法人・個人事業主向けのガソリンカード比較、給油値引きが最も高いカードを探す
執筆者:川原裕也 更新:
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ビジネスで営業車・運送車を使うことが多い事業者にとって、ガソリン代は利益を圧迫する原因です。
給油時に値引きが受けられる「ガソリンカード」を使うことで、経費を大きく削減できます。
また、一部のクレジットカードでは、会員価格で給油できるだけでなく、キャッシュバックや請求時の値引きといった追加特典を提供しています。
今回は、おすすめできるお得なガソリンカードを比較してみました。
なお「法人ガソリンカード」と書いていても、実際には個人事業主でも問題なく申し込めます。
目次
年会費無料のガソリンカード
法人向けのガソリンカードには、
- ガソリンスタンド公式のカード
- 年会費無料で使えるカード
の2種類があります。
お得度では「ガソリンスタンド公式」のものが勝りますが、「年会費無料で使える法人ガソリンカード」は審査不要で持てるため、創業まもない法人・個人事業主にも人気です。
どちらかというと、後者の方が持ちやすいため、人気があると感じます。
法人ガソリンカード:高速情報協同組合
- 個人事業主でも申込み可能
- クレジット審査なしで持てる
- 年会費無料で持てる
法人向けのガソリンカードで特に人気なのが、高速情報協同組合が発行する「法人ガソリンカード」です。
年会費無料で使うことができ、また発行時のクレジット審査がないことから、起業したばかりの会社でも持つことが可能です。
なぜ審査がないのかというと、法人ガソリンカードは「特定のガソリンスタンドのみで使えるハウスカードだから」です。このカードは、通常の買い物には使えない「給油専用のカード」です。
また、利用可能なガソリンスタンドも限られています。
- エネオスだけで使えるカード
- 出光だけで使えるカード
どちらを選択しても構いませんが、個人的には「ENEOS(エネオス)」で使えるカードがおすすめです。(店舗数が多いため)
エネオス・出光のカードを両方発行することはできず、どちらか一方のみを選択する必要があります。(ただし途中で切り替えることは可能)
また、従業員用にカードを複数枚発行できるので、数多くの営業車・運送車を抱える法人にとっては使い勝手の良いカードになると思います。
レギュラー・ハイオクと言ったガソリンだけでなく、軽油の支払いにも使えるため、個人タクシーなどを営んでいる方にとっても、メリットが大きいです。
給油価格は全国のENEOS・出光の平均価格として計算し、後日まとめて請求されます。
全国平均価格での請求となるため、「価格の安いガソリンスタンドで給油しなくては」という点を気にする必要がありません。(価格が高いお店、安いお店で入れても同じということです)
ただし、「法人ガソリンカード」を発行するためには「高速情報協同組合」に加入する必要があり、加入時に出資金として1万円の支払いが必要です。
この出資金は、高速情報協同組合を脱退するときに返金してもらえます。
また、出資金は1社につき1万円なので、最初に1万円だけ支払っておけば、あとは何枚でもビジネス用のガソリンカードが無料で作れるようになります。
- 履歴事項全部証明書、代表者の身分証明書のコピー(法人)
- 確定申告書のコピー、代表者の身分証明書のコピー(個人事業主)
- 出資金1万円 / 1社(組合の脱退時に返金)
※クレジット審査はありませんが、組合による所定の審査があります
ガソリンカード:ETC共同組合
- 個人事業主でも申込み可能
- クレジット審査なしで持てる
- 年会費無料で持てる
こちらのガソリンカードも、上記で取り上げた「法人ガソリンカード」と基本的に同じです。
発行元が「ETC協同組合」という点で異なります。(先ほどのカードは、高速情報組合が発行)
カードのスペックもまったく同じです。ENEOSだけ、出光だけで使えるカードを、クレジット審査不要、年会費無料で発行できます。
ただし、入会にあたっては「ETC協同組合」に加入しなくてはならないため、最初に一度だけ1万円を支払う必要があります。この出資金1万円は脱退時に返金されます。
年会費は無料、入会時の費用も解約時には払い戻されるため、実質無料で利用可能です。
全国平均のガソリン価格で後日請求するという点も同じです。平均価格を採用してくれるので、わざわざ価格の安いガソリンスタンドを探す手間がはぶけます。
申し込みからカード発行までの手順は以下の通りです。
- WEBより申し込み
- 郵送で申込書が届く
- 申込書と添付書類を返送し、出資金1万円を払い込む
ガソリンスタンド公式のビジネスクレジットカード
ガソリンスタンドが発行する公式クレジットカードは、給油時に値引きが受けられます。(会員価格での給油)
加えて、クレジットカードならではの「請求時の値引き」も受けられるので、ダブルでお得です。
ただし、少なからず年会費がかかってしまうのがネックです。
年会費の支払いを考慮しても、メリットが見いだせるくらい給油量が多い事業者にとってはこちらのほうがお得になります。
もちろん、こちらのクレジットカードも個人事業主での申込みが可能です。
シナジーJCB法人カード
- エッソ・モービル・ゼネラルでお得
- クレジットカード利用金額に応じた給油値引き
- 月7万円の経費利用で最大10円/リットルの値引き
シナジーJCB法人カードは、全国のエッソ・モービル・ゼネラルでの給油時にメリットが出せるクレジットカードです。
一般的なクレジットカードなので、入会審査があり、年会費もかかります。
年会費以上の恩恵を受けられるかどうかが、選ぶ上で大切なポイントになります。
また、上記で取り上げた「審査不要のガソリン専用カード」とは違い、全国のJCB加盟店にて支払いに使うことも可能です。
