファイナンス商品が増えていく予定です。資金調達の選択肢を増やすために、データ連携率をあげましょう。
融資(ファイナンス)の希望額を入力すれば、借入可能な銀行や条件等が示されます。
マネーフォワードクラウド資金調達の仕組み
マネーフォワードクラウド会計(またはマネーフォワードクラウド確定申告)を運営しているマネーフォワード社は、膨大な顧客の会計データを保有しています。
マネーフォワードクラウドが保有する帳簿のデータはリアルタイム性が高く、事業者の現在の業績を反映している可能性が高いので、スピーディーな審査に活用できるのです。
実際に審査を行うのはマネーフォワード社ではなく、提携金融機関です。
1.マネーフォワードクラウド利用者はあらかじめ、提携金融機関に自社データを提供しても良いと承諾しておく。
2.資金調達をしたい時、希望する借入額と借入期間を入力して審査依頼を送信。
3.マネーフォワードクラウドが帳簿データと共に資金調達の依頼を複数の提携金融機関に送信。
4.金融機関は確度の高い帳簿データを使って審査できるので与信判断が行いやすい。
5.顧客側は複数の金融機関に同時にアプローチできる他、書類を用意する手間が省ける
マネーフォワードクラウド資金調達の仕組みを使えば、これまで手続きが面倒だった資金調達もより簡単に、そしてより迅速に行うことができます。
また、複数の提携銀行に同時に打診できるので、競争が働きやすいというメリットもあります。
ビジネス向けクラウドサービス『マネーフォワードクラウドシリーズ』のユーザーが、『マネーフォワードクラウド会計』などのデータを活用して、金融機関からの資金調達をシームレスかつ迅速に行うことを可能にするサービスです。
多くの銀行と提携しているマネーフォワード
マネーフォワード社はすでに多くの銀行と提携・連携しています。マネーフォワードクラウド資金調達にはこれらの銀行が絡んでくることが予想されます。
資本業務提携先
静岡銀行、山口フィナンシャルグループ(山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行)、東邦銀行、クレディセゾン
業務提携先
住信SBIネット銀行、群馬銀行、滋賀銀行、福井銀行
その他、連携先
みずほ銀行、GMOペイメントゲートウェイ
※記事執筆時点
マネーフォワードクラウド資金調達の提携先は今後もどんどん増えてくることが予想されます。
マネーフォワードクラウド資金調達はトランザクションレンディングに近い
「トランザクションレンディング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? トランザクションレンディングは最近話題の「フィンテック」の代表的な活用方法として注目されている融資手法です。
例えば、クレジットカード決済会社は、クレジットカード支払いによって発生したお店の売上金を一時的に預かることになります。
また、Amazonや楽天にネットショップを開業すると、売上は一時的に楽天などに預かられた後に、店舗オーナーに払い出されます。
つまり、Amazonや楽天にとっては、
- 店舗オーナーの売上が把握できる
- 売上を一時的に預かる立場にある
という2つのメリットがあります。
これを活用して、その店舗の売上高に基づいて融資の審査を行い、運転資金を融資し、一時的に預かる売上から回収するという方法が活用できます。
これなら、万が一返済が滞った場合でも、売上という担保があるため、楽天やAmazonは融資の貸し倒れを避けられます。
従来の金融機関は事業者の業績などに基づいて審査をしていましたが、上記の方法であれば売上が担保と返済余力の証明になります。これが、トランザクションレンディングという新しい融資方法です。
あわせて読みたい:
トランザクションレンディングとは?フィンテックで実現する融資サービス
いずれも、確実度の高いデータがトランザクションレンディングの「核」となっています。ビッグデータ時代だからこそ生まれたと言えますね。
複数の金融機関との提携を開始
マネーフォワードクラウド資金調達の第一弾として、マネーフォワードはGMOイプシロンとの提携を発表しました。
GMOイプシロンは、GMOペイメントゲートウェイの子会社で、トランザクションレンディングなどの先進的な融資サービスを提供しています。
マネーフォワードクラウドの請求書や会計帳簿のデータを活用し、GMOイプシロンの与信審査に活かすという取り組みです。
この提携により、マネーフォワードクラウド会計を利用する個人事業主や中小企業は、書類の提出が不要、最短即日で審査回答、無担保・無保証の融資が受けられます。
融資実行は初回利用で最短5営業日、2回目以降は最短2営業日となっており、銀行借入とは比較にならないほどのスピードです。
商品ラインナップは今後拡充していく予定ですが、現時点では下記のような内容となっています。
GMOイプシロン トランザクションレンディング
審査結果:最短即日
借入期間:6ヶ月
金利:年4.5% ~ 13.5%
融資可能金額:最大300万円
担保:無担保・無保証
※個人事業主の利用も可能
福岡銀行
福岡銀行もマネーフォワードクラウド資金調達に参加しています。
最大金利が年率12.5%と低めになっています。
また、ふくぎんビジネスローンの大きなメリットとして「個人事業主でも申込ができる」ことがあげられます。
通常の「ふくぎんビジネスローン ファストパス」は、福岡銀行の営業エリアで事業を展開している事業者しか利用できません。
しかし、マネーフォワードクラウド資金調達経由であれば、全国どこからでも融資の申込が可能です。
ふくぎんビジネスローン ファストパス
審査結果:最短即日
借入期間:12ヶ月未満
金利:年5.0% ~ 12.5%
融資可能金額:最大1,000万円
担保:無担保・無保証
※個人事業主も申込可能
フィンテックで期待されるサービスが続々
今回は、マネーフォワードクラウドの取り組みを紹介しましたが、クラウド会計ソフトのfreeeもPayPay銀行と提携して事業融資のサービスを開始しています。
また、マネーフォワードクラウド資金調達は提携金融機関との取り組みですが、マネーフォワード自身も独自の融資サービスをスタートしています。
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