つまり、ガソリンの給油以外にも、コンビニやスーパーでの利用、ネット通販などで事業経費の支払いなどにも使えます。
加えて、ETCカードも発行可能です。
ETCカードは入会金・年会費無料で何枚でも発行できるので、社員用にカードを持たせておきたい事業者にもおすすめです。
シナジーJCB法人カードの年会費は、
- 一般カード:2,200円(追加カードは1枚につき2,200円)
- ゴールドカード:11,000円(追加カードは1枚につき3,300円)
です。(いずれも税込)
ゴールドカードの方が年会費が高い分、旅行保険やショッピング保険、空港ラウンジ利用サービスなどが充実している他、ガソリンの給油値引き額も高くなっています。
上記の年会費を踏まえて、給油値引き額を確認します。
カードの月間利用額 | 一般カード | ゴールドカード |
---|---|---|
7万円以上 | 10円引き | 7円引き |
5万円以上~7万円未満 | 8円引き | 5円引き |
2万円以上~5万円未満 | 6円引き | 3円引き |
1万円以上~2万円未満 | 5円引き | 2円引き |
1万円未満 | 4円引き | 1円引き |
※1リットルあたりの値引き額です
※クレジットカードの利用金額は前月ベース
※給油値引き単価は当月ベース
前月のクレジットカードの利用金額が大きくなるほど、今月の1リットルあたりのガソリン値引き額が大きくなる仕組みです。
ガソリンは、クレジットカードの請求時(翌月10日)に値引きされますので、給油したときにその場で割引を受けるわけではありません。
「毎月のクレジットカードの利用金額」は、ガソリンスタンドでの給油の他、一般的な経費の支払いや水道光熱費、携帯電話の通信料なども含まれます。
つまり、毎月7万円以上の経費をシナジーJCB法人カードで支払えば、翌月の給油額が1リットルあたり7~10円引きになるということです。
個人の場合はともかく、法人では毎月7万円以上の経費を使う会社が多いと思います。
シナジーJCB法人カードの特典である「給油値引き」を最大にするためのハードルは決して高くありません。法人であればゴールドカードを持つメリットも十分あると思います。
シェルビジネスカード
- 昭和シェルでお得
- クレジットカード利用金額に応じてキャッシュバック
シェルビジネスカードは、昭和シェルの給油でお得なガソリンカードです。
前述した「シナジーJCB法人カード」と同じ、JCBが発行していることから、基本的なスペックは同じです。
ただし、年会費とキャッシュバックの仕組みが異なります。
シナジーJCB法人カードは、請求時に給油単価の値引きを実施する仕組みでしたが、シェルビジネスカードは、キャッシュバックによって還元します。
年会費は以下の通り。
- 一般カード:1,375円(追加カードは1枚につき1,375円)
- ゴールドカード:11,000円(追加カードは1枚につき3,300円)
※税込
※一般カードは初年度無料で使えます。
シナジーJCB法人カードと比較して、シェルビジネスカードの方が、一般カードの年会費は安いです。
ETCカードは入会金・年会費ともに無料で、複数枚作れます。(クレジットカードの発行枚数が1枚でも、複数枚のETCカードを発行できます)
シェルビジネスカードは、キャッシュバックの方法が少しわかりにくいので、順を追って説明します。
- 前々月のクレジットカード利用金額の合計でキャッシュバック率を計算
- 前月にキャッシュバック率が決定する
- 当月のクレジットカード利用金額でキャッシュバック額を計算
- 翌月にキャッシュバックを実施
まず、前々月のクレジットカードの合計利用金額によって、キャッシュバック率が決定します。
月間の合計利用金額 | キャッシュバック率 |
---|---|
100万円以上 | 3.0% |
80万円~100万円未満 | 2.5% |
60万円~80万円未満 | 2.0% |
40万円~60万円未満 | 1.5% |
20万円~40万円未満 | 1.0% |
5万円~20万円未満 | 0.5% |
※前々月のカード利用額が5万円未満の場合、キャッシュバックはありません
最低でも5万円以上のクレジットカード利用が必要なので、キャッシュバック獲得のハードルはやや高いです。
キャッシュバック率が決定したら、当月のクレジットカード利用金額によってキャッシュバックが実施されます。
しかし、「当月のクレジットカード利用金額」はすべての支払が対象になるわけではなく、
- 昭和シェルでの給油
- 高速道路の利用料金
- JR券
- 航空券
- 宿泊料金
- タクシー料金
- 旅費
- レンタカー料金
のみが対象となっています。
キャッシュバックの仕組みをさらにわかりにくくしているのが、「昭和シェルの利用金額については2倍として計算する」という点。
例えば、
- 昭和シェルの給油額:4万円
- 高速道路の利用額:1万円
- 取引先との会食:2万円
というクレジットカードの使い方をした場合。
「昭和シェルの給油額」は2倍の8万円としてカウントされる一方で、「取引先との会食」は計算対象外になっているため、上記の例では合計9万円の利用として計算されます。
この9万円の利用金額に対して、キャッシュバック率が適用される仕組みです。
一番人気のガソリンカードは?
クレジットカードの利用金額が大きい法人・個人事業主にとってはやはり、
- シナジーJCB法人カード
- シェルビジネスカード
がおすすめです。
しかし、全体でみるとやはり「クレジット審査不要・年会費無料」で利用可能な、高速情報協同組合のガソリンカードが圧倒的に人気となっています。

